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インフルエンザのときにロキソニンを飲んでも大丈夫?ダメと言われる理由や禁忌の薬剤について解説

[2023.02.03]

毎年寒くなると流行り始めるインフルエンザ。高熱や関節痛が主な症状の感染症の1つです。「高熱などを和らげたい」と解熱鎮痛剤を併用していいか気になっている人もいるのではないでしょうか。

解熱鎮痛剤の中で処方されることの多いロキソニンは、近年薬局でも購入できるようになり、身近なものとなりました。そんなロキソニンをインフルエンザのときに飲んでも大丈夫なのか気になっている方もいるかと思います。

インフルエンザのときに処方される薬と、組み合わせてはいけないとされる解熱鎮痛剤もあり、ロキソニンを含め服用には注意が必要です。本記事では、インフルエンザにかかったときに解熱鎮痛剤の1つであるロキソニンを飲んでも大丈夫か、禁忌やダメと言われる理由などを解説していきます。

インフルエンザの基礎知識

インフルエンザは、オルトミクソウイルス科の一つであるインフルエンザウイルスによって引き起こされます。A/B/C型の3種類あり、流行しやすいのはAとB型です。インフルエンザは風邪と同じ呼吸器感染症ですが、通年かかる方の多い風邪とは異なり、重い症状が出やすい疾患となっています。

そんなインフルエンザについて、風邪との違いや診断方法、治療方法について解説していきます。

インフルエンザの症状と風邪の違い

インフルエンザと風邪の違いは、原因となるウイルスや症状の出方です。風邪の8割〜9割はウイルス性と言われ、以下のようなウイルスが原因となっており、残りの1割〜2割は細菌性となっています。

  • ライノウイルス
  • コロナウイルス
  • RSウイルス
  • パラインフルエンザウイルス
  • アデノウイルス

パラインフルエンザウイルスには、インフルエンザという名が入っていますが、今回解説しているインフルエンザとは別のウイルスです。

風邪は1年中発症しますが、インフルエンザは11月〜3月にかけての寒い時期に流行します。4月〜5月に関しては減少傾向をたどり、夏でも発症する可能性はゼロではありません。そして、この2つの症状は以下のようになっており、出方が異なっているものもあります。

症状

風邪

インフルエンザ

38℃以下

38℃以上

発熱前/発熱と同時

遅れて出現

鼻水

透明から黄色へ

遅れて出現

喉の痛み・腫れ

発熱前/発熱と同時

あまり見られない

関節痛・筋肉痛

あまり見られない

見られることがある

 

インフルエンザは38度以上の高熱が先にではじめることが多く、だるさや寒気、関節や筋肉の痛みなど全身に症状が見られることが特徴です。風邪に関しては、鼻腔/咽頭/喉頭の上気道感染を引き起こし、38℃以下の発熱で喉の痛みや鼻水、くしゃみなどが見られます。

インフルエンザの診断方法

インフルエンザかどうか診断するには、抗原検査キットを使うことが多いです。インフルエンザウイルスが持っている独自のタンパク質があるかないかを調べる検査となっています。

検査をするときには鼻や喉の奥の咽頭ぬぐい液などを採取し、タンパク質が含まれていると抗体が反応する仕組みです。

なぜ咽頭ぬぐい液を採取するのかというと、鼻の奥〜咽頭にかけての粘膜の部分にインフルエンザウイルスが存在しているため、検出されやすくなっています。

抗原検査キットは20分から30分ほどで結果が出るのが特徴です。しかし、症状が出始めてすぐに検査をしても陰性となることがあるため、発熱から12時間ほど経ってから検査をするのがおすすめです。

陰性となってもインフルエンザの症状が見られる場合には、時間を開けて検査をすると陽性となることもあります。

インフルエンザの治療方法

インフルエンザにかかったときには、抗インフルエンザ薬の服用と対症療法で治療をしていきます。

抗インフルエンザ薬には、飲み薬/吸入薬/点滴の3種類あり、それぞれ以下のような特徴や副作用があります。

薬の種類

薬剤名

特徴や副作用

飲み薬

タミフル

全世界で最も使用されているインフルエンザ薬。

A型B型ともに効果があると言われている。

副作用は下痢/腹痛/吐き気など。

ゾフルーザ

2018年から使用され始めたA型B型の新しいインフルエンザの治療薬。

1回の服用で効果が見込める場合がある。

12歳未満での服用は耐性率が高い場合がある。

副作用はアレルギー反応/異常行動など。

吸入薬

イナビル

A型B型共に効果があるとされている。

ネブライザーを用いて吸入をするため、小児にも処方される。

1回の吸入で長い時間作用することが特徴。

副作用は下痢/頭痛/嘔気など。

リレンザ

A型B型共に効果があるとされている。

特にB型で効果が高い傾向がある。

1日に2回、5日間吸入をし、吸い込んで直接気道に薬剤を届ける。

副作用は下痢/発疹/吐き気など。

 

ラピアクタ

A型B型共に効果があるとされている。

インフルエンザ薬で唯一の点滴製剤。

薬が飲めないかつ吸入ができない方が対象の薬剤。

副作用は下痢/発疹/嘔吐など。

 

これらはインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬となっており、ウイルスを減らす薬ではないため、対症療法との組み合わせで治療をしていきます。

 

インフルエンザの熱や筋肉痛などが見られるときに解熱鎮痛剤の服用はOK?

 

インフルエンザと診断されたときに、抗インフルエンザ薬と併せて解熱鎮痛剤が処方されることもあります。しかし、解熱鎮痛剤の1つであるロキソニンは禁忌とされています。なぜロキソニンが禁忌と言われているのか理由を説明していきます。

 

大人はロキソニンの使用は可能だが、子供は使用不可

大人であればインフルエンザにかかったときにロキソニンを服用することは可能ですが、子供に関しては使用不可となります。なぜ使用不可なのかというと、子供がロキソニンを服用するとインフルエンザ脳症を発症する可能性があるためです。

 

ロキソニン以外にも解熱鎮痛剤の種類によっては、インフルエンザ脳症やライ症候群を引き起こすと考えられているため、成分に注意しなければなりません。

 

ロキソニンはステロイドではない非ステロイド系抗炎症薬の1つで、痛みを引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を抑え、痛みと熱を下げる効果があります。イブやバファリンがロキソニンと同じ作用のある非ステロイド系抗炎症薬となっておりこれらも子供への使用は不可となっています。

 

アセトアミノフェン系は大人も子供も使用可能

解熱鎮痛剤にはロキソニンの他にもさまざまな種類があり、その中のアセトアミノフェンは子供も使用が可能です。アセトアミノフェンの特徴として、体温の調節を司っている視床下部に作用し、熱を下げる効果を持っています。イブプロフェンと作用の仕方が異なることも特徴です。

 

アセトアミノフェンは、ライ症候群やインフルエンザ脳症の発症リスクが低く、副作用が他の解熱鎮痛剤よりも少ないとされているため、インフルエンザのときにもよく処方され、子供でも服用が可能となっています。

 

アセトアミノフェンが主成分の薬で代表的な薬はカロナールです。アセトアミノフェンが主成分のタイレノールA、バファリンルナJ、小児用バファリンは市販薬で薬局でも購入することができます。

 

小児用のバファリンなど、子供用として販売されていますが、市販薬の中にはロキソニンと同様の作用を示す非ステロイド系抗炎症薬が配合されているものもあります。

そのため、自己判断で飲ませることは避け、発熱コールセンターへの相談をして看護師や医師の指示を仰いだり病院で処方をしたりしてもらうようにしましょう。

 

ライ症候群とは?

ライ症候群は子供に多く見られる急性脳症や肝機能の障害を引き起こす疾患です。アスピリンやサリチル酸系の解熱鎮痛剤を服用した場合に発症をすると考えられています。

 

インフルエンザや風邪、水疱瘡などの感染症がきっかけとなり、発症5日〜7日後に突然の激しい嘔吐が繰り返し見られるのが特徴です。

 

その後、1日も経たないうちに脳圧が上昇、症状が進行し錯乱や悪夢などの精神症状やけいれん、昏睡が見られます。軽症から重症まで症状の重さが多岐にわたり、死亡率は軽症であれば2%未満、重症であれば80%以上と幅があります。

 

病院では、子供の精神状態の急激な変化や血液検査、肝生検に基づいて診断が下されます。

 

昭和57年以降から研究が進められているものの、いまだに原因がはっきり解明されていません。しかし、インフルエンザなどの感染症を発症後、熱を下げるために解熱鎮痛剤を服用した経緯がある方が発症をした例がいくつあります。そのため、アスピリンやサリチル酸系の解熱鎮痛剤の服用によって発症した可能性があると考えられているのです。

 

ライ症候群は、19歳未満のお子さまに多く見られる疾患のため、インフルエンザにかかったときにはアスピリンやサリチル酸系の解熱鎮痛剤は服用しないようにしましょう。

 

インフルエンザ脳症とは?

インフルエンザに伴って発症する疾患がインフルエンザ脳症です。発症は0歳〜19歳の子供に多く、20歳以上の大人もかかることがあります。

 

発症してから1日〜2日で脳症を発症し、症状が進行する速度が速いのが特徴です。初期症状はけいれんや異常行動などの神経症状となっており、インフルエンザで発熱が見られてから数時間〜1日以内に症状が出始めます。

 

厚生労働省のインフルエンザ脳症研究班によると、インフルエンザ脳症では下記のような異常言動や行動が見られることがわかっています。

 

  • 靴を履いて外に飛び出し、飛び降りようとする
  • 夜間に包丁を持って襲おうとする
  • 家族を認識できず間違う
  • いるはずのない人やアニメのキャラクターなどが見える
  • 食べ物とそうでないものの判断がつかない
  • なんでも口に入れてしまう
  • ろれつが回らず、意味がわからない言葉を発する
  • 急に怒り出したり泣き出したりする
  • 突然歌ったりいつもと違う歌い方をしたりする
  • 無表情や無反応で喜怒哀楽がない

 

インフルエンザにかかったとき、ジクロフェナトリウムとメフェナム酸を解熱鎮痛剤として服用した方の中にインフルエンザ脳症を発症した方がいたため、解熱鎮痛剤との関係があると考えられています。

 

インフルエンザのときに禁忌とされている薬剤

インフルエンザのときに禁忌とされている薬剤は、非ステロイド系抗炎症薬の中のメフェナム酸、ジクロフェクナトリウム、アスピリン、イブプロフェンなどです。

 

ライ症候群とインフルエンザ脳症は、これらを解熱鎮痛剤として服用した経緯のある方が発症しているため禁忌となります。これらの薬を一覧で見ていきましょう。

 

禁忌の解熱鎮痛剤

含まれる主な薬剤

メフェナム酸

ポンタール

アスピリン

バファリン

ジクロフェクナトリウム

ボルタレン

インドメタシン

インダシン

 

ロキソニンは禁忌ではないため、大人の方は服用できます。しかし、インフルエンザ脳症の発症リスクを高める可能性があるので、服用を避けておきましょう。

 

今回紹介した薬剤は解熱鎮痛剤だけではなく、風邪薬にも使われていることがあります。これらの成分が配合されている市販薬は、コンタック・ナロンエース・プレコール・ノーシン・ストナなどです。インフルエンザの可能性がある場合には、自己判断で飲まないようにしましょう。

 

またインフルエンザワクチンを接種している方は、インフルエンザにかかっても風邪と同じような症状が見られる場合があります。インフルエンザの可能性がある場合には、自己判断で解熱鎮痛剤を服用せずに医療機関の受診をしましょう。

 

また病院で処方される薬の中で、PL顆粒という薬剤があり、成分はアセトアミノフェンです。アスピリンの類似薬も配合されているため、服用は避けておきましょう。

 

禁忌の薬を飲んでしまったときの対処法

禁忌の薬を飲んでしまった場合には、気づいたらすぐに医療機関を受診してください。しかし、夜間や休日は休診の医療機関も多く、インフルエンザが流行する時期は、年末年始など医療機関が連続で休みのことも多いです。

 

かかりつけもしくは近くの医療機関が休診の場合には、医師が自宅まで往診をしてくれるサービスやオンライン診察を利用するのがおすすめです。24時間365日休みなく利用できるサービスもあり、急に受診しなければいけないときにも医師の診察を受けられます。

 

解熱鎮痛剤を服用するときの注意点

大人が解熱鎮痛剤を服用するときには、服用後安静にしましょう。子供が解熱鎮痛剤を服用するときには、一人にさせずに注意深く見守ることが必要です。

インフルエンザ脳症やインフルエンザ治療薬の副作用により異常行動が見られることもあるため、解熱鎮痛剤を服用しないときにも見守るようにしましょう。

体調の変化やいつもと違う症状が見られた場合には、すぐに医療機関を受診するようにします。

 

インフルエンザの解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンの服用を

 

本記事では、インフルエンザの症状や感染経路などをはじめ、インフルエンザのときに服用が禁忌なもの、避けた方がいい解熱鎮痛剤の服用について解説をしました。

 

インフルエンザで禁忌とされている解熱鎮痛剤を飲むと、ライ症候群とインフルエンザ脳症を引き起こす可能性があります。この2つは原因などがはっきり解明されていませんが、禁忌や避けた方がいい解熱鎮痛剤を服用していた経緯が見られるため、避けておく方が安心です。

 

解熱鎮痛剤の中のアセトアミノフェンは副作用が少なく、ライ症候群やインフルエンザ脳症を引き起こす可能性が低い薬剤です。大人だけではなく子供や妊娠している方にも使えるため、インフルエンザにかかったときにはアセトアミノフェンを服用しましょう。

 

もし、禁忌の薬剤を服用してしまった場合には、すぐに医療機関もしくは往診サービスでの医師の診察を受けるのがおすすめです。

 

参照サイト一覧

・国立感染症研究所

 (https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2319-related-articles/related-articles-429/6068-dj4295.html

・一般社団法人 日本呼吸器学会

https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/a/a-01.html#:~:text=%E5%8E%9F%E5%9B%A0,%E7%B4%B0%E8%8F%8C%E3%82%82%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・くすりと健康の情報局

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/coldsyndrome-02/

・日経メディカル 処方薬事典

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/article/556e7e5c83815011bdcf830c.html

・エスエス製薬

https://www.ssp.co.jp/dictionary/ibuprofen/

・厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/houdou/0105/h0530-3.html#:~:text=%EF%BC%88%E6%B3%A8%EF%BC%92%EF%BC%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%9A,%E3%81%AB%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%E7%99%BA%E7%97%87%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82

・MSDマニュアル家庭版

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/23-%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E4%B9%B3%E5%85%90%E3%81%A8%E5%B9%BC%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E4%B9%B3%E5%85%90%E7%AA%81%E7%84%B6%E6%AD%BB%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4-sids

・厚生労働省 インフルエンザ脳症研究班

https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0925-01.pdf

・厚生労働省 インフルエンザ脳炎・脳症研究班

https://www.pmda.go.jp/files/000147324.pdf

・独立財団法人国立病院機構相模原病院 臨床研究センター

https://sagamihara.hosp.go.jp/rinken/crc/nsaids/about/index.html#:~:text=%E9%9D%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E6%80%A7%E6%8A%97%E7%82%8E%E7%97%87,%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・健栄製薬

https://www.kenei-pharm.com/general/learn/influenza/5867/

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