ノロウイルス|仕事、学校、園はいつまで休む?停止・復帰期間
冬場に多く発症するノロウイルス。腹痛や嘔吐などの症状があり、様々な年齢の方がかかる可能性のある感染症です。
この記事ではノロウイルスの症状や予防対策、保育園や幼稚園、学校、仕事は休む必要があるのか、また何日ほど休むのかを解説します。
目次
2.保育園・幼稚園・学校の登園はいつから|下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態がよい場合登校可能
3.大人の仕事復帰はいつから|法的に定めは無いが職種によって出勤停止あり
1.ノロウイルスの症状、予防対策
ノロウイルスの基本的な症状や予防対策を解説します。
ノロウイルスの症状
ノロウイルスは感染すると平均して治るまで以下の期間がかかります。
・潜伏期間(症状は無いが体内でウイルスが増えていく期間):数時間~48時間
・発症(症状が現れている期間):平均1~3日程
主に腹痛や嘔吐、吐き気、腹部の痛みなどの症状が現れます。
平均1~3日程度で治まるのですが、幼児や高齢者、体力が落ちている方、妊娠中の方などは完治まで長引く場合があります。
2~3日経過しても改善しない場合は無理をせず医療機関を受診しましょう。
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ノロウイルスの予防対策
手洗いを念入りに、徹底する
ノロウイルスに限らず、感染症対策の代表である手洗いを行いましょう。
特に幼児は様々なおもちゃや遊具、トイレなど躊躇なく触る事も多く、汚れやウイルスの付いた指で口や鼻に触る、目をこする事も多いので特に注意です。
自主的に手洗いが難しい年齢の場合は一緒に洗ったり、泡の色が変わるなどの目印になるハンドソープを利用したり等の工夫をして手洗いを実行しましょう。
衛生用品の共用は避ける
・タオル、ハンカチ
・石鹸
・歯ブラシ
・箸、フォーク、スプーンなどの食器類
など、共有は避け、個人個人で使えるものを使用しましょう。
タオルはペーパータオルにして使用ごとに捨てるなどの対策が取れます。
食品を十分に加熱する
ご飯やおやつを調理する際の加熱を充分に行う事で、ノロウイルス対策になります。
ノロウイルスは85℃以上で90秒以上加熱すると感染力を失います。
加熱する事が少ないサラダやパンなどの調理の際は、食材にウイルスが付かないよう、手袋やエプロン、マスクを着用するなどの対策をしましょう。
吐いた後の処置を適切に行う
ノロウイルスでは突然嘔吐が引き起こされます。嘔吐物は患者さんから約半径2メートル飛び散ると見られています。
広範囲になりますが、丁寧に拭き掃除や消毒を行いましょう。
吐しゃ物やその飛沫が残っていると、乾燥してウイルスが空気中に漂う事になり、二次感染を引き起こしてしまいます。
・嘔吐物が付いた部分は次亜塩素酸ナトリウムを薄めた消毒液で拭く
・嘔吐物で汚れたタオル、衣類、寝具などは、嘔吐物をペーパータオルで取り除き消毒液に漬け置きする
などの対策をとりましょう。
ノロウイルス対策に必要な物を常備しておく
ノロウイルスでは吐く事が多いので、とっさの嘔吐にもすぐに対応できるように用意しておくと便利な道具があります。
どれも家庭に普通にある物ですから、普段からバケツの中にまとめておくとよいでしょう。
・洗面器(嘔吐物を触れずに捨てられるように予めビニール袋をかぶせておく) ・新聞紙やペーパータオル ・布やタオル ・使い捨てマスク、エプロン、手袋 ・家庭用塩素系漂白剤(水で薄めて消毒液を作れる) ・空のペットボトル(350~500mlほど。消毒液を作る際に使用) ・上記道具をひとまとめに入れられるバケツ |
2.保育園・幼稚園・学校の登園はいつから|下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態がよい場合登校可能
ノロウイルスにかかると、病気の治療ももちろんですが、園や学校に行かせてよいのかどうか、いつから再登園(校)して良いのか判断に迷いますよね。
ここでは登園(校)の判断基準やタイミングを解説します。
判断基準は学校保健安全法に準ずる(必ずしも出席停止となるわけではない)
学校保健安全法第19条では、ノロウイルスやロタウイルスといったウイルス性胃腸炎を、「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる疾患」としています。
必ずしも出席停止となる病気ではなく、保育園、幼稚園、学校それぞれで出席停止の判断や期間の定めをします。
ノロウイルスにかかった場合は、状態を所属先に伝え、出欠席の判断を確認しましょう。
登園(校)再開のタイミングは園・学校によるので確認を
学校保健安全法では、ノロウイルス感染症の明確な出席停止期間は定めていません。
登園(校)を再開できる状態の目安は「下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態がよい者は登園(校)可能」なります。
・症状が出ている間の登園(校)や外出は控える
・普段の食事が可能になるまでは自宅で安静にする
という点に気をつけましょう。
症状が治まれば登園(校)できますが、保育園や校内での二次感染予防のために、医師による「登園(校)許可書」や保護者記入の登園届の提出を求められる事が多いです。
書式なども所属先により異なるので、再登園(校)のタイミングと合わせて、医師や所属先に相談しましょう。
3.大人の仕事復帰はいつから|法的に定めは無いが職種によって出勤停止あり
大人がノロウイルスにかかった場合の仕事復帰はいつからになるのでしょうか。
ここでは職場によって異なる出勤の可否について解説します。
法律上の出勤停止日数はない
ノロウイルスに関して、国の定めた出勤停止の明確な日数の言及はありません。
ただし、会社ごとに定める「就業規則」に日数の規定がある場合があるので、必ず確認して従いましょう。
飲食や給食施設など職種によっては出勤停止処置のある職場あり。就業規則の確認を
従事している仕事が飲食業の場合、ノロウイルスは下痢・嘔吐などの症状を起こす感染症なので、他業種より厳しく制限をする会社が多く見られます。
平成29年改正の「大量調理施設衛生管理マニュアル」(厚生労働省)には、
ノロウイルスを保有している従業員は、ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでは、業務上で食品に触れる作業を控えるのが望ましい
との記述がありますが、具体的な停止日数の定めはありません。
ノロウイルスは、症状のピークが過ぎた後も、発症から1週間程度はノロウイルスが体内に保有されます。
この事から、飲食業では症状が治まった後1週間は出勤停止にする所が多くみられます。
会社ごとに異なるので、就業規則による出勤停止日数の確認をしましょう。
4.保護者が登園(校)届を記入することが考えられる感染症
子どもがノロウイルスにかかって治ったら、登園(校)を再開しますが、その際「登園(校)届」を提出する事が多いです。
再登園・登校の基準や、届書類の書式などは所属先によって異なるので、確認をして対応をしましょう。
病気によっては医師の記入ありの「登園(校)許可書」が必要な場合もあるのでそちらも確認を。
ノロウイルス以外の代表的な感染症に関してもまとめました。
感染症名 | 感染しやすい期間 | 登園・登校のめやす |
---|---|---|
溶連菌感染症 | 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後1日間 | 抗菌薬内服後24~48時間が経過している |
マイコプラズマ肺炎 | 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後数日間 | 発熱や激しい咳が治まっている |
手足口病 | 手足や口腔内に水疱・潰瘍が発症した数日間 | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事が摂れる |
伝染性紅斑(りんご病) | 発しん出現前の1週間 | 全身状態が良い |
ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等) | 症状のある間と、症状消失後1週間 | 嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事が摂れる |
ヘルパンギーナ | 急性期の数日間 | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事が摂れる |
RSウイルス | 感染症呼吸器症状のある間 | 呼吸器症状が消失し、全身状態が良い |
帯状疱しん | 水疱を形成している間 | 全ての発しんがかさぶた化している |
突発性発しん | 期間は明示できない | 解熱し機嫌が良く全身状態が良い |
※あくまで目安の表となります。判断基準は所属先に確認ください。
適切な感染予防対策をして、もしノロウイルスにかかった場合は所属する保育園、幼稚園、学校、職場に対応を確認して対応をしましょう。