ストレスチェック義務化も|メンタルヘルスの定義、代表的な5つの症状
厚生労働省は2015年12月から、従業員50名以上の職場において年に1回の定期的なストレスチェックの実施を義務化しています。
政府も問題視するほど、心の健康面の問題は深刻化しているのです。
こころの病気は、誰でもかかる可能性があるものです。
また、こころの問題は本人が苦しんでいても周囲からはわかりにくい、本人自身も知らず知らずの内に抱え込んで負担が大きくなっている事も多いです。
この記事では、こころの健康・メンタルヘルスにとは、心身に表れる不調のサイン、対策方法などを解説します。
目次
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1.メンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、心理、精神面の健康状態を指す言葉です。
心理、精神の健康の維持や回復、向上などに関連する物事も指す場合も多いです。
メンタルヘルスを良い状態に維持する事は、心だけではなく、身体の健康にも重要な事で切っては切れないものです。
メンタルヘルスの低下は、集中力や判断力の低下などを招き、日常生活や社会活動に影響を与えます。
また、症状を放置するとうつ病などの発症につながるので、身体的な疾患同様、早めの対策が重要となります。
2.メンタルヘルスの不調を表すサイン
メンタルヘルスの低下による「行動」や「体調」の変化という物があります。
何か1つの状態や症状で即メンタルヘルスの不調であると判断する事は難しいですが、不調の初期に現れる「サイン」の傾向を知っておく事は重症化を防ぐ手掛かりとなります。
行動面の変化
・学校や仕事などの遅刻や早退、無断欠席、欠勤が増える
・登校中や勤務中の離席や休憩が増える
・帰宅、退社時間が遅くなる
・集中力が低下する
・決断力が鈍る
・打合せや発表時の発言が減る
・強い責任感から周囲へ迷惑をかけるといけないと思い一人で仕事を抱え込む
・周囲への報告、連絡、相談をしなくなる
など
体調面の変化
・あいさつなどの元気が無くなる
・服装や髪型が行き届かなくなる
・独り言が増える
・突然泣き出す
・肩こりや背中・腰の痛み
・倦怠感
・食欲不振
・微熱、吐き気、頭痛
・耳鳴り、不眠、動悸
など
複数の原因から体調面への影響も出るので、「この症状があればメンタルヘルスの低下が疑われる」と確定する事は困難です。
また、メンタルヘルスが原因ではなく、何らかの疾病が元で心身に影響が出てメンタルヘルスの低下も招いている場合もあります。
とても複雑な問題ですので本人や周囲の人々も含め、「疲れのせい」「気のせい」と軽く見ずに専門家にあたるなど対策を取りましょう。
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3.メンタルヘルスの低下による代表的な5つの精神疾患
うつ病
症状
・気分の落ち込みが激しい
・趣味など好きな事も楽しめない
・イライラする、不安等のネガティブな気分が続く
・めまい、頭痛
・肩こり
・動悸
・食欲減退
・不眠
・集中力に欠ける
など。
上記のような心身の状態低下が2週間以上続く場合、要注意です。
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パニック障害・不安障害
症状
・突然不安な気持ちが強くなる
・めまい、動悸
・発汗
・呼吸困難
・イライラ、興奮
・倦怠感
など。
自分で予期できないタイミングで発作が起こるため、「また発作が突然起こるかもしれない」という不安から更に不安定感が強まる事もあります。
適応障害
症状
・気分が落ち込む
・不安感、怒り
・神経過敏
・めまい
・発汗
・無断欠勤
・危険運転
・けんか、暴言、暴力
など。
心身や行動にも症状が現れる事があります。
うつ病と似た症状があるのですが、適応障害の場合、その原因となる物事、人物などから関わらなくなると症状が落ち着く傾向があります。
睡眠障害
症状
・不眠
・日中の強い眠気
・睡眠中の異常行動
・寝ていても何度も目が覚める
・いびき、無呼吸
など。
症状が1か月以上続く場合、要注意です。
睡眠の質の低下から、心身の健康にも影響が大きいため、別の疾患を引き起こす可能性もあります。
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依存症
症状
・アルコール
・薬物
・特定の行為や食べ物
などに依存する事を止められない。
・衝動的な行動
・物事への強い執着
・依存している対象物が手元に無いと禁断症状が起きる(手の震え、イライラ、吐き気、頭痛など)
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4.メンタルヘルスのセルフケア
自分自身のこころの健康を守るためのメンタルヘルスの「セルフケア」。
ここでは、メンタルヘルスの不調を防ぐための対策にはどんな点に気を付ければ良いか解説します。
初期サインに気付こう
以下のような症状・状態が続く場合、無理をせず専門家に相談しましょう。
・気持ちが落ち込む
・元気が出ない
・イライラする、今までより怒りっぽい
・理由もなく不安や悲しい気持ちになる
・落ち着かない
・何度も確認しないと不安
・誰も周囲にいないのに人の声が聞こえる
・自分の悪口を言われている気がする
・動悸や息苦しさがある
・食欲がない、美味しいと感じられない
・寝付けない、熟睡できない
・寝ても何度も起きてしまう
・急に痩せる、太る
・服装や髪型に構わなくなる
・遅刻、休みが増える
・不満やトラブルが増える
など
生活面での支障も出てきますから、早めに専門機関や専門家に相談をしましょう。
専門機関への相談や受診
メンタルヘルスの問題は非常に複雑かつデリケートな物です。誤った知識や対処方法でかえってダメージを受けたり悪化する恐れがあります。
自己判断では気が付けない面もあるので、正しい知識やケア方法を知る専門家を頼る事をためらわないでください。
こころの病気の種類は多種多様ですし、同じ病気であっても一人一人症状が異なるものです。
症状により、回復に向けた対策も
・投薬によるケア
・カウンセリングや心理療法によるケア
など、適した対策を取る事が重要になります。
どこに相談をすれば良いか迷った時の相談先
メンタルヘルスの不調を相談するにも、自分の症状では何科を受診すればよいのか判断に迷う事も多いです。
現状を伝えて何科が合うのか、通える範囲に専門機関があるかなどの相談を
・所属先の産業医やスクールカウンセラー
・保健所・保健センター
・精神保健福祉センター
などに相談する事ができます。
メンタル系の医療機関の診療科名は
・精神科
・精神神経科
・心療内科
などの名称があります。
各科によって専門となる病気が異なる場合や、そもそも自分の症状と合うのか等の質問がある場合、受診する前に電話やメールなどで問い合わせてみるのも良いでしょう。
メンタルヘルスの状態や診療方針などの伝え方
こころの状態を人に伝えるという事は、とても難しいものです。
メンタルヘルスが不調の場合は状態を整理して話すという事が殊更難しくなっている場合もあります。
「うまく伝えられるか不安」「現状を整理してから話さないと相手に失礼」などの心配をする必要はありません。
気になっている症状や物事をメモして行く、前段階として医師に話す前に医療機関のスタッフやカウンセラーと話して状態を整理する等の工夫を取るという方法もあります。
メンタルヘルスの保ち方・病気とのつきあい方
メンタルヘルスが低下した場合の状態や症状、治療にかかる時間などは人それぞれ異なります。「この位の期間の対策で回復できる」と判断する事は難しいのですが、早めに対策をするほうが、重症化や慢性化の予防に効果的です。
普段から気分転換できる趣味を持ったり、安心して話せる人に相談したりメンタルヘルスの維持を心がけましょう。
メンタルヘルスの低下は誰にでも起こりえる事なので、自己否定はせず、焦る気持ちが現れてもじっくり無理せず対策していきましょう。
・早く元の状態に戻りたい、メンタルヘルスの低下している自分が嫌、他人の視線が気になる等から焦りが出る
・少し復調した際に頑張りすぎてしまい反動が来る
・回復したと自己判断して投薬を中断する、止める
などは、かえって不調が長期化してしまう要因にもなりかねません。
メンタルヘルスで困った際に受けられる支援やサービス
メンタルヘルスの不調は長い目で見る必要のあるものです。
治療などの長期化で生活の不安が出て、更にこころに負担がかかる事も少なくありません。
国や地域、民間などで提供されている支援やサービスが多数あるので、ぜひこれらの活用も視野に入れられてください。
・保健医療
・仕事
・住まい・生活
・経済的な支援
など、支援の分野も多岐に渡ります。
また、居住地の保健所や相談窓口が不明、開いている時間に行く事が出来ない等の場合、オンライン診療を受けるという対策も取れます。
大切なこころを守るために、無理はせず様々な支援やサービスを利用しましょう。
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厚生労働省「こころの健康サポードガイド」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/download/index.html