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【新型コロナ往診・オンライン診療】関西中心、関東、東北、九州も|訪問診察の受け方、費用は?KISA2隊(きさつたい)を解説

[2022.10.03]

京都市で立ち上げられ新型コロナウイルスの在宅治療患者支援に取り組み、全国に活動の輪を広げている「KISA2隊(きさつたい)」。
その活動は様々なメディアでも取り上げられ、ドキュメンタリー番組『情熱大陸』で見たという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではKISA2隊の訪問診療活動や対応エリア、診察の受け方、新型コロナウイルスに係わる医療費の公費負担、今後の在宅医療の問題点などを解説していきます。

目次

1.KISA2隊(きさつたい)とは

2.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の診察・活動内容は?

3.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の対応地域・エリアは?

4.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の診察の受け方は?

5.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の費用はいくらかかる?医療証・保険証適用、公費負担は?

6.まとめ

7.参考文献

1.KISA2隊(きさつたい)とは

KISA2隊は「Kansai Intensive area care unit for SARS-Cov2対策部隊」のイニシャルを取った名称です。
『K』ansai『I』ntensive area care unit for『SA』RS-Cov『2』対策部『隊』=『KISA2隊』となります。
立ち上げは2021年2月。新型コロナウイルスへの訪問医療をまだ誰も行っていない頃で、仕組み作りからのスタートでした。

受ける場所によって医療は大きく分けて3種類あります。
・外来医療:病院や診療所などの医療機関に通って受ける医療
・入院医療:入院して受ける医療
・在宅医療:患者さんの自宅で受ける医療(定期性のある訪問診療と突発、緊急的な往診の2種あり)

この3つのうち、KISA2隊が行うのは主に在宅医療です。

新型コロナウイルス感染症が、流行時はもちろんの事、感染の波がピークアウトした場合でも自宅で療養をする患者さんは存在します。
日々変わる入院基準にわずかでも満たないと入院もかなわず自宅療養で大変な思いをする患者さん達を助けたいと地域の枠を超えて活動されています。

開業医等が日々の通常診療に加え、輪番制(複数の人々で順番を決め、交代しながら任にあたる制度)で24時間体制で新型コロナ患者の往診や訪問診療・療養のフォローアップに行っています。
様々な職種のボランティアが各種調整窓口や診察や検査時に必要な資材の調達、受付・診察内容のデータ整理業務などの多くの事務処理を支えています。

KISA2隊発足の経緯

2020年7月 2017年に京都市で立ち上げた24時間365日訪問医療を行う「医療法人双樹会よしき往診クリニック」の守上佳樹医師が旧知の仲の小林正宜医師(現・KISA2隊大阪隊長)に新型コロナに対応した在宅医療の必要性、構想を電話で話す。
2021年2月 日本における新型コロナ第3波真っ只中、守上医師を中心に医師会や行政と連携した在宅医療チームとして「KISA2隊京都」を発足。

新型コロナ第4派によって大阪の感染者数が急増する中、前出の小林医師が守上医師の後押しをもとにKISA2隊大阪の隊長として活動開始。

その後KISA2隊に賛同する医療関係者は増え続け、現在では10都道府県、メンバー約100人の規模へと拡大しています。

KISA2隊への支援

KISA2隊を立ち上げた守上医師はインタビューでマネタイズ(事業の収益化)について尋ねられた際に「人命救助が目的なので利益が見込めなくても全く問題ない」と答えています。
ですが、利益はなくとも何か活動をするという事は活動資金が必ず必要になります。
懸命に活動するKISA2隊に様々な人、財団が支援をし、経済的課題は解決できていると述べられています。

・公益財団法人京都地域創造基金での寄付募集
・信頼資本財団
・公益財団法人日本財団
・公益財団法人風に立つライオン基金
・一般財団法人日本民間公益活動連携機構
・その他企業、医療機関など 応援団多数

支援内容例
・連携拠点の整備
・訪問診療用車両の配備(往診車/検査専用車両)/自転車
・往診まわりの機器の整備(診療データ共有システム、往診用タブレット端末、酸素吸入器、その他往診に必要な医材料の整備)
・訪問診療のモデルケースとして全国各地への普及活動の支援
これらの支援により在宅療養者への安定的な医療提供体制の確立が目指されています。

メッセージを込めた「KISA2ピース」

KISA2隊の活動写真を見ると目にする右手を心臓の上あたりで、指の腹をその人自身側に向けてするピースサイン。
新型コロナウイルスは感染の波が拡大したり治まったりを繰り返します。
表立ってピースできるような状況でない時でも、明るい気持ちを失わないように、自分の胸にはしっかりピースを向けようというメッセージを込めてKISA2隊の「2」の意味と共に、「KISA2ピース」と呼ばれています。

KISA2隊のユニフォーム製作にもこだわりあり

清潔感がある事、シワにならない生地でなど機能面も重要…守上医師はKISA2隊のユニフォームにもこだわり、「あたりまえを変える・SWITCH STANDARD」を掲げるアパレルブランド・オールユアーズに制作を相談。
古着を再活用した、1点1点生産国や素材も異なるボディにKISA2隊のロゴを入れたユニフォームが完成しました。
KISA2隊は所属が異なる集団だけど志は同じくした人々の集まり。ユニフォームの全てバラバラだけど並んだ際には不思議と統一感がある感じがリンクしているように見えます。

古着を使用といっても、抗菌・抗ウイルス加工を施している(岡山県・西江デニム株式会社)ので衛生面ももちろん保証されています。
古着の利用には、サイズ対応の柔軟さ、生産終了という概念がない等、ユニフォームの継続運用という面でもメリット多数となっています。

2.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の診察・活動内容は?

ここではKISA2隊の主な活動内容5つ
・拠点診療所による訪問診療
・巡回部隊による即時往診
・IT部隊によるオンライン診療
・事務局によるマネジメント
・KISA2道場の開催、オペレーション資料の公開などによる在宅医療のノウハウの普及活動
について解説します。

画像出典:KISA2隊HP・活動概要

拠点診療所による訪問診療

各エリアの拠点とする診療所と、連携する多職種事業所とで患者さんの自宅療養生活を支える訪問診療(往診含む)を行う。
※多職種とは:医師/歯科医/看護師/薬剤師/管理栄養士/保健師/ケアマネ/セラピスト/ドライバー等様々。

巡回部隊による即時往診

有志の医師や中核診療所の医師が担当し、臨時や初期の対応を行う。

IT部隊によるオンライン診療

訪問前にIT部隊がビデオ通話でオンライン診療を行い、患者さんの状態・状況把握をし、即時往診の前段階での準備をします。
訪問診療では医療施設での診療と異なり、道具や設備が限られた中で対応をしていく必要があります。
IT部隊による事前の把握は往診先で最大限の対応をするためにとても重要な役割を担っています。

KISA2隊で使用されているシステム

・株式会社メドレー提供の「新型コロナ療養者向けオンライン診療システム」※2021年9月から無償提供。約200施設で導入。
ビデオ通話での問診、往診後の健康観察などに使用。顔を見ての対応ができるので患者さんの容態確認、また信頼関係の構築にも役立っている。
・LINE WORKS
KISA2隊全メンバーで導入し、訪問予定や診療に必要な物資の発注情報などを正確に迅速に共有。
診療上の質問、疑問などもトークで送ると関係スタッフが即座に回答可能なので訪問診療の全タイムラインで活用されている。

事務局によるマネジメント

各拠点診療所での活動を事務局が一括してマネジメント。情報共有や各エリアでの診療の調整を行います。

KISA2道場の開催、オペレーション資料の公開などによる在宅医療のノウハウの普及活動

より多くの在宅療養者を救うため、多くの訪問診療を行った事で培った実践的なノウハウを医療従事者向けに公開、伝達しています。
ホームページ上にも公開されているので、医療関係者のみでなく誰でも詳しく活動内容を知る事ができます。

KISA2隊往診マニュアルの公開

往診を行う際の準備やポイントをまとめた動画(約12分)を公開しています。
・往診事前準備
・車での準備
・訪問、玄関先での対応
・患者ベッドサイド
・脱衣
・事後処理
の6つの章からなり、往診依頼の受付時の確認項目から診察を追えた後の道具の処理まで、一連の流れが詳しくわかります。
医療関係者にはもちろん、診療を受ける側にも「実際自宅療養になったら、自宅で診察を受ける事になったら」どんな流れで進んでいくのかがイメージ出来る資料になっています。

KISA2道場の開催

これまでの新型コロナウイルスの流行により在宅医療のニーズが以前にも増して高まっている事を感じつつも適切な感染防止対策や在宅現場での動き方などに不安を抱える医療関係者に向けた「道場」(という名の研修)を立ち上げています。
具体的には座学や防護服の着脱訓練、消毒手順などを行ったのち、実際の患者さん宅への訪問診療に同行して点滴や投薬などの現場を体験して学んでいく活動です。
訪問診療の後は大阪事務局で振り返りをして解散となります。
民家で行う在宅診療は、医療機関であれば普通にある設備がない、道具の用意もないと臨機応変さが求められるものです。
実際の在宅診療へ同行する事で実践イメージをつかんでもらい今後へ活かす事が可能となります。

高齢者施設でのワクチン接種オペレーションマニュアルの公開

新型コロナワクチンのブースター接種と呼ばれた3回目接種において、20の高齢者施設で計約700人に接種を行いました。
その際にKISA2隊が工夫した点、経験した事などをもとに詳細な対応マニュアルが作られています。

その他

施設内クラスターが起こった際の医師派遣

個人宅への訪問診療だけでなく、クラスターの発生した介護施設などへも診療へ赴きます。

外出できない自宅療養者への食事を届ける「ほほえみ隊」

食糧の不足で困る自宅療養者の支援のために2022年2月に食材提供プロジェクト「ほほえみ届け隊」がスタート。
・配達用食材パッケージ(1人前×3食×3日分)を「ライオン基金」による支援金で調達
・食材パッケージは訪問看護や往診医師チームに配布
・訪問看護ステーションや往診チームに配備し、自宅療養者へ直接配布

画像出典:KISA2隊

高齢者施設での新型コロナワクチン接種

20施設、計700名に対して3回目の接種(ブースター接種)を行っています。
この際の活動はマニュアル化され、ホームページ上で公開されています。

3.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の対応地域・エリアは?

ここではKISA2隊の10都道府県に渡る活動エリアを解説します。

対応地域・エリア(2022年5月時点)

京都

2022年2月~
KISA2隊発足の地。
新型コロナ第4波の頃は1日30人ほどの診療を実施。

大阪

KISA2隊活動拠点が大阪市旭区に有り(奥内科循環器科2階)。
2022年3月までに283人の往診、121のオンライン診療を実施。

奈良

2022年1月30日、人手不足の介護老人施設で利用者や職員の抗原検査に対応。

兵庫

2022年2月~
一般社団法人日本訪問診療・看護協会なども参加。
日本訪問診療・看護協会は龍田モデルという新型コロナウイルス在宅療養者看護モデルを全国に広めて自宅療養者のサポートを行っています。
KISA2隊の診療モデルと龍田モデルを融合して24時間対応の看護サービスを提供。

秋田

2022年春~
糖尿病の専門医である谷合医師。糖尿病患者にとって新型コロナは大きな脅威であるため、KISA2隊の活動に参加。

大分

2022年5月~
岩下クリニック/岩下幸雄医師

鹿児島

徳田医師(2022年5月~)。午前はクリニックで診療、午後に訪問診療に出る。
地元の医師など7名も続いてKISA2隊に加盟。

栃木

栃木でも地域と連携して活動を行っています。
栃木県:県民の皆様へ(新型コロナウイルス感染症)

熊本

2022年7月始動。
「7つの"D"」を掲げて連携を取って活動しています。
1.どうにかしたい/2.泥臭く汗をかく/3.出入り自由/4.できるしこ(熊本弁でできる範囲で、出来るだけ、出来る限りの意)/5.ダイバーシティ/6.DX/7.DIY(無ければ創る、自分でやる)
参加メンバー:医師/歯科医/看護師/ケアマネ/デイサービス管理者/葬儀屋/製薬会社/リハビリ職種など

埼玉

埼玉でも地域と連携して活動を行っています。
埼玉県:新型コロナウイルス感染症で自宅療養なさる方へのご案内

今後の対応エリア拡大も期待されます。

4.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の診察の受け方は?

KISA2隊に自宅へ診察に来てほしい!と思った場合、どのように依頼すれば良いのでしょうか。
結論から言うと、KISA2隊は自治体との連携で診察を行っているので、直接の往診依頼は基本できないシステムとなっています。

ここではKISA2隊の診察の受け方を解説します。

KISA2隊のコロナ対応の流れ

①「自宅」療養中の患者さんが体調の変化などを居住地の「保健所」に相談。
②「保健所」が相談内容から医療提供が必要と判断した場合に「KISA2隊」に往診を依頼。
③「KISA2隊」は自治体より依頼を受けたら派遣する医師や看護師の調整。
④「KISA2隊」が患者さんの元へ赴き、往診・フォローを行う。
必要と判断したら後日の継続した訪問診療、「保健所」への入院調整依頼なども行う

画像出典:日本財団

患者宅へと赴く医師は、依頼のあった際に当番となっている医療従事者の方々が向かいます。

以上が受診の流れとなっており、今日も連携する地域でKISA2隊が多くの新型コロナ患者さんの治療にあたっています。

自分で往診依頼のできる在宅医療サービスは?

前出の通り、KISA2隊は保健所からの要請によって患者さん宅へ赴くので、自分では直接の往診依頼ができません。
緊急時に自分で往診依頼が可能な在宅医療サービスをおさえておく事は万が一の備えとしてとても重要です。
近年多くの往診サービスが登場していますが、27自治体と連携をし往診実績も84,000件以上の「ファストドクター」がおすすめです。

画像出典:ファストドクター

《おすすめのポイント》

・広い対応エリア
札幌/東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/愛知県/大阪府/兵庫県/奈良県/京都府/滋賀県/福岡県

対応エリアを調べる
・27自治体と連携
・84,000件以上の往診実績
・料金は保険適用の診察料+交通費で安心(クレジットカード/コンビニ後払い対応)
スマホでオンライン診察も可能
夜間・休日の急病に、在宅医療の選択肢を増やしておきましょう。

5.新型コロナ往診・オンライン診療 KISA2隊の費用はいくらかかる?医療証・保険証適用、公費負担は?

KISA2隊の訪問診療でかかる費用はどれくらいなのか。
ここでは費用や医療証・保険証の適用、新型コロナウイルス医療費の公費負担について解説します。

KISA2隊は個別の医療機関で診察に当たっているのではなく、連携する地域・エリアの保健所の判断の元患者さんの自宅へと診察へ向かいます。
連携している地域は10都道府県となっており、地域の判断や患者さんの様態、必要とする診察内容や検査内容などが実に様々です。
費用についてはケースバイケースなので、実際に診察を受ける時点で確認をする必要があります。
また、新型コロナウイルス感染症にまつわる医療については「医療費の公費負担」があります。

新型コロナウイルス感染症の「医療費の公費負担」とは?

法律や条例に基づき、医療費の全額もしくは一部を国や地方自治体が「公費」で負担してくれる制度が「医療費の公費負担」です。
新型コロナウイルス感染症にかかった医療費に関しては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づいて、
公的医療保険(国民健康保険や被用者保険など)を優先給付した後、残額部分が公費負担の対象となる仕組みがあります。

新型コロナウイルス感染症のどのような医療が「公費負担」になる?

新型コロナウイルス感染症に関しての「医療費の公費負担」の対象は2つに分ける事ができます。
①医師が診療のために必要だと認めて実施された検査の「検査実施料」、「検査判断料」
検査にかかる費用は「採取料」「実施料」「判断料」の3つで構成されており、その内の2つが公費負担の対象となってるという事になります。
②医師による「新型コロナウイルスの患者であるという」診断の後に実施された医療に関する費用

京都府では新型コロナ療養期間中の往診や外来診療等を受けた際の医療費は公費負担となっており、患者さんによる手続きも不要です。
画像出典:埼玉県 新型コロナウイルスに係る医療費の公費負担について(県民の皆様)

※注意点
以下のケースは公費対象にはなりません。
・新型コロナウイルスにかかっていなかったとしても実施していたであろう医療
例:定期的な高血圧治療のための受診や処方等

・新型コロナウイルスの療養期間を過ぎて実施した医療
例:新型コロナウイルスの療養期間満了から1か月後に風邪症状で治療を受けた等

自己負担が発生するケースの例

・医師による診断の前段階では新型コロナ患者に該当するか不明なので、公費負担対象者と確定する前に実施された医療は公費対象外。
例:初診料など
・薬の処方が医師の診断後に行われたと確認できない場合。
・院内トリアージ料
・二類感染症患者入院診療加算

画像出典:埼玉県 新型コロナウイルスに係る医療費の公費負担について(県民の皆様)

保険証の有り・無し、診断前か後かで自己負担額も大きく変わってきます。
診断前の医療(公費対象外):保険証あり(7~9割 公的保険等:3~1割 自己負担) 保険証なし(全額自己負担)
診断後の医療(公費対象:)保険証あり(7~9割 公的保険等:3~1割 公費) 保険証なし(全額公費)

特に保険証なしの際が全額負担か公費かと極端になっています。
いつでも保険証はすぐに用意できるようにしておくと安心ですね。

発生届対象外の新型コロナ陽性患者でも公費対象になる?

「発生届対象者」とは、新型コロナウイルスにかかり、特定の条件を満たした場合保健所に登録をする必要があります。
その対象者の事を「発生届対象者」と呼んでいます。
令和4年(2022年)9月26日から感染症法施行規則の改正に基づき、新型コロナの発生届の対象条件が変更されました。
・65歳以上の方
・入院を要する方
・妊娠している方
・重症化リスクがあり、なおかつ新型コロナ治療薬の東予や新たな酸素投与が必要と医師が判断する方

※重症化リスクとは悪性腫瘍(ガン)/高血圧/慢性呼吸器疾患(COPD等)/糖尿病/慢性腎臓病/脂質異常症/心血管疾患/肥満(BMI30以上)
脳血管疾患/腎臓の移植、免疫抑制剤、抗がん剤等の使用その他事由による免疫機能の低下/喫煙歴/妊婦

上記の「発生届対象者」に該当しない、「発生届対象外」であっても新型コロナ陽性患者となった場合、療養期間内に限り公費の対象となります。

公費対象となる例:
・医療機関を受診して陽性と判明したが、65歳以下など「発生届対象外」である場合。
・自己検査で陽性が判明したが、医療機関は受診せず「検査確定診断登録窓口」で診断を受けた場合。
・自己検査などで陽性が判明したが、医療機関は受診せず、「検査確定診断登録窓口」でも確定診断を受けていない場合(医療機関でコロナ患者と診断できた場合に限定)。

必要になる可能性のある書類の例
・PCR検査や抗原検査の結果が分かる書類(医療機関、無料検査事業で実施のもの)
・陽性者登録窓口、検査確定診断登録窓口の登録をした事が分かるスマートフォンの画面
・診療明細書、診療費請求書兼領収書(コロナ診療と分かる記載がある事)

新型コロナウイルス感染者の全数把握の基準が見直されましたが、該当外の人でも条件により医療費の公費負担があるのはとても助かります。
万が一感染したり濃厚接触者になった場合は必ずお住まいの自治体での対応や登録窓口をご確認ください。

※今後の国や自治体の方針により公費負担に関しても変更がある場合があります。最新の情報は各自治体公式ホームページや医師にご確認ください。

6.まとめ

KISA2隊の新型コロナウイルスの自宅療養者支援活動を通して、在宅医療のあり方への関心が高まると共に今後の問題点も洗い出されてきます。
新型コロナが収束したとしても世界から病気が消える事はなく、超高齢化社会が進んでいる事もあり在宅医療のニーズは益々高まります。
医療はずっと続き必要とされます。

新型コロナウイルス感染症にとどまらない在宅医療の今後の課題

・多職種間、地域の同職種間または多忙な医師との間での患者さんについての情報共有や交流が不十分な点の解消
・診療方針の決定プロセスの明確化(在宅医療は関わる期間が多いため不明確になりやすい)
・臨床倫理の考え方の統一(終末期の抗がん剤、人工肛門の造設適応など)
・多職種間での役割分担の明確化、受け持ち以外の内容の理解など
・医療機関の在宅医療の把握の増強(在宅医療で可能な事が把握できていないと在宅への移行が困難)
・在宅医療や介護サービスの内容や意義の理解の促進(在宅医療導入・継続のため)
・独居高齢者や認知症患者の増加に伴う病気・介護以外の対応の増強
・患者さんを支える介護力や家族の協力の拡大
・患者さんの経済的問題への対応
・在宅医療にたずさわる専門職の不足の解消
・在宅で急病、急変時の緊急入院先の拡充
・24時間365日、切れ目なく在宅医療を提供する体制や工夫の充実
・見取りやがん、難病などの受け入れ態勢の充実
・医療機関や事業所の特徴や空き状況などの把握を可能に
・病気や生活障害、精度活用などについて医療従事者が相談できる場を作る
・情報が分散している、共有のための共通フォーマットがない等で多職種間での情報共有が困難な事の解消
・多職種・多機関との連携に必要な書類作成や連絡、日程調整などをスムーズに
・現状の介護保険では医療保険との兼ね合いや限度額の存在などから、在宅医療を支えるのには不十分なのでその拡充
・在宅医療では医療面、介護面の双方への介入が必要不可欠だが、現段階では煩雑な諸制度の整備
・在宅医療や介護サービスの内容や意義を市民へ更に伝える

在宅医療では様々な対応が求められるために関連する人、医療機関、団体などが複数になるケースがほとんどです。
「連携」が何より重要なものの、問題点を洗い出すと一番のネックは「連携」に関わる点が多いのが現状です。
そこを突破して活動の輪を広げているKISA2隊から学べる事は多くあります。
今後も更なる広がりが期待されます。

7.参考文献

京都市情報館【広報資料】新型コロナウイルス感染症の自宅療養に係る24時間医療管理体制の整備について(2022/06/14)
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000299583.html
京都府:新型コロナウイルス感染症患者の医療費公費負担について
https://www.pref.kyoto.jp/kentai/corona/kouhi.html
新型コロナウイルスに係る医療費の公費負担について(県民の皆様)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0710/pubexppe.html
日本財団:京都・大阪の新型コロナ在宅診療チーム「KISA2隊」へ緊急支援決定(2022/02/17)
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2022/20220217-67473.html
日本財団:「俺、動くわ」。KISA2隊の若手医師たちは、なぜコロナ禍の在宅医療を実現できた?(2022/05/25)
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/activity/71360
DreamNews:一般社団法人日本訪問診療・看護協会のKISA2隊神戸加盟について
https://www.dreamnews.jp/press/0000253752/
ALLYOURS:新型コロナ訪問診療チーム「KISA2隊」が考える、 医療界のSWITCH STANDARD
https://allyours.jp/blogs/journal/switch-standard-kisa2-tai
株式会社メドレー:「新型コロナ療養者向けオンライン診療システム」、自治体からの要請に対応し、利用対象施設を保健所や宿泊療養施設へも拡大 ~2ヶ月で約200施設が導入、電話診療からの移行や有事の際の体制整備として普及が進む~
https://www.medley.jp/release/20211111.html
LINE WORKS:新型コロナウイルスの自宅療養者支援を行う KISA2隊が「LINE WORKS」を活用
https://line.worksmobile.com/jp/pr/20220317/
あおぞら診療所:在宅医療の問題一覧
http://aozora-clinic.or.jp/pdf/tashyokushu/001/005.pdf

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