皮膚科で処方の美白内服薬トラネキサム酸ほか全4種を解説|市販との違い、保険
皮膚科などで処方される美白用の内服薬には、主に4つの種類があります。
それぞれに肌の状態を整え、気になる肌トラブルの軽減に働きかけます。
この記事では、シナール、トラネキサム酸、ハイチオール、ユベラの働きと注意点、市販薬との違い等を解説します。
皮膚科で処方される美白用内服薬は4種類
ここでは、シナール(ビタミンC)、トラネキサム酸、ハイチオール(L-システイン)、ユベラ(ビタミンE)の働きと注意点を解説します。
シナール(ビタミンC)はシミそばかすの改善の働き
シナールには、
- ビタミンC(アスコルビン酸)
- ビタミンB5(パントテン酸カルシウム)
が配合されており、シミやそばかすの元となるメラニン色素ができるのを抑える働きがあります。
シナールの副作用としての報告は、消化器系のものが見られます。
- 下痢、おう吐
- 胃の不快感
服用して、上記症状以外でも気になる点がある場合は、使用を一時中止し、主治医に相談し対策を取りましょう。
トラネキサム酸はシミや肝斑の改善の働き
トラネキサム酸は、「プラスミン」と呼ばれる炎症の元となる物質を抑える働きがあります。
シミや、特に肝斑(かんぱん)※の治療のために処方される事が多い内服薬になります。
トラネキサム酸の副作用としての報告は、以下のものが見られます。
- 下痢、おう吐
- 胸やけ
- 食欲不振
- 皮膚の痒み
別章でもふれますが、妊娠中、血栓症がある場合は服用不可となるので、必ず主治医に相談しましょう。
※肝斑(かんぱん)とは
顔の頬(左右)、鼻の下、あご等にできる薄茶色のシミを指します。
左右対称、同じ大きさ、形で現れるのが特徴となります。
加齢による一般的なシミの場合は、輪郭がくっきりしていますが、肝斑の場合は境目がぼやけてはっきりしない状態である事が特徴です。
ハイチオール(L-システイン)は色素沈着、シミそばかすの改善の働き
ハイチオールは、L-システインが主成分の内服薬です。
L-システインには、肌の代謝を助ける働きがあり、メラニン色素ができる事を抑える働きがあります。
メラニン色素はシミの元。そのメラニン色素を抑える事で、シミの改善を目指します。
肌の入れ替わり、ターンオーバーを整える働きもあるので、シミ以外の毛穴のつまり、ニキビ改善など、自然な美肌も期待されます。
ハイチオールの副作用としての報告は、以下のものが見られます。
- 下痢、腹痛
- 口内の渇き、むかつき
重い副作用の報告ではないものになりますが、服用して状態の変化や心配がある場合は、主治医に相談しましょう。
ユベラ(ビタミンE)は色素沈着の改善、美肌の働き
ユベラの主成分はビタミンE。
ビタミンEには、強い抗酸化作用があり、体内の酸化を防ぐ事が期待される成分です。
加齢によって起こりやすい様々な症状に働くため、若返りビタミンと称される事もあります。
美白、美容では、シミそばかす、肝斑などの軽減への働きが期待されます。
肌の細胞の入れ替わり「ターンオーバー」をスムーズに促し、シミの元などの排出、バリア機能の強化でシミのできにくい肌を目指します。
ユベラの副作用としての報告は、以下のものが見られます。
- 発疹
- 下痢
- 便秘
- 胃腸の不快感
重い副作用の報告ではないものになりますが、服用して状態の変化や心配がある場合は、主治医に相談しましょう。
市販薬・通販と医療機関処方の違いは成分の配合量
ドラッグストアや通販などで手軽に購入できる市販薬と、医療機関で診断の後に処方される薬の違いは、何といっても成分の配合量です。
トラネキサム酸で具体例を見てみると、
配合可能量
市販薬:750mgまで
医療用医薬品:2000mgまで
実に2.7倍もの配合量の違いがあります。
次章で触れますが、料金が保険適用外となるものの、豊富な成分量を求めるなら医療機関で処方してもらう内服薬が良いでしょう。
皮膚科処方の美白用内服薬は保険適用外
美肌用に処方される内服薬や外用薬は、自由診療となるため、保険適用外となります。
医療機関での処方は、費用の負担はありますが、様々なメリットがあります。
- 診察の上で処方されるので、自身の肌状態、体調、体質に適した薬がもらえる
- 成分が高濃度な医薬品を処方してもらえる
- 気になる症状が出た際に、主治医に相談できる
妊娠中、血栓症がある場合等はトラネキサム酸の服用不可
美白や美容用であっても、薬には副作用の心配もあります。
トラネキサム酸には、血液を固まりやすくする働きがあるので、
- 心筋梗塞、血栓性静脈炎などの血栓症がある場合
- 妊娠中、もしくは妊娠の可能性がある場合
- ピルを服用している場合
- 腎不全がある場合
などは、必ず主治医に相談しましょう。
その他の持病やすでに服用している薬がある場合なども、主治医に相談の上、適した肌の治療を行いましょう。
これは、トラネキサム酸のみでなく、シナール、ユベラ、ハイチオール等でも同様です。
体質、体調、飲み合わせなどを自己判断せず、専門家に相談しましょう。
皮膚科で処方の美白内服薬トラネキサム酸ほか・まとめ
様々な働きのある美白用の内服薬、外用薬も、重要なのは自分の状態、体質に合ったものを使用する事です。
医療機関で気になる部位の状態や心配を相談しながら、適した薬を処方してもらい、より良い状態を目指しましょう。
通院が難しい場合、昨今はオンライン診療も発達しています。自宅でリラックスして診察をしてもらい、薬は送ってもらえるので、なかなか時間が取れない方にもおすすめです。
お肌の悩みは長期間じっくり向き合う必要が多いので、続けやすい・相談しやすい方法で続けましょう。
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