【2022年11月最新 国内でも拡大か】コロナオミクロン新株「BQ.1.1」別名ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの特徴は
画像出典:TBS NEWS DIG(2022.10.26)
※2022年9月29日付け記事「【イギリスで感染者増】コロナオミクロン新株「BQ.1.1」別名ケルベロスの特徴は?国内状況は?」に最新情報を追記し、更新しています。
日本国内では新型コロナの第7波の感染状況が一頃よりは落ち着きを見せている状態です。
9月26日から全国一律で「感染者の全数把握簡略化」も開始され、新型コロナ感染者の詳しい報告対象を重症化リスクの高い人に限る動きが始まっています。
今冬に流行の第8波が来るかは不明ではありますが※1、10月11日から日本国内への入国者数の上限撤廃や水際対策も緩和されるので今後の推移に注目です。
イギリスでは新たな新型コロナウイルス「BQ.1.1」が急速に広まっています。どのような特徴があるのか、ニックネーム「ケルベロス」の意味は、日本国内での状況などを解説します。※2
※1:2022年10月31日追記
2022年10月26日の時点で、前週(10月19日までの1週間)と比べて全国の新型コロナ新規感染者数が、1.35倍、約2か月ぶりに増加方向へと転じています。
名古屋工業大学・平田晃正教授の東京都新型コロナ新規感染者数予測データによると、2023年1月過ぎ頃に第8波と見られる感染拡大の波が来ると予測されています。
※2:2022年10月31日追記
オミクロン新株「XBB」通称グリフォンも感染が拡大しており、「BQ.1.1」通称ケルベロスと共に注視されています。
もくじ
1.新型コロナの新たな変異株「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンとは
2.オミクロン株の亜種「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの特徴は?症状は?
3.新型コロナの新株「BQ.1.1」のニックネームはケルベロス(Cerberus)。ケルベロスとは?「XBB」通称グリフォンのグリフォンとは
4.コロナ新株「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの国内状況は?
1.新型コロナの新たな変異株「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンとは
※2022年10月31日追記
オミクロン新株「BQ.1.1」通称「ケルベロス」
オミクロン新株である「BQ.1.1」通称ケルベロスは、9月にナイジェリアでの報告の後、アメリカ・イギリス・フランス等の48カ国で確認されました。
アメリカでは、9月にはわずか0.1%足らずだった感染者数の割合が、10月には7.2%まで急速に上昇しています。今後も上昇する可能性が懸念されています。
オミクロン新株「XBB」通称「グリフォン」
オミクロン新株である「XBB」通称グリフォンも9月にシンガポールで報告され、10月現在はバングラデシュやインド等、世界21カ国で確認されています。
シンガポールで急速に拡大しており、9月に確認されて以降、10月現在は半分近くが「グリフォン」に置き換わっているとみられます。
※追記ここまで
新型コロナウイルの遺伝子情報は「GISAID Initiative」(2010年よりドイツ連邦共和国がGISAIDプラットフォーム及びEpiFluデータベースの公式ホスト)に登録されます。
そのGISAIDが今年9月、新型コロナウイルスの28件の新たなサンプルを報告しました。
この新たな新型コロナウイルス「BQ.1.1」はオミクロン株の亜種で、非常に感染力が強く8月に初めてイングランドで確認され、世界全体では現在78人が感染しています。
「BQ.1.1」のその強毒性から、現在幅広く見られる「BA.5」に代わって世界の主流になる事が懸念されています。
各国の医療関係者、免疫学者などが新型コロナウイルス「BQ.1.1」について注視しており、その注目は欧米諸国のみならず、アジア圏のタイでも注視をすると報告しています。
画像出典:タイランドハイパーリンクス
タイでは新型コロナウイルス対策の非常事態令を今月9月30日に解除予定、コロナ状況管理センターも解散になり新型コロナウイルスは制御下にあるとしています。
しかしコロナは次々と変異を続けているので、「BQ.1.1」の出現は定期的なワクチン接種などのコロナ対策の継続の必要性を感じる事となっています。
タイの保健省では、ワクチン接種ごとに4か月のインターバルをあけ継続的に接種している地域に関しては強い免疫力を維持できていると伝えています。
「BQ.1.1」の出現により、状況によっては今後の定期接種の時期の見直し、8000万本のワクチン接種計画もそのワクチン購入数の計画の調整などが検討されています。
2.オミクロン株の亜種「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの特徴は?症状は?
※2022年10月31日追記
オミクロン株の亜種「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの特徴は
「BQ.1.1」が出始めた9月の初期段階でも予測されていた免疫回避性がやはり特徴としてあると見られています。免疫回避、つまり、免疫をすり抜ける力が強く、それに加えて感染を広げる力も強いと見られています。
感染速度がBA.5と比較して20%も速いと分析する専門家も。
弱毒化しているのではと見られていますが、感染力の強さは注意を払う必要があります。
画像出典:TBS NEWS DIG(2022.10.26)
※追記ここまで
世界各国の医療関係者や免疫学、生命情報科学関係者が様々な注視をし情報を発信しています。
確定を取れる段階ではないのですが、これまでの傾向を元にした専門家の予測をここでは紹介します。
コーネリアス・レーマー(バイオインフォマティクス・生命情報科学)
BQ.1.1はかなりの成長を見せており、特にイギリスでは最初のサンプルが9日前に提出され、現在ではすでに28の配列があります。ある種の偏ったサンプリングが行われていることを願っています。そうでなければ、これは見栄えがよくありません。
トム・ピーコック(ウイルス学者)
BQ.1.1は BA.5ですが、RBDにいくつかの変異(R346T、K444T、およびN460K)が追加されています。これらが見慣れたように見えるのは、現在ある他の多くの亜種に見られるものと非常に似ているためです。進化が起こっている。
エリック・トポル(医師科学者)
現在までに極度の免疫回避性を持つ2つの変種があります。1つはBA.5の子孫であるBQ.1.1です。もう1つはBA.2、BA.2.75.2から派生したものです。それらはRB突然変異、R346Tが共通しています。
「BQ.1.1」はBA.5(オミクロン変異株)の亜種と見られています。
オミクロン変異株「BA.5株」の症状を再確認すると。
オミクロン変異株「BA.5株」の特徴 |
これらのBA.5の症状の特徴などを念頭に入れておくと「BQ.1.1」への対策が取りやすい可能性が高いです。
しかし亜種ごとにその症状は異なる点がある事は踏まえておかなければなりません。
しかし「BQ.1.1」の観測で気になるのはその「免疫回避性」です。
これまでに新型コロナに感染して得た免疫やワクチン接種によって得られた免疫をかなりの確率で回避する可能性があるのでワクチン接種での感染予防がどこまで可能なのか、またそもそもの重症化度なども気になるので更なる分析が待たれます。
3.新型コロナの新株「BQ.1.1」のニックネームはケルベロス(Cerberus)。ケルベロスとは?「XBB」通称グリフォンのグリフォンとは
これまでの新型コロナウイルスにはニックネームが付けられていましたが、
ケルベロスはギリシャ神話に登場する怪物で、1つの身体に頭が3つある冥界「BQ.1.1」も同様にケルベロス(Cerberus)という別名が付けられています。の番犬です。
英語ではサーベラス、ラテン語での読みはケルベルスになります。
オミクロン株の亜系統「BA.2.75」の別名はやはりギリシャ神話から「ケンタウルス」の名が取られていました。
ちなみに他の変異株それぞれにもニックネームが付けられています。
BA.2.75=ケンタウルス(Centaurus) |
※2022年10月31日追記
「XBB」もグリフォン(Gryphon)という別名が付けられています。
グリフォンは、その他にもグリフィン、グリュプスなどの呼び方・読み方があり、鷲もしくは鷹の翼と上半身にの下半身はライオンという身体の伝説上の生物です。
※追記ここまで
ケンタウロスなどのニックネームは、WHO(世界保健機関)の定めた正式名称ではありませんが、ネット上で医療関係者や免疫学者などが提唱し始め定着していっています。
新型コロナウイルスのタイプ別の正式名称はWHOが定めており、これまでもギリシャ文字のアルファベットで順に変異株の名前を付けています。
「オミクロン」はギリシャ文字の15番目の文字にあたります。
13番目、14番目に当たる「ニュー」、「クサイ」は命名の際に使われず飛ばされており、これについてはWHO曰く「ニュー」は英語表記の「new」と似て紛らわしいため、「クサイ」は名前でも使われている場合があるため未使用と伝えています。
WHOにはこのような感染症の命名の際のガイドラインがあり、地名や人名を使わないようにとの規定があると説明されています。
新型コロナの流行初期には発生した場所の名前で呼ばれる事がありましたが、WHOのこのようなガイドラインのもと、現在の呼称へと変わっていった事が分かります。
今後も状況などにより新たな変異株が現れた際は正式名称が付けられたり、学者たちによりニックネームが付けられたりしていくと思われます。
4.コロナ新株「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの国内状況は?
※2022年10月31日追記
日本国内での新型コロナウイルス「BQ.1.1」通称ケルベロス・「XBB」通称グリフォンの状況は、2022年10月17日時点で
「BQ.1.1」通称ケルベロス:検疫11件、国内6件確認
「XBB」通称グリフォン:検疫7件
の報告が上がっています(国立感染症研究所発表による)。
感染力の強さなどが指摘されているので、今後も感染の拡大状況には注意が必要です。
※追記ここまで
日本国内での新型コロナウイルス「BQ.1.1」の状況はどうでしょうか?
2022年9月末現在では国内では発生が確認されていない状況です。
しかし政府は来月10月11日からの海外からの入国人数の上限撤廃、水際対策の緩和を正式発表しています。
空港での入国時検査を原則撤廃とし、ワクチン3回接種の証明書もしくはPCR検査等の陰性証明書があれば入国可能となります。
水際対策の緩和項目 | ||
現在 | 10月11日~ | |
入国時検査や待機 | 滞在国の区分により必要 | 原則不要 |
受け入れ企業による申請 | 必要 | 不要 |
国際線 | 全国10ヶ所の空港 | 受け入れを順次拡大 |
ビザ取得 | 全員に義務 | 短期は免除 |
入国者数 | 1日最大5万人 | 上限撤廃 |
個人旅行 | 禁止 | 解禁 |
出典:日本経済新聞
今後人流が増えれば状況も変わってきますので、今より一層の海外の状況の把握も必要となってくると考えられています。
海外での新型コロナウイルスの発生状況は東京都健康安全研究センターでも随時分析データを公表していますので、参考にされてください。
東京都健康安全研究センター:世界の新型コロナウイルス変異株流行状況
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/ 厚生労働省:水際対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
5.まとめ
オミクロン株の亜種である「BQ.1.1」は免疫回避能力を備えていると注視されていますが、まだ不確定な点が多く世界中の医学者も何が待ち構えているか誰もわからないと語るほどです。
遺伝子を他の病原体と交換する能力・変異原性も持っているのではとの予測もあります。
日本国内でのオミクロン株対応のワクチン接種も承認され開始されています。
オミクロン株対応の新型コロナウイルスのワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株のひとつ、「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、現在、流行している「BA.5」に対しても、効果が見込まれています。
接種は9月19日以降に高齢者や医療従事者などから開始され、厚生労働省は各自治体に対し接種の進捗状況を考慮しながら対象者を拡大していくよう求めています。
出典:NHK オミクロン株対応ワクチン 国内で使用承認 来週にも接種へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220913/k10013815341000.html
今現在は接種対象者が限定されているオミクロン株対応の新型コロナウイルスのワクチンですが、「BA.5」に対する効果も見込まれているので、その亜種である「BQ.1.1」に対する効果も望まれています。
「BQ.1.1」に対する資料が出始めてはいますが、確定性が保証できないので、今後の更なる研究・報告が待たれます。
6.参考文献
GISAID Initiative
https://gisaid.org/
タイランドハイパーリンクス:タイはオミクロン株亜種「BQ.1.1」を監視(2022/09/25)
https://www.thaich.net/news/20220925de.htm
日本経済新聞:入国時検査を原則撤廃 政府、水際措置の緩和正式発表(2022/09/26)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2647A0W2A920C2000000/
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況、国内の患者発生、空港・海港検疫事例、海外の状況、変異株、その他)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html
東京都健康安全研究センター:世界の新型コロナウイルス変異株流行状況
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/
NHK:オミクロン株対応ワクチン 国内で使用承認 来週にも接種へ(2022/09/13)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220913/k10013815341000.html