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高血圧とは?定義や種類、症状と予防法を解説

[2023.05.26]

高血圧とは血圧が平均値よりも高い状態のことで、具体的には医療機関で測定した血圧が140/90mmHg以上、自宅で測定した血圧が135/85mmHg以上のケースとされています。血圧が高い状態では、血管への負担が大きくなってしまいますので、さまざまな病気を引き起こします。

また、厚生労働省の調査では、成人の2人に1人が高血圧だと報告されており、国民病の1つでもあるのです。ではなぜ、このように血圧が高い状態(高血圧)になってしまうのでしょう。

本記事では高血圧の原因や症状、対処法についてご紹介します。

高血圧とは?

心臓から全身に送り出された血液が、動脈の壁を押す圧力のことを血圧といいます。高血圧とは、その圧力が高い状態のことです。血圧は朝起きてから少しずつ高くなり、一般的には日中が最も高いとされています。

血圧が高いと何が問題なのかというと、1つは他の病気を起こしやすくなるということです。血圧が高いと血管に負担がかかりやすくなるので、徐々に血管が傷ついていき動脈硬化と呼ばれる血管の柔軟性が失われた状態になりやすくなります。そのため、脳や心臓や腎臓などの血管も悪くなり、全身の病気につながってしまいます。

厚生労働省の報告によると成人日本人男性の29.9%、女性の24.9%と約3割の人が高血圧とされています。若い人も含めて3-4人に1人が高血圧ということすので、いかにありふれた病気であることがわかります。

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高血圧の定義

日本高血圧学会の診断基準では、診察室血圧(病院で測った血圧)と家庭血圧(自宅で測った血圧)の2種類を区別しています。それぞれの正常血圧と高血圧の分類は、以下の通りです。

下図では高血圧の部分を黄色くしていますので、ご自身の血圧がどの状態にあてはまるのかチェックしてみてくださいね。

分類

診察室血圧

家庭血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

収縮期血圧

拡張期血圧

正常血圧

<120 かつ <80

<115 かつ <75

正常高値血圧

120-129 かつ <80

115-124 かつ <75

高値血圧

130-139 かつ/または 80-89

125-134 かつ/または 75-84

Ⅰ度高血圧

140-159 かつ/または 90-99

135-144 かつ/または 85-89

Ⅱ度高血圧

160-179 かつ/または 100-109

145-159 かつ/または 90-99

Ⅲ度高血圧

≧180 かつ/または ≧110

≧160 かつ/または ≧100

孤立性収縮期高血圧

≧140 かつ <90

≧135 かつ <85

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高血圧症の種類

高血圧は原因別に、大きく次の2つにわけることができます。

  • 二次性高血圧
  • 本態性高血圧

二次性高血圧は甲状腺や副甲状腺、腎臓などの他の病気が原因で発症するタイプです。

一方で本態性高血圧は、二次性高血圧以外の高血圧です。つまり他の臓器に問題がないのに、発症するもので、日本人の大部分がこのタイプです。加齢、塩分の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスなど、さまざまな要因(生活習慣)が影響しています。

年齢を重ねるほど高血圧の人が増える

血圧が高い人の割合は、年齢を重ねるほど増える傾向にあります。

 

厚生労働省の調査によると、男性では50歳、女性では60歳を超えると半数以上が高血圧と診断されます。さらに、70歳を超えると男女ともに10人に7人が高血圧です。高齢者になると、ほとんどの方が高血圧となります。

これは、加齢にともない血管の弾力や心臓の筋力が低下し、心臓から送り出す圧力が高くないと全身に血液を巡らせることができなくなってしまうからです。さらに、自律神経の働きも衰えるため、血管の収縮や拡張がうまくコントロールできなくなってしまうことも要因となります。

そのため、現時点では血圧が高くない人も、将来的には血圧が高くなるリスクがあるということを覚えておきましょう。

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高血圧の症状

多少血圧が高くても、痛みや不快感など自覚症状がない方がほとんどです。そのため、多くの方は、血圧を測るまで自分の血圧が高いことに気付きません。

いっぽうで、血圧が180mmHgや200mmHgなどとても高くなると、ドクドクするような頭痛、後頭部の違和感、吐き気、肩こりなどを自覚するケースがあります。これらの症状は、血圧が高すぎて脳の血管に負担がかかっているサインなので、非常に危険な状況です。

脳の血管が破れて出血するリスクがとても高くなっているので、早めに医療機関を受診しましょう。

高血圧により起きやすくなる病気

高血圧の状態が長く続くと、心臓や脳・腎臓などにさまざまな影響を与えます。福岡県の久山町でおこなわれた血圧と脳卒中の危険性の調査研究では、脳卒中発症率と血圧には次のような関連性が報告されています。

 

血圧が正常範囲内(収縮期血圧130-139mmHgまたは拡張期血圧85-89mmHg)の人で、1000人あたり12.5人の発症率であるのに対して、高血圧(収縮期血圧140-159mmHgまたは拡張期血圧90-99mmHg)の人では、1000人あたり23.8人と約2倍にあがります。また、Ⅲ度高血圧(収縮期血圧180mmHg以上または拡張期血圧110mmHg以上)の人では、5倍近く上がります。つまり血圧が高くなればなるほど、脳卒中の発症リスクは高まります。

そのほかに高血圧が原因で、発症リスクが高くなる病気は以下の通りです。

  • 動脈硬化
  • 脳血管障害(脳出血、脳梗塞、脳動脈瘤、くも膜下出血)
  • 心臓病(冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞)
  • 腎臓病

このように血圧が高いと、非常に多くの病気を引き起こすリスクが上がります。ぜひ、血圧は正常範囲内に保つようにしていきましょう。

高血圧の予防法

高血圧を予防するためには、血圧が高くなりやすい生活習慣を改善する必要があります。たとえば、塩分です。塩分摂取量の目標値を健康日本21では、8g未満としていますが、日本人の食塩摂取量の平均値は10.1gとそれより高くなっています。

日本食は食塩だけでなく、味噌・醤油などの調味料、麺類などにも塩分が含まれるため、自然と塩分摂取量が多くなる傾向があります。減塩調味料を使用したり、漬物や加工食品を控えたり、麺類の汁を残したりするだけでも減塩の効果が期待できますので試してみてください。

また、高血圧には自覚症状が乏しいことが多いので、毎年健康診断を受けたり、定期的に医師の診察を受けたりすることで、早期に発見することが大切です。なかには病院で測ると血圧が高く出にくい人もいるので、自宅で毎日血圧を測ることも、高血圧の予防や早期発見に効果的だとされています。

高血圧を早期に発見し適切に予防することで、大きな病気を未然に防ぎましょう。

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まとめ

高血圧は大人の2人に1人が発症している、とても身近な病気です。年齢を重ねるごとに、血圧は高くなりやすく、この記事をお読みのあなたも例外ではありません。高血圧は症状が出にくく、症状を自覚する頃にはすでに重症になっている可能性もあります。

高血圧とわかってから薬を服用するのではなく、日々健康に気をつけて、高血圧になる前から生活習慣を改めることが大切です。血圧のことで心配や不安がある方、高血圧を予防するための生活習慣などについて相談したい方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

あなた自身、そしてあなたの身近な人の心の健康を守るために、スタッフ一同全力でサポートします。

参考資料

1)高血圧 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/hypertension-2/

2)高血圧 厚生労働省 e‐ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html

3)高血圧 日本臨床内科医会
https://www.japha.jp/general/byoki/hbp.html

4)令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf

5)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編).高血圧治療ガイドライン2019.ライフサイエンス出版:東京,p18, 2019.

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