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高血圧とはどのくらい?血圧を下げる方法や高血圧が原因でおこる病気を解説

[2023.05.30]

血圧とは、私たちの血液が血管の壁に押し付ける力のことです。この血圧が高いと、体にはいろいろな問題が起きる可能性があります。心臓に負担がかかったり、脳卒中のリスクが高まったりと、健康に悪影響を及ぼすことが知られています。

血圧が高いからといって、すぐに大変なことになるわけではありませんが、生活習慣を見直し、少し改善する必要があるという体のサインかもしれません。

この記事では、血圧が高いのはどのくらいか、その指標や血圧を下げるポイント。血圧を下げるための具体的なアドバイスを皆さんにお伝えします。食生活や運動習慣、ストレスの管理方法など、日常生活の中でできることから始めてみましょう。

血圧を下げることで、あなたの体はより健康になり、心地よく過ごすことができます。自分の体と心を大切に、血圧管理について学んでいきましょう。

高血圧とは?定義や種類、症状と予防法を解説

「血圧が高い」のはどのくらいから?

医師は次の2つのパターンでの血圧測定結果をもとに「血圧が高い」と判断しています。

1つ目は医療機関で測定した値です。

病院や健診施設などで測定した血圧が、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)の状態を高血圧と診断します。

2つ目は自宅で測定する血圧(家庭血圧)です。

家庭血圧が135mmHg以上または85mmHg以上(135/85mmHg以上)の状態を高血圧と診断します。

ではなぜ、高血圧の判断基準値が2つあるのでしょう。

それは、医療機関では緊張して血圧が高くなってしまう『白衣高血圧』の人が一定数いらっしゃるからです。本当は高血圧ではないのに、病院で測ると高血圧と誤診されてしまうのを防がなければなりません。

自宅で測定したほうが比較的リラックスしていて、血圧が低くなる傾向があるので、2つの判断基準を用いるのです。

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血圧はどれくらいがいい?

高血圧の人がどのくらいまで血圧を下げたらいいか、その目標値は一人ひとり異なります。

日本高血圧学会のガイドラインでは、家庭血圧を基準として次のような降圧目標を示しています。

対象者 家庭血圧の降圧目標
若年、中年、前期高齢者(65歳以上) 125/75mmHg未満
後期高齢者(75歳以上) 135/85mmHg未満
糖尿病患者 125/75mmHg未満
慢性腎臓病患者(尿たんぱく陽性) 125/75mmHg未満
脳血管障害、冠動脈疾患患者 125/75mmHg未満

しかし、この降圧目標はあくまでも1つの目安。

たとえば、慢性腎臓病や脳血管障害、冠動脈疾患では病気の進行を遅らせる目的で、低めの降圧目標を設定しています。若い人も、将来の合併症を防ぐために降圧目標を低めに設定しています。

反対に、一般的に高齢者の降圧目標はやや高めです。ひとつは加齢に伴い動脈硬化が進み、血圧は高くなりがちです。そのため、ある程度の許容範囲を設けて、高圧目標は高めに設定されています。さらに年齢を重ねると、全身の内臓の働きも衰えます。そのため、血圧を過度に下げすぎると臓器の血流が悪くなり、違う病気を発症してしまうリスクが高くなってしまうからです。

また血圧は1日の中で変動します。

眠っている時間や食後・入浴後は低く、起きているときやイライラしているときは高くなりやすい傾向がありますが、どのタイミングで血圧が高くなるかは人それぞれ。そのため1日2~3回家庭血圧を測定し、できるだけ血圧を一定に保てるように、血圧を下げる薬を服用します。

血圧が高くなるタイミングに合わせて薬の効果が発揮できるよう、飲む量や時間を調整し、血圧を下げるのです。当院で血圧を下げる治療をおこなう際には、一人ひとりの年齢や持病に合わせた降圧目標値を設定しています。

降圧目標について詳しくは医師にご確認ください。

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血圧を下げる方法

血圧を下げる方法には大きく分けて、以下の2つの方法があります。

  • 薬物療法
  • 生活習慣の改善

薬物療法

薬物療法とは、血圧を下げる薬(降圧薬:こうあつやく)を服用して血圧を下げる方法です。降圧薬にはさまざまな種類があります。薬の効果も24時間効くものから、数十分という短時間で血圧が下がるものまで多岐にわたります。

何種類かの降圧薬を組み合わせて服用したり、血圧が高くなりやすい冬は薬を増やし暖かくなると薬を減らしたりなど。家庭血圧の変動に合わせて、薬の量や種類を調整するのが一般的です。

生活習慣の改善

生活習慣の改善といっても、具体的になにをすればよいのか、イメージしにくい人もいるかもしれません。まずは基本的な次の6つのポイントを心がけてみましょう。

  • 減塩
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠
  • ストレス緩和
  • 寒暖差を減らす
  • 禁煙
減塩

塩分を取る量が多いと、血液中の塩分濃度が濃くなりますが、塩分濃度が濃い血液というのは、身体に大きな負担がかかります。そのため、濃くなった血液中の塩分濃度を薄めるために、喉がかわきたくさんの水分を取り込むようになります。

その結果血液中にたくさんの水分が吸収されて、容量が増えた血液では高い圧力をかけないと、うまく全身に循環することができなくなり、血圧が高くなるのです。

そこで減塩をすると、体の中に必要な水分の量も減り、血液を送り出すための圧力も下げることができます。塩分制限の目標は一日6gとされています。濃い味のものは控えめにする、減塩調味料を取り入れるなど、少しずつ心がけていきましょう。

適度な運動

適度な運動は全身のリラックス効果と、ストレス緩和効果が期待できます。はじめはラジオ体操程度の軽いものでも構いませんので、始めてみてください。

ストレス緩和

ストレスは交感神経を刺激し、血管を収縮させます。そして血管が収縮すると狭くなった血管に、血液を流すために血圧が上がってしまいます。一方で、リラックスすると血管が広がって、血管への圧力は低下します。

そのため、血圧が高い方にとっては、なるべくストレスを避けて、リラックスするということが大切です。ストレスの原因から離れ、適度な運動や趣味でストレス緩和を目指しましょう。
寒暖差を減らす
寒くなると体温を逃がさないように、血管を収縮させ体温を維持します。そして収縮して細くなった血管に血液を流すために、血圧が上がりやすくなります。

特に、冬場の入浴時や外出時の寒暖差は血圧を大きく変動させるので注意が必要です。

禁煙

たばこを吸うと、ニコチンなどの影響で全身の血管が収縮します。
その結果、ストレスや寒暖差を感じたときと同様に、血圧が上がりやすくなります。

血圧が高い人は、まずは禁煙を試してみましょう。

血圧を下げないとどうなる?高血圧が原因でおこる病気3選

血圧が高いと、血管には常に高い圧力がかかります。圧力がかかった状態が続くと、血管はその圧力に耐えるため硬くなります。いわゆる動脈硬化の状態です。

動脈硬化が進行すると、次のような病気を発症するリスクが高くなります。

  • 脳血管疾患
  • 心血管疾患
  • 慢性腎臓病

脳血管疾患

脳血管疾患とは脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、脳の血管が詰まったり破れたりして発症する病気のことです。体に麻痺が残ったり、話したり、文字を書いたりすることが困難になるなど、さまざまな後遺症もおこりやすいです。

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心血管疾患

心血管疾患とは狭心症や心筋梗塞、弁膜症など、心臓の血管や筋肉に関する病気のことです。血圧が高く動脈硬化の人は、全身に血液を送り出すために常に心臓は全力で働いています。

血管がもろくなったり、狭くなったりすると、心臓への負担はさらに大きくなり、その負担が限界に達したときさまざまな病気として現れるのです。

慢性腎臓病

血圧が高いと、常に全身の血管には高い圧力がかかっています。圧力がかかりすぎると、細い血管はつぶれたり詰まったりしやすくなります。おしっこを作る役割を担う腎臓は、細い血管が集まった臓器です。

血圧が高いと腎臓の細い血管がダメージを受け、腎臓の働きが低下してしまいます。この状態が長く続き症状が悪化すると、腎臓の機能の代わりをはたす透析が必要になってしまいます。

まとめ

今回は、血圧を下げるための色々な方法について解説しました。

まず、バランスの取れた食事と定期的な運動が血圧を下げる基本的なステップです。塩分を控えめにし、フルーツや野菜をたくさん食べ、体を動かす習慣を持つことは、血圧管理にとってとても大切なことです。

次に、ストレス管理も重要です。リラクゼーションの方法を見つけ、毎日の生活に取り入れることで、心も体も健康に保つことができます。

そして最後に、定期的な健康チェックもお忘れなく。高血圧の症状は必ずしも自覚できるものではないため、定期的に血圧をチェックすることが、健康を守るための大切なステップとなります。

血圧を管理することで、健康で快適な生活を送ることができます。自分自身の健康は自分自身の手で守ることができるのです。これからも、血圧をコントロールし、健康的な生活を送りましょう。

当院では、一人ひとりの年齢や持病に応じた降圧目標を設定し、薬物療法と生活習慣の改善をおこないながら血圧を下げていきます。血圧が気になる方、なかなか血圧が下がらない方、血圧が高くならないように食事や生活習慣に気を付けたい方のサポートもおっています。

ぜひ一度、当院へお気軽にご相談ください。

参考資料

1)高血圧の診断基準と降圧目標値 生活習慣病オンライン
https://www.sageru.jp/bloodpressure/knowledge/criterion.html

2)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2019

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