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アルツハイマー、レビー|認知症の薬、薬物療法の種類や副作用を解説

[2023.07.18]

認知症の治療には、2種類の進め方があります。

  • 薬を使用しない「非薬物療法」
  • 薬を使用する「薬物療法」

の2種となります。

認知症患者の方の状態や状況などに合わせて、適した治療方法をとり、治療は進められていきます。

現在、認知症を根治させる薬は存在しませんが、認知症の症状を抑え、その進行をゆっくりにさせるために、薬剤は使用されています。

この記事では、認知症で使用する薬や、その働きを解説します。

薬を使用する認知症の種類

認知症には大きく分けて4つの種類があり、その中でも薬剤を使用するタイプ、しないタイプと傾向が分かれます。

認知症の治療で薬剤を使用するのは、

  • アルツハイマー型認知症
  • レビー小体型認知症

の2種が主となります。

残りの2種、前頭側頭型認知症や血管性認知症に対しては、補助的に薬剤を使用する事があります。

ここでは、認知症タイプ別の薬剤使用の傾向を解説します。

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、主症状に記憶が薄れていく事が挙げられます。
記憶力の低下以外にも、以下のような症状でもアルツハイマー型の特徴として現れます。

  • 判断力の低下
  • 物事の段取りがうまく行かない
  • 見当識障害(日付や時間、居場所、部屋の間取りがよく分からなくなる)
  • 言葉がスッと出て来ず、「あれ」「それ」等の代名詞が増える
  • お金の計算が苦手になる

症状が少しずつ進行していくので、本人も周囲の人々も、変化に気づきにくい事が多いです。
加齢に伴うもの忘れと、認知症での記憶力の低下の違いなどを解説した記事もあるので、ぜひ参考にされてください。

関連記事:「認知症初期症状の特徴、早期発見、MCIとは、受診は何科」
https://mame-clinic.jp/column/ninchisyou-shoki-mci

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症では、幻視、パーキンソン症状、睡眠時の異常行動などが特徴となります。
アルツハイマー型のような、もの忘れや判断力の低下は、初期には目立ちません。

レビー小体型認知症チェックリスト(5個以上該当で要注意)

  • もの忘れがある
  • 頭がぼんやりする時とはっきりする時の差が激しい
  • 動作がゆっくりになる
  • 筋肉がこわばる
  • 最初の一歩が出にくい
  • 実際には無い物が見える
  • 妄想がある
  • 鬱っぽい
  • 睡眠時に異常行動がある
  • 転倒や失神をくりかえす

レビー小体型認知症は、薬に敏感な病気という傾向があるため、薬は必要最低限に使用していくのが基本となります。
ふるえ、筋肉のこわばり、小刻みな歩行がある場合は、パーキンソン病に対する薬を用いて対応します。

パーキンソン症状の特徴が出ているほど、車いすが必要になったり、寝たきりになってしまう等の症状の進行に繋がるので、薬を使用して症状を軽減し、進行を遅らせる事が重要となります。

前頭側頭型認知症や血管性認知症に対応する薬は無い

アルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症以外の認知症タイプである、

  • 前頭側頭型認知症
  • 血管性認知症

に対しての治療薬は、現在の所、開発されていません。

根治としての薬はありませんが、補助的に薬を使用するケースがあります。

認知症タイプ 使用する薬 目的
前頭側頭型認知症 選択的セロトニン再取り込み阻害薬、トラゾドンなどの抗鬱薬の一種 行動障害の発症抑制
血管性認知症 脳血管障害の薬である脳代謝改善薬、抗血小板薬など 脳梗塞、脳出血などの発症抑制
アルツハイマー型認知症を併発している場合 コリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体阻害薬 認知機能の改善を目指す

どの症状であっても、薬を使用するのと併せて、生活環境の調整、短期入院などの対策をし、症状の改善に取り組んで行きます。

認知症に薬を使用する理由

現時点では、投薬での認知症の完治という事は、実現していません。
ですが、薬を使用する事により、認知症の進行を遅らせる、気持ちを落ち着かせる等の働きが期待できます。

ここでは、認知症に薬を使用する理由を解説します。

進行を遅らせる

認知症の進行度が、軽度の頃から適した薬を使用する事により、進行を遅らせる事が期待できます。
アルツハイマー型認知症であれば、記憶障害や見当識障害の症状を抑え、進行を遅らせるために服薬します。

不安や混乱などの精神的な辛さの軽減

認知症になり、

  • 今まで出来ていた事が出来なくなる不安
  • 意欲の低下
  • 気分の落ち込み
  • パニックが起こりやすくなる

などの、精神面での問題を軽減するためにも、投薬は行われます。
やる気や意欲の向上のために、脳を活性化する薬を使用する治療も行われています。

睡眠補助

認知症になると、不安な気持ち等から不眠になる方も多くいらっしゃいます。
それにより、睡眠薬の処方がされるケースが珍しくありません。

睡眠時間の不足、睡眠の質の低下は、起床していても様々な機能の低下に繋がります。
認知機能の低下にも繋がるので、日常生活や認知症の進行などに大きな影響を与えます。

睡眠薬の効き過ぎによる、

  • せん妄状態(※)
  • 日中の眠気

などの副作用には要注意を。

服用する睡眠薬の強弱、服用量、回数などを、主治医と相談しながら決定していきましょう。

※せん妄状態とは
現状、起きている事が理解できず、日時や自分がどこにいるのか分からなくなる見当識障害が生じて、妄想や幻覚が起きる状態の事。
思考の乱れ、ぼーっとする、話の辻褄が合わない、夕方辺りからソワソワと落ち着かなくなる、現実には無いものが見える、時間や場所が分からなくなる等。
1日の中で症状も変化するのが特徴で、夜間に悪化して、日中は改善するパターンが多く見られます。

認知症治療薬は4種類・特徴や副作用

現在、国に認可されている「認知症の治療に使用する薬」は。4種類あります。
ここでは、4種の薬の、それぞれの特徴について解説します。

一般名 商品名 薬効 主な副作用 使用期間 剤型
ドネルペジル アリセプト 抑うつや無関心にも効果 消化器症状 軽度~高度 錠剤、OD錠、細粒、ゼリー状
ガランタミン レミニール 神経伝達物質の分泌促進 消化器症状 軽度~中等度 錠剤、OD錠、液状
リバスチグミン リバスタッチ
イクセロン
貼付薬で使用し易い 皮膚症状 軽度~中等度 貼付薬
メマンチン メマリー 興奮や攻撃性に効果 めまい、頭痛 中等度~高度 錠剤

※OD錠:水なしでも飲用可能なように口中で溶ける剤型

画像出典:若年性認知症ハンドブック

ドネペジル(アリセプト)

※()内は、薬の商品名となります。
特徴
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の1種です。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の働きは、脳内のアセチルコリン※の分解を抑える事です。
その働きにより、脳内のアセチルコリンの量の減少を抑え、認知症症状の進行を遅くする事に役立っています。

※アセチルコリンとは
アセチルコリンとは、神経細胞(副交感神経、運動神経など)から放出される、神経伝達物質を指します。
神経細胞から神経細胞へと情報を伝える際、シナプス(神経細胞の情報発信元)から、樹状突起(受信側)へと電気信号で伝えます。
この電気信号を伝える役割をしているのが、アセチルコリンになります。

ドネペジル等を使用して、このアセチルコリンの量を維持する事で、情報の伝達をスムーズにして認知症の進行を遅らせる狙いがあります。

服用時期
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の両方において、軽度~高度で適しています。

服用期間

  • 副作用が強い場合
  • 認知症の進行度が進み、症状悪化を防ぐ必要が無くなった場合

上記の状態以外では、ずっと飲み続ける事が基本となります。

効果
脳内のアセチルコリン(神経伝達物質)を分解する酵素の活動を抑える働きがあります。
この働きにより、脳内のアセチルコリンの量を増加させる事が期待されます。

アセチルコリンの量が増える事により、

  • 認知症の記憶障害(もの忘れ)
  • 実行機能障害(問題を解決する能力の低下)
  • 見当識障害

などの症状の進行を、遅らせる事が期待されます。
副作用

  • 下痢、嘔吐などの消化器症状
  • イライラ
  • 不整脈
  • パーキンソン症状

などの報告があります。

薬の使用を開始した直後や、飲用量を増やした後などに副作用は出やすいので、注意深く様子を見ましょう。

1日から数日で症状の収まる場合は、軽度な副作用と言えます。
症状が収まらない場合や、症状が強く出る場合、主治医に相談し、用量、用法を検討しましょう。

ガランタミン(レミニール)

特徴
アルツハイマー型認知症に対して、進行を遅らせるために使用される薬です。
服用時期
軽度~中程度のアルツハイマー型認知症に適しています。
服用期間

  • 副作用が強い場合
  • 認知症の進行度が進み、症状悪化を防ぐ必要が無くなった場合

上記の状態以外では、ずっと飲み続ける事が標準となります。
効果
レミニールの働きは、大きく分けて2つあります。
以下の働きによって、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせます。

  • アセチルコリン受容体の効力を高める働き
    アセチルコリンの受け手側の働きを活発にする事で、アセチルコリンが少なくても、スムーズに情報伝達が行われるように働きます。
  • アセチルコリン受容体の分解を防ぐ働き
    アセチルコリンが分解されるのを防ぎ、脳内での量を増やす働きが期待されます。

副作用

  • 食欲低下
  • 吐き気
  • 下痢
  • めまい

などの報告があります。

他の薬同様、使用を開始した直後や、飲用量を増やした後などに副作用は出やすいので、注意深く様子を見ましょう。

症状の回復が見られない場合や、気になる場合は、主治医に相談しましょう。

リバスチグミン(イクセロン)

特徴

内服するのではなく、貼るタイプの認知症薬です。
服用時期
軽度~中等度のアルツハイマー型認知症に適しています。
服用期間
アルツハイマー型認知症が進行し、重度になった場合まで使用される事が一般的です。
効果
アセチルコリンが分解されるのを防ぐ事で、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる働きがあります。

前出のドネペジル(アリセプト)やガランタミン(レミニール)とは、働きかけるアセチルコリン受容体の種類が異なります。

そのため、

  • 他の薬で期待する変化が見られなかった際
  • 強い副作用が出た際

などに、リバスチグミン(イクセロン)に切り替え、様子を見る事があります。

副作用

  • 痒み、発赤
  • おう吐

などの報告があります。

痒みや発赤などの、皮膚への副作用に対しては、

  • 連続して同じ部位に貼らない
  • 保湿する

などの対策が挙げられます。

症状が出た際は、主治医に相談をしましょう。皮膚症状に対しての軟膏を処方してもらう等、必要に応じた対策を検討しましょう。

メマンチン(メマリー)

特徴
国内で唯一承認されている、NMDA受容体拮抗薬です。

認知症の方の脳内では、「グルタミン酸」という神経伝達物質が過剰になっている状態にある事が、研究されています。
グルタミン酸の働きは、脳の神経細胞を興奮させる事で、これにより、脳内で情報伝達を行っている「NMDA受容体」が活性化されます。
過剰に活性化されると、神経細胞や記憶の整理などの正常な働きを妨げられてしまいます。

メマンチン(メマリー)は、グルタミン酸の活動を抑える働きがあります。グルタミン酸の働きを抑え、NMDA受容体が過剰に活性化しないようにするために服用されます。

服用時期
中等度~重度のアルツハイマー型認知症に適しています。
服用期間
副作用なども観察しつつ、服用を継続していきます。
効果
特徴でも記述したように、神経伝達物質・グルタミン酸の働きを抑えます。
他の認知症薬とは作用が異なるため、併用も可能です。
副作用

  • 頭痛
  • めまい
  • 日中でも眠気が出る
  • 血圧の上昇
  • 食欲不振
  • 便秘

などの報告があります。

めまいが代表的な副作用となるので、メマンチン(メマリー)の服用を始めたら、特に転倒に気を付けましょう。

認知症に伴う行動や心理症状に対しての薬

ここでは、認知症で見られる症状ごとに使用される薬について解説します。

向精神薬|妄想の症状がある方に

「向精神薬」とは、

  • 睡眠薬
  • 抗うつ薬

などが含まれます。

ヒトの「精神」に関する神経機能に働きかける薬の総称となります。

認知症になった事で起こる症状を抑え、進行をゆっくりにする役割りが、向精神薬にもあります。

人によって、認知症での症状は実に様々で、個人差が大きいものです。

  • 意欲の低下など、活力の著しい低下
  • 興奮を抑えられなくなり、暴言や暴力などの攻撃性が発露する

など、様々な症状が見られます。

認知症患者自身の心身のために向精神薬を使用する事で、日々を過ごしやすくするために用いられます。
それ以外にも、認知症患者に関わる家族や介護者の負担の軽減にも繋がります。

向精神薬も薬ですから、眠気やふらつきなど、副作用がある場合があります。 服用する人の体質や体調によっても、影響の出方はそれぞれです。

主治医や薬剤師などの専門家から、服用する薬にはどのような副作用の可能性があるかを説明してもらい、疑問点などをクリアにして使用しましょう。
妄想、焦り、幻覚、興奮、攻撃などの症状に使用される薬

薬品名 注意点 主な副作用
リスペリドン 高血糖もしくは糖尿病を併発している際も使用が可能 パーキンソン症状
クエチアピン 高血糖もしくは糖尿病では使用不可
レビー小体型認知症での使用検討可能
眠気、鎮静
オランザピン 高血糖もしくは糖尿病では使用不可
レビー小体型認知症での使用検討可能
眠気、鎮静
アリピプラゾール 高血糖もしくは糖尿病では、慎重に投与する必要あり 弱めの眠気、鎮静

抗うつ薬|気分が落ち込む、不安、眠れない方に

認知症の初期症状としてよく見られるのが、「抑うつ」症状です。

  • 自己の能力低下に対して心配し、横になる時間が増える
  • ふさぎ込む時間が増える

などが、よく見られる症状です。

このような「抑うつ」状態に対して、「抗うつ薬」が処方されます。

  • セロトニン
  • ノルアドレナリン

などの量を増やし、やる気や満足感、集中力などの低下を防ぐ目的で使用されます。

抗うつ薬の使用にあたっては、他の薬同様、副作用に注意をする必要があります。

  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 便秘
  • 排尿障害
  • ふらつき、めまい

などの報告があります。

症状 薬品名 服用頻度 主な副作用
抑うつ
気持ちを抑えられない
同じ事を繰り返す等
フルボキサミン 3回/日(食後) セロトニン症候群(※)
意識障害
幻覚、せん妄、錯乱
パロキセチン 1回/日(夕食後) セロトニン症候群
幻覚、せん妄、錯乱
悪性症候群(※)
セルトラリン 1回/日(朝食後) セロトニン症候群
悪性症候群
痙攣、昏睡
エスシタロプラム 1回/日(夕食後) セロトニン症候群
痙攣、昏睡
不整脈
抑うつ、不安、眠気、食欲増進 ミルタザピン 1回/日(就寝前) セロトニン症候群
痙攣、昏睡
血液成分異常
不安、眠気、焦り ミアンセリン 1回/日(就寝前) 悪性症候群
血液成分異常
痙攣、昏睡
トラゾドン 1回/日(就寝前) 悪性症候群
セロトニン症候群
せん妄、錯乱

※セロトニン症候群:不安、興奮、身体の震え等の症状が出る
※悪性症候群:硬直、体温上昇、頻脈などの症状が出る

睡眠薬|眠れない方に

認知症になった方によく見られる「昼夜逆転」現象。

心身を休めるために眠りたい夜間には眠れず、その分、昼間に眠くなってしまうという「昼夜逆転」の生活リズムになってしまう人が少なくありません。

本人の体調や心理面への影響に加えて、家族や介護者サイドの負担も増加してしまいます。
介護が必要な時間(認知症患者)と、介護が可能な時間(介護者)のタイミングが合わなくなる、同居する家族が寝たい時間に活動されて眠れなくなる等、影響は様々です。

このような状況に対して、睡眠剤が処方される事が多いです。

不眠となる原因をきちんと把握し、適した睡眠剤を検討していく事が重要となります。
脳の睡眠中枢が認知症によって機能低下した事により、不眠を引き起こしている場合もあります。
きちんと主治医や専門家と相談をして、服用をする必要があります。

睡眠薬には筋肉を緩める筋弛緩効果があるので、薬の扱いや管理はしっかりと行われなければなりません。

強く睡眠薬の効果が現れた場合、翌日でも眠気が取れない場合がある事も。
これを持ち越し効果と呼びますが、処方時の服用量を守る、別の睡眠剤に変更する等の対策が必要です。
体質や体調もあるので、必ず主治医や専門家に相談しましょう。

薬品名 効果の時間や注意点
ゾルピデム 半減期(※):2.5時間
ゾピクロン 半減期:3.5~6.5時間
エスゾピクロン 半減期:5時間
ラメルテオン 半減期:0.94時間 フルボキサミンとの併用は不可
スボレキサント 半減期:10時間

※半減期:薬剤の血中濃度が、半分になるまでの時間を指す。この時間が長いほど効果が継続しやすくなる。

漢方薬|イライラ、暴力などがある方に

認知症に対する薬療法として、昨今では漢方薬も研究が進んでいます。
西洋医学の薬以外にも、適応できる治療薬の幅が広がる事は、様々な症状へのケアの幅の広がりとして、とても重要です。

「抑肝散」という漢方薬が、アルツハイマー型認知症の治療として使用されています。

抑肝散で改善の期待できる症状は、

  • アルツハイマー型認知症による、幻覚妄想、抑うつ、心理症状など

になります。

抑肝散は、「釣藤鈎(チョウトウコウ)」という生薬から作られており、セロトニン神経系に働きかけ、不安感を和らげる作用があります。

  • 興奮、焦り感の軽減
  • 攻撃的行動の軽減

などの働きが、注目されています。

副作用としては、食欲不振、下痢、胃の不快感、発疹、かゆみ、肝機能値の変化などが挙げられています。
これらの症状が出た際は、主治医に相談し、用法、用量の検討をしましょう。

認知症の薬の副作用

ここでは、認知症で使用される薬剤で見られる副作用について解説します。

基本的な症状

抗認知症薬も薬剤なので、絶対に副作用がないと言い切れるものではありません。

他の薬同様、服用を開始した際や、分量が増えた、種類を変えた際などに症状が出やすいので、慎重に経過を観察しましょう。

副作用と思われる症状が見られた場合は、主治医と相談をし、連携して方針を固めましょう。

薬剤によって現れる症状は異なりますが、よく見られる副作用は、

  • 吐き気
  • 下痢
  • 徐脈(脈が遅くなる)

などが挙げられます。

自己判断で止めない

もし副作用が出た場合、自己判断で薬の服用を中止する事は避けましょう。
急に服用を止めた事で、かえって状態の低下などを招くケースもあります。
必ず主治医に相談し、薬の分量や用法の見直し、薬の変更など、今後の方針を検討しましょう。

医師や専門家に相談する(医師や薬剤師との連携、投薬情報の一元化など)

認知症によって起こる行動や心理上の症状に対する薬剤の位置づけは、『リハビリや心理療法などの、薬剤以外での療法「非薬物療法」での改善が不十分な場合』に行う事が推奨されています。

  • リハビリや心理療法での改善が思わしくない
  • 薬剤を処方されているが、行動や心理症状の改善が思わしくない

などの場合、主治医と相談して、適した療法、薬剤を検討していきましょう。
薬が処方されてからも、副作用によって、状態の改善が見られない場合もあるため、常に認知症患者の状態を知っておく事が重要です。

複数の医療機関(例:整形外科、内科、呼吸器科など)にかかっていて、それぞれで薬剤を処方してもらっている場合、

  • 薬剤の重複
  • 薬剤の飲み合わせの相性

などを確認すると良いでしょう。

場合によっては、薬の飲みすぎ、飲み合わせの悪い薬剤の組み合わせに繋がる事もあるからです。

外出時は「薬手帳」を携帯し、服用中の薬剤や、該当する物があればアレルギーのある薬名のメモなどもし、かかりつけ医や薬剤師と相談できるようにしておくと良いでしょう。

可能であれば、受診する病院や薬局を定め、認知症患者本人の経過や、使用薬剤の経過を長期間把握してもらえるようにすると安心です。

主治医とのやり取りの中で、

  • 薬の処方時に詳しい説明があまり無い
  • 副作用に関しての相談がし辛い

などの場合、安心や納得の行く診察が難しくなります。

他の病院をあたる事を検討するのもプランの一つですが、薬剤師に間に入ってもらうという方法もあります。

「疑義照会」という、処方箋内容に対して医師に問い合わせをする事が、薬剤師には認められています。
うまく医師との連携の間に入ってもらえると、薬剤による副作用の恐れを軽減する事ができます。

何より重要なのは、1人で抱え込まない事です。薬剤治療を進める中で、疑問点や気になる症状があった場合は、専門家を頼りましょう。

認知症の薬の管理

認知症に限りませんが、日常でのお薬の管理も工夫が必要なポイントです。
ここでは、薬の飲み忘れへの対策、逆に飲みすぎる、飲みたがる場合の対策を解説します。

本人の管理能力を尊重して、できない部分を支える

認知症になった場合の薬の管理で気を付けたいのが、「介護者の服薬管理のし過ぎ」です。

認知症が進み、記憶や理解力、判断力などが低下して、本人自身による薬の管理がし辛くなる事はよく見られるケースです。

しかし、薬をうまく飲めない、飲み忘れる等の兆候が見られてすぐに、全ての服薬管理を介護者がしてしまうのは、

  • 認知症患者の残っている能力を発揮する機会を損なう
  • 認知症患者の気持ち(まだ自分でやれるという自尊心)を傷つける

などに繋がります。

認知症患者本人で管理できる部分は尊重し、必要な部分はサポートをするというように、段階的に支えるのがポイントとなります。

服薬管理を行う訪問介護や居宅療養管理指導など、介護保険サービスの範囲で利用できるものもあるので、ケアマネージャーに相談、連携して適した方法を検討しましょう。

飲み忘れ予防

薬の飲むタイミング、分量など、飲み忘れには様々なケースがあります。

  • 薬カレンダーを利用する
  • 朝昼晩、日ごと、月ごとなど、飲用する薬を分けておける薬ケースを使う
  • 上記薬ケースのウォールポケット版を壁にかけ、いつでも見られるようにしておく
    (透明ビニール製のものなら、収納した薬がよく見えるので飲み忘れ予防に最適)
  • 複数の薬剤を1回に飲む場合、薬剤の1つの袋にまとめる「一包化」をしてもらう
    (「一包化加算」という追加料金は必要となります)

などの対策が取れます。

薬を飲む際に、家族や介護者がそばに居ない場合(仕事で日中不在、離れて暮らしている等)もあります。
その場合は、

  • 訪問介護やデイサービスの利用時間帯は、事業所の方にお願いする
  • アラームをセットする
  • 電話で知らせる

などの対策が取れます。

飲みすぎ予防

飲み忘れとは逆に、飲みすぎというケースもあるので、注意が必要です。

認知症による記憶障害で、薬を飲んだ事自体を忘れ、結果として必要以上の量を服用してしまう事が多々見受けられます。

「実際には既に薬を飲んでいる」という事を伝えても、認知症患者である本人にとっては「まだ薬を飲んでいないという事が事実」と捉えているので、説得はなかなかうまく行きません。

しかし、そのまま薬を飲用すると、過剰摂取となり、副作用が出る可能性が高まってしまうので、対策が必要です。

よく取られる対策としては、「偽薬」の使用です。

本物の薬同様の形態で作られているものの、薬成分は含まないので、摂取しても身体への悪影響はありません。
「薬をきちんと飲めた」という安心感や達成感を得られるので、認知症患者本人の気持ちも落ち着く対策となります。

偽薬には、カプセル状、錠剤タイプ、貼るタイプ等の形状の種類があり、使用している薬剤の形状に合わせる事が可能です。

偽薬は市販されていますが、利用に際しては主治医に相談の上、活用していきましょう。

認知症の薬を飲みたがらない場合

認知症患者本人が、薬を飲みたがらない、うまく飲めないという場合も、主治医と相談して対策を検討していきましょう。

  • うまく飲めない場合、飲みやすい形状に変える(例:錠剤を液体タイプ、ゼリー状の薬剤に変更する)
  • 気分の変調によって嫌がっているケースも。気持ちが落ち着いてから服用してもらう。
    (服用のタイミングのズレが許容されるか、主治医と相談する)

などの対策が取れます。

服用中の薬の副作用、それ以外の新な病気の発症などによって、飲みたくない・飲めない状態になっている場合もあります。
介護者のみで悩まず、医師と相談、状況確認をし、適切な指示を受けましょう。

認知症の薬まとめ

薬剤を使用した治療は、効果の具合、副作用が無いかの経過のチェック、服用管理など、様々な面で気を付ける事が多いものです。
ですが、認知症患者本人の過ごしやすさはもちろん、介護者を助けるものでもあるので、主治医と連携して、上手に取り入れて行きましょう。

薬を服用する方の体質や、認知症の状態は人それぞれですし、日々状況は変化していくものです。
その時その時で適した薬剤も変わってくる場合が多々あるので、常に相談しやすい専門家と繋がっておく事が重要となります。


疑問がある、困った状況にある場合は、遠慮なく、主治医、薬剤師、ケアマネージャー、地域包括支援センター等に相談して、適した対策にたどり着けるようにしておきましょう。

関連記事:
認知症とは|種類、症状、違い、原因、何科、対処法
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親が認知症になったらやるべき・知るべき事、対策、介護
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参考文献

若年性認知症ハンドブック
https://www.mhlw.go.jp/content/2020_jyakubook.pdf
BPSD(認知症の行動・心理症状) に対応する向精神薬使用ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036k0c-att/2r98520000036k1t.pdf

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