エムラパッチ、麻酔シールはどこで売っている?購入方法、市販場所(医師監修)
注射や採血の痛みにどうしても慣れない、苦手という方も多くいらっしゃいます。
心構えや呼吸法などで痛みを逸らす場合もあれば、局所的に麻酔をする事が可能な麻酔テープを使用して、痛みを回避する方法もあります。
この記事では、麻酔テープの働きや種類、違いや料金などを解説します。
注射や採血の痛み止めの種類・違い
麻酔成分が含まれたテープ状の麻酔薬があり、医療現場で使用されています。
- 主な麻酔テープ2種
- ペンレステープとエムラパッチの違いは成分配合量
- エムラパッチにはクリームタイプのエムラクリームも
- 麻酔テープの注意点
主な麻酔テープ2種
ペンレステープ(日東電工株式会社)と、エムラパッチ(佐藤製薬株式会社)の2製品が、よく使用される麻酔テープになります。
ペンレステープとエムラパッチの違いは成分配合量
ペンレステープとエムラパッチの違いの違いは、成分の配合量になります。
ペンレステープとエムラパッチを比較すると、エムラパッチの方が、リドカインという麻酔薬をより多く含んでいます。
加えて、エムラパッチにはプロピトカインという成分も一緒に含まれています。
プロピトカインは、「痛みの元となる電気信号をキャッチする役割を持つ神経細胞」の働きを「ブロック」する働きがあります。
これにより、痛みや刺激が脳に伝わりにくくなります。
プロピトカインは、単体ではなく、リドカインなど他の成分と一緒に配合される事が多い成分です。
エムラパッチにはクリームタイプのエムラクリームも
エムラパッチには、クリームタイプの「エムラクリーム」もあります。
使用する部位や目的などで使い分けられます。
麻酔テープの注意点
どのような薬にも、良い点と副作用などの心配な点があります。
エムラパッチのほうが麻酔作用が強い半面、副作用の可能性も、ペンレステープより高くなります。
ショックやアナフィラキシー、意識障害、痙攣などの副作用の可能性が示されています。
ペンレステープで問題なく痛みを軽減できていたらペンレステープで、より麻酔作用が必要な場合はエムラパッチでというように、状態に応じて使用できるとベストです。
麻酔テープの取り扱いの有無や種類は、医療機関によって異なるので、希望のある場合は担当医や看護師に確認しましょう。
注射や採血の痛み止め・麻酔テープの使い方
麻酔テープに限らず、麻酔は施術してからその働きが現れるまで、時間を必要とします。 注射を打つ約60分前から麻酔テープを貼っておく必要があります。
そのため、
- 麻酔テープを事前に受け取りに医療機関へ行く
- 注射当日の施術前にテープを貼って、その場で60分待機する
などの準備が必要となります。
麻酔テープ使用の段取りなども、医療機関に確認しましょう。
麻酔テープを貼る枚数、時間は年齢や体重などで変わる
麻酔テープは、使用する際の枚数や貼付時間が異なります。
例としてエムラパッチでの使用を記載します。
成人
注射針や静脈留置針を指す予定の部位に、60分間貼る。
1回当たりの最大貼付枚数は10枚まで、貼付時間は120分以内。
小児
成人同様、注射針や静脈留置針を指す予定の部位に、60分間貼る。
1回当たりの最大貼付枚数や貼付時間は、年齢、体重によって変化します。
年齢 | 0~2か月 | 3~11か月 | 1~14才 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
体重 | - | 5kg以下 | 5kg超 | 5kg以下 | 5kg超~10kg以下 | 10kg超 |
最大貼付枚数 | 1枚 | 1枚 | 2枚 | 1枚 | 2枚 | 10枚 |
最大貼付時間 | 60分 | 60分 | 60分 | 60分 | 120分 | 120分 |
※体質、体調、その他仕様の変更等で、上記使用数が変更になる場合があります。
保険適用かどうかは治療内容により異なる
麻酔テープは、使用内容によって、保険適用か、保険適用外かが分かれます。
医療機関によって、使用するテープや料金が異なるため、使用前に確認しましょう。
使用には医師と相談を
注射の痛みを軽減してくれる麻酔テープ。
痛みの感覚は個人差が大きい部分なので、全ての痛みを取るとは言い切れませんが、痛みを回避する方法があるという事自体が、心理的にも助かるものです。
麻酔テープを使用する際は、使用する方の年齢や体重、体質・体調なども見て判断されるので、担当医と相談しましょう。
麻酔テープ以外の、痛くない注射の打ち方の工夫を解説した記事もございます。ぜひ参考にされて下さい。
「採血や注射が苦手・怖い理由と対処法を解説|大人も子どもも」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-saiketsu-kowai
「痛くない注射の打ち方の工夫・コツを解説」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-itakunai
「注射恐怖症とは|症状と対処法を解説」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-kyoufushou
「血管迷走神経反射になりやすい人へ。6つの対処法、治療法、解決法を医師が解説」
https://mame-clinic.jp/column/kekkanmeisoushinkeihansha<
「なぜ痛い!?採血・注射が痛くない方法7選を徹底解説(医師監修)」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-saiketsu-itai
「子どもの注射|嫌がる理由と対策、予防接種、スケジュール」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-kodomo-iyagaru-schedule
参考文献
厚生労働省「ペンレステープ18mg及びリツキサン注10mg/mLの薬事法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9466&dataType=1&pageNo=1