注射恐怖症とは|症状と対処法を解説
注射に対して、強い不安や恐怖感が拭えない、体調の変化も起きてしまうという場合は、「注射恐怖症」の可能性がある事も。
この記事では、注射恐怖症とは、その症状、治療の種類などを解説します。
注射恐怖症とは|限局性恐怖症
不安障害の一つに「限局性恐怖症」というものがあります。いわゆる「~恐怖症」と表現するもので、特定の対象や状況、環境に対して強い恐怖を感じる病気です。
注射恐怖症も、注射に対しての恐怖感が強く働くため、限局性恐怖症の一種となります。
よく見られる恐怖症
- 高所恐怖症:高さに対する恐怖
- 先端恐怖症:針やピンなどの尖った物に対する恐怖
- 閉所恐怖症:閉ざされた場所に対する恐怖など
名称の付いている恐怖症は500以上と言われています。
注射恐怖症で現れる症状
注射前の不安感や緊張、強い恐怖感などから、様々な症状が現れる事があります。
- 制御できないほどの不安感、恐怖感
- 呼吸が早くなる
- 息苦しさをおぼえる
- 汗をかく
- 動悸がする
- 胸の苦しさを強く感じる
- 吐き気が出る
- 体の痺れが出る、感じる
- ぼーっとする(気が遠くなる感覚)
- 失神する
などの症状があります。
このような症状が現れると、精神的に不安になり
- 注射をする日が近づくと、注射の事で頭がいっぱいになる
- 注射自体をさぼる
- 注射への不安や恐怖から飲酒した
など、受けるべき注射や採血が受けられず、健康維持に問題が生じてしまう可能性も出てきてしまいます。
恐怖症の診断基準
注射に限らず、恐怖症では、以下の全てに該当する恐怖や不安がある場合に診断がなされます。
診断は、具体的な診断基準のもと、医師の評価によりなされます。
- 恐怖や不安の程度が強く、半年以上に渡ってみられる
- 特定の状況や対象に関係している
- 特定の状況や対象に遭遇するとすぐに生じる
- その状況や対象を避けるようになる
- 実際の危険とは釣り合わないぐらい不安や恐怖を感じる
- 重大な苦痛を生じている、もしくは日常生活で大きな支障をきたしている
注射恐怖症になりやすい体質の方とは|血管迷走神経反射との関連性
注射恐怖症になりやすい体質はあるのでしょうか。
「血管迷走神経反射」という、自律神経反射の一種があります。
身体を守るために働く、正常な反応ですが、過剰に反応が起こった場合は、
- 頭痛
- 腹痛
- 冷や汗
- 吐き気
などの問題が生じます。
強いストレスや痛み、不安感や恐怖心などが元となり「迷走神経」が刺激されると、身体のすみの血管が広がり、血圧が低下、脳まで充分な血液が送れなくなる事で起こる症状です。
この「血管迷走神経反射」の強弱は、体質に持って生まれたものが強いとされています。
注射に苦手意識がある、不安や恐怖心があるという方が「血管迷走神経反射」の強く出る傾向の体質であった場合、猶更その不安感は高まり、注射恐怖症になりやすくなります。
「血管迷走神経反射」が強い体質では必ず注射恐怖症になる、という事ではありません。
大事なのは、現状や自分の心身の状態を把握し、苦手な注射への対応の仕方を身につける事です。
血管迷走神経反射についての記事もございます。ぜひ参考にされてください。
「血管迷走神経反射になりやすい人へ。6つの対処法、治療法、解決法を医師が解説」
注射恐怖症の対処法
注射に対して極度に恐怖や不安を感じている場合、注射恐怖症かもしれないと感じたら、自己判断はせず、カウンセリングや心療内科などの専門家をあたり、相談すると良いでしょう。
治療の種類
曝露療法
恐怖症の元となっている状況や対象物と向き合う方法を身につけながら、対象に慣れていく療法です。
抗不安剤
一部の恐怖症では抗不安剤を使用する事もありますが、恐怖症自体を薬物療法で克服するという事ではありません。
不安が強い際の抗不安剤、恐怖症の背景にうつ病があった場合など、状況に応じて薬物療法が行われます。
痛みを我慢する必要はなくなっている
- 会社の健康診断で採血があるけど、数日前から想像するだけで動悸がする
- インフルエンザの予防接種を子供に受けさせたいけど、注射のたびに大暴れする子どもがかわいそう
- 家族のためにワクチンは打ちたいけど、大人になっても注射は怖い
採血や注射について悩むのは、子供だけではありません。
実は、成人の10人に1人が「注射恐怖症」という注射処置に対して不安や恐怖を感じる病に悩んでいます。
子供の場合は、3人に1人が注射に恐怖を感じています。
注射恐怖症は、
- コントロールの出来ない強い不安、恐怖感
- 胸が締め付けられるような不快感
- 動悸、発汗、吐き気
などの症状があり、中には注射針を見るだけで倒れてしまう方もいらっしゃいます。
ワクチン接種による注射や、健康診断での採血は、私たちの健康を守る上で欠かせないものです。
嫌がって注射を避け続けていると、自分が病気になってしまったり、あるいは大切な家族に病気をうつしてしまうリスクがあります。
「痛み」を大きく緩和させる「医療用麻酔シール」
多くの注射恐怖症の原因は、注射の時に感じる「痛み」が原因です。
「痛みを我慢するのはおかしい。」という、医療従事者の声から開発されたのが、「エムラパッチ」です。
「エムラパッチ」は医療用麻酔シールで、皮膚に麻酔をかけることで針の痛みを大幅に軽減し、不安感を解消します。
テープタイプ、クリームタイプ、パッチタイプの3種類があり、テープタイプなら0歳の赤ちゃんから利用できます。
麻酔で皮膚の神経を麻痺させることで、痛み信号が一時的に伝達されなくなり、痛みを感じなくなります。
2017年に開発された、効果が高く、かつリスクの少ない医薬品です。
日本ではまだ馴染みが薄いですが、海外では10年以上前から、子供の痛みのケアのために麻酔クリームが使用されていました。
海外の子供たちの間では『マジック・クリーム』という愛称で親しまれ、注射などの処置の前に塗布する習慣があります。
ここ最近、日本でも「痛みの緩和は重要」という意識が周知され、痛みを軽減する処置やお薬に保険が適用できるようになってきました。
これにより、子供たちが不安を感じることなく、治療を受けられる環境が整いつつあります。
医師の処方が必要だが、全て無料オンラインで完結できる
処方には医師の診断が必要ですが、わざわざ病院に行く必要はなく、オンラインから無料で診断ができます。
注文〜到着までをスマホだけで全て完結することができ、忙しい人でもスピーディに入手できます。
注射の痛みを軽減する方法は、他にもサプリや医薬部外品の湿布などがあります。
しかし、サプリや湿布では効き目が少なく、痛みを感じてしまうことが多いです。
一方で、医師の処方が必要は麻酔シールには、ハッキリとした痛みの軽減が期待できます。
購入には費用がかかりますが、1枚だけテスト用の麻酔シールがもらうことができ、もしも効果が得られなかった場合は全額返金してくれる保障もあります。
痛みをなくして、生活の質(QOL)向上を
痛みは、我慢すれば耐えることができます。
しかし、果たして痛みは、本当に我慢するべきものなのでしょうか?
注射や採血する日が近づいてくるだけで、胸が苦しくなって、何日も気分が沈む人もいます。
数秒の痛みが怖くて、注射の日まで怯えて過ごす人もいます。
また、嫌がるお子さんを無理やり病院に引っ張っていくことに、つらさを感じる親も多いと思います。
ですが、注射や採血の「血管や筋肉に注射針を刺す」仕組みは、これからも変わらず続きます。
最新医療をうまく使うことで、痛みのない注射を受け、憂鬱な時間から解放されましょう。
関連記事
その他、注射に関しての苦手・怖い理由と対処法、痛くない打ち方のコツなどの解説記事もございます。
ぜひ参考にされてください。
注射恐怖症とは?原因や症状、子供向けの対処法について解説
https://mutsusaiketsu.jp/
「採血や注射が苦手・怖い理由と対処法を解説|大人も子どもも」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-saiketsu-kowai
「痛くない注射の打ち方の工夫・コツを解説」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-itakunai
「血管迷走神経反射になりやすい人へ。6つの対処法、治療法、解決法を医師が解説」
https://mame-clinic.jp/column/kekkanmeisoushinkeihansha
「エムラパッチ、麻酔シールはどこで売っている?購入方法、市販場所(医師監修)」
https://mame-clinic.jp/column/masui-tape-emulapatch
「なぜ痛い!?採血・注射が痛くない方法7選を徹底解説(医師監修)」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-saiketsu-itai
「子どもの注射|嫌がる理由と対策、予防接種、スケジュール」
https://mame-clinic.jp/column/chuusha-kodomo-iyagaru-schedule