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【不眠症など】睡眠障害の種類・何科を受診?・治療内容・検査方法・対策を解説

[2022.11.04]

質の良い眠り、快適な眠りは心身の健康にとって何より重要となります。
そのため眠れない、眠り過ぎてしまう、眠っても途中で起きてしまう等、睡眠に悩みがあると生活や社会活動が困難になる事も多々あります。
この記事では睡眠障害にはどのような種類があるのか、その中で特にをメインに何科を受診するのか、対処方法などを解説していきます。

目次

1.睡眠障害の種類|不眠症、過眠症、睡眠時随伴症ほか

2.何科を受診する?|内科、精神科、心療内科、脳神経内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科

3.治療内容や検査方法

4.睡眠障害の対策方法

5.まとめ

6.参考文献

1.睡眠障害の種類|不眠症、過眠症、睡眠時随伴症ほか

「睡眠障害」には、代表的な不眠症の他にも多種多様な症状があります。
ここでは睡眠障害の種類について解説します。

不眠症

・入眠障害:30分~1時間以上、眠りにつけない。
・中途覚醒:眠っても翌日起床するまでに何度も目が覚めてしまう。
・早朝覚醒:予定した起床時刻より2時間以上前に目が覚め、その後は眠れない。
・熟眠障害:眠りが浅い。睡眠時間の割りによく寝た実感が得られない。

などが1ヶ月以上続いて、日中にだるい・意欲がわかない・集中力が続かない・食欲が落ちるなどの不調が現れるする病気です。

不眠症の原因は様々で、
・ストレス
・こころやからだの病気
・クスリの副作用
など多岐に渡るので、患者さんによって適した対策が必要となります。

不眠が続くと眠れない事への不安感、不眠恐怖を感じてその緊張や睡眠へのこだわりで更に不眠が悪化するという悪循環が生まれやすくなります。

過眠症

夜間に睡眠をとっていても、日中に強い眠気が起きる症状。
ナルコレプシー/突発性過眠症/反復性過眠症など種類があります。
脳の覚醒維持機能の不調や夜間の睡眠障害の弊害などが要因と見られています。

概日リズム睡眠障害

体内時計と昼夜のリズムが合わず、必要な時に眠る事が出来ない症状。
例:日勤と夜勤を交互に繰り返す職業で体内時計が合わない等。

睡眠呼吸障害

代表的なものに睡眠中に何度も呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」があります。
診断基準は、1時間当たりに5回以上の無呼吸、もしくは呼吸量が正常時の2分の1以下になる低呼吸になる場合です。
寝ている本人は無自覚な事が多いので、家族など周囲の人の気付きが重要となります。
原因としては空気の通り道である上気道が閉塞する事によって起こります。
閉塞してしまう要因としては、首が短め、舌が大きい、あごが小さい、肥満などが考えられます。

むずむず脚症候群

眠ろうとすると脚にむずむず感や不快感などの感覚があり落ち着いて眠りに就く事ができない状態。
姿勢を変化させたり身体を動かす事で改善するものの、しばらく安静にしていると再発する事も多々あります。

周期性四肢運動障害

自分の意志とは関係なく、手や脚が睡眠中にぴくっと動き、何度も目が覚めて浅い眠りになってしまう状態。

睡眠時随伴症

睡眠中や起きる際に起こる様々な現象を総合した呼び方です。代表的なものに以下の4つの現象・行動があります。

睡眠時遊行症

夢遊病とも呼ばれ、深く睡眠中であっても手足を動かしたり歩き回ったりと複雑な行動を行う現象。

睡眠時驚愕症

夜驚症とも呼ばれ、主に小児~学童期に見られる現象。泣き声や悲鳴を挙げたり、起き上がって混乱している状態の事もあります。

レム睡眠行動障害

レム睡眠中に見た夢を実際の行動でも行う状態。手足を動かしたり大声で寝言を言ったりする事があります。

悪夢

睡眠中に怖い夢を見て恐怖や不安、生命の危機を感じてうなされる、覚醒する事もあります。

2.何科を受診する?|内科、精神科、心療内科、脳神経内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科

睡眠障害の治療では基本的に内科を受診します。
また、睡眠障害を専門とするクリニックもあるので無理なく通える範囲にある場合おすすめです。

睡眠障害には様々な種類があり、それぞれに適した診療科が異なります。
ここでは症状と対応する受診科を解説していますが、患者さんによっての症状や要因の違いもあるので、自己判断はせず専門家に症状を伝えて判断を仰ぎましょう。

不眠症

基本的には内科。ストレスが要因となっている場合、精神科も。
不眠症によるストレス:精神科
不眠症による身体の不調がある:心療内科

過眠症

夜に寝ていても日中に強烈な眠気におそわれます。
内科・精神科・脳神経内科・呼吸器内科・心療内科

概日リズム睡眠障害

体内時計のずれにより睡眠サイクルが一般的な活動時間と合わなくなります。
精神科・心療内科・神経内科

睡眠呼吸障害

呼吸器のトラブルのため睡眠中に無意識に呼吸が止まります。
呼吸器内科・耳鼻咽喉科・内科

睡眠時随伴症

脳機能や自律神経が要因な事が多いとされています。
脳神経内科・精神科

子どもの睡眠障害の場合

夜驚症などが多く見られる子どもの睡眠の悩みの場合は、まずは小児科へ
いびき:耳鼻科・呼吸器内科
ストレス:精神科

3.治療内容や検査方法

睡眠障害の治療には大きくわけて2つ、
・薬物療法
・非薬物療法
があります。

ここではそれぞれの治療内容について解説していきます。

薬物療法

睡眠障害の一般的な治療法であり、代表的な治療薬もあります。

主に
・GABA受容体作動薬
・メラトニン受容体作動薬
・オレキシン受容体拮抗薬
の3種が用いられます。

脳に働きかける事により睡眠のリズムを整えていきます。

状態に合わせて上記の薬を服用しながら、睡眠薬も処方される事もあります。

睡眠薬は怖い・副作用が気になる→心配はいりません

・睡眠薬を一度使い始めると手放せなくなる
・徐々に分量が増えるのでは
・副作用が怖い
などの心配を耳にします。

現在、広く治療に使用されている睡眠薬は、不安や緊張・興奮をやわらげ、自然に近い眠りに導く、副作用も少ないものとなっています。
ただし、体質に合わない、長期にわたって漫然と使い続ける等は良くないので、少しでも不調や不安がある場合は医師と相談・指導の元に適量使用して行く事が重要です。

市販の睡眠薬については、アレルギー薬の副作用である眠気を利用したものが多く、あくまでも短期間の使用に限定されています。
治療効果の確立(エビデンス)の点からも、不眠症の方は市販の睡眠薬の長期使用は避けましょう。

非薬物療法

睡眠習慣の見直し、指導

禁酒や禁煙など、日中の日常生活の中に睡眠を妨げる原因がある場合に行う方法です。
また、患者さんに適した就寝・起床タイミングや生活サイクルの設定や指導も行う場合もあります。

睡眠モニタリング法

寝ている際の様子を観察(モニタリング)する方法です。
寝ている姿をビデオ撮影をし、どんな症状が起き、何が原因かを特定していきます。
就寝中の姿勢、いびきや徘徊などの行動の有無などのチェック、脳波でレム睡眠・ノンレム睡眠の変化測定、血圧や心拍数のチェックなどもする場合もあります。
近年ではスマートウォッチの登場で自分自身でもモニタリングができるようになってきましたが、医療的な診断に使えるものではありません。
あくまで目安として利用しましょう。

認知再構成法

患者さんの物事に対する認識を切り替えていく方法です。
主にネガティブな捉え方の事をポジティブに切り替える事でストレスを軽減する働きがあります。
例えば、「不眠は良くない事だ」という捉え方→「多少寝れない時があっても大丈夫」と思うようにするといったように否定的な気持ちを前向きに受け止めやすく切り替えます。

高照度光療法

照明器具を用いて、体内時計を整える方法です。
決まった時間に強い光を浴びる事により、体内時計は自然と整いやすくなります。

4.睡眠障害の対策方法

不眠解消のためには、不眠の原因を理解し取り除く事です。安眠のためのコツを知り、こころや環境を整えるのもとても重要です。
ここでは睡眠障害の対策方法を解説します。

就寝・起床時間を一定にする

休日の夜ふかしや寝坊、昼寝のし過ぎなど、普段と異なる生活リズムで過ごすと体内時計を乱し、結果として睡眠・起床のリズムも乱れてしまいます。
特に大きな予定が無い場合は平日・休日に関係なくなるべく一定の時刻に起床・就床するように心がけると体内時計も整います。

睡眠時間にこだわらない

人によって適した睡眠時間があります。「必ず◯時間眠らなくてはいけない」と思わないほうが、眠る事への緊張から解放されます。3時間の睡眠で大丈夫な体質の人もいれば長時間眠る必要がある人もいます。
どうしても眠気がない場合は寝床から出るのも対策法の一つです。熟眠感を高めるために眠くなったら寝床に行きましょう。
日中に眠くなってしまった際は、午後3時前までに30分を限度とした短い昼寝を取ると効果的です。

自分流のストレス解消法を見つける

ストレスは質の良い眠りにとって大敵。自分に合った趣味を見つけ、上手に気分転換をしてストレスをためないようにしましょう。

太陽の光を浴びる

太陽光などの強い光には体内時計を調整する働きがあります。そして、光を浴びてから14時間目以降に眠気が生じてきます。
寝室の窓のカーテンを開けて朝日が入るようにしておく等、なるべく光を浴びられるようにしましょう。
就寝前に強い光を浴びるのは睡眠を妨げるので間接照明などを利用してゆったりとした光環境で眠れるようにしましょう。

適度な運動をする

ほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。運動は午前よりも午後に軽く汗ばむ程度の運動をするのがよいようです。厳しい運動は刺激になって寝付きを悪くするため逆効果です。短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を長時間継続することが効果的です。

寝る前にリラックスタイムをつくる

就寝前にぬるめのお風呂にゆっくり入る、好きな音楽を聞く、軽めのストレッチをする等をしてリラックスする時間を取り、心身の緊張をほぐす事が睡眠の質を向上させるのに有効です。

寝酒、寝る前の過度なカフェイン摂取はしない

寝やすいように少量のお酒を飲む、効果は短時間しか続かず、睡眠の質が良くなるという事はありません。飲酒後は深い睡眠が減り、覚醒が早まるためです。
また、コーヒーなどのカフェインが強い飲み物も控えたほうが良いでしょう。

快適な寝室づくりをする

落ち着けて眠りやすい環境を作る事も安眠への重要な対策になります。ベッドや布団、枕といった寝具、照明などは自分好みに落ち着けるものを選びましょう。睡眠のための適温は20℃前後と言われており、湿度は40%~70%位を維持するのが良いといわれています。

5.まとめ

不眠症自体も辛いですが、不眠から異なる疾患へと繋がる事も多々あるので、しっかりとした対策をとり改善して行く事が健康な日々へと繋がります。
身構えすぎても安眠の妨げになるので出来る対策からじっくりと進めましょう。
家庭での対策で良い変化が出ないとき、すでに困難をきたしている場合などは一人で悩まずにぜひ専門医に相談しましょう。

6.参考文献

厚生労働省e-ヘルスネット:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針 2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

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