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乳がん検診のやり方は?各検査の内容と受診頻度についても詳しく解説

[2023.10.14]

乳がんは、女性にとって最も発症リスクの高いがんです。早期に発見されれば高い治療成功率を期待できますが、進行してしまうと治療の難易度が上がります。そのため、乳がんの早期発見をめざし、定期的な検診の受診が勧められています。

この記事では、乳がん検診の具体的な手順や受診頻度について詳しく解説します。とくに乳がん検診を受けたことがない方や、検診の内容に不安を感じる方が、安心して検診を受けられるように情報を整理しました。

また、最近注目を集めている「無痛MRI乳がん検診」の特徴についても触れていますので、ぜひ検診の参考にしてください。

 

1.乳がんの基本知識

1-1.乳がんとは?

乳がんは乳房の組織、とくに乳腺の組織に発生するがんの一種です。乳房は乳腺と脂肪組織で構成されており、乳がんはおもに乳腺の組織にできます。まれに、乳腺以外の場所にもできることがあります。

 

乳がんの進行と転移

乳がんが進行すると、がん細胞は周囲の組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液に乗って転移することがあります。転移しやすい場所は、乳房近くのリンパ節、骨、肝臓、肺、脳などです。

 

乳がんの症状

乳がんのおもな症状は、乳房のしこりです。自分で乳房を触ることで気付くこともあります。ほかにも以下の症状があります。

 

  • 乳房にくぼみができる
  • 乳頭や乳輪がただれる
  • 左右の乳房の形が非対称になる
  • 乳頭から分泌物が出る

 

ただし、乳房のしこりは必ずしも乳がんを意味するわけではありません。乳腺症や線維腺腫など、乳がん以外の良性の原因でも発生します。

 

【乳腺症】

乳腺症は、多くの女性に見られる乳腺の良性の疾患です。治療は基本的に必要なく、がんの原因になることはありません。おもな症状は、しこりや痛みであり、月経前に大きくなり月経後に小さくなります。

 

【線維腺腫】

線維腺腫は、10代後半〜40歳代の女性に多い良性腫瘍です。触ると動き、閉経後は徐々に小さくなることが多く、特別な治療は必要ありません。ただし、しこりが急速に大きくなる場合は、摘出が必要になるケースも出てきます。

 

1-2.乳がんの現状と統計データ

2019年の国立がん研究センターがん情報サービスの報告によれば、乳がんは女性のがん患者の中で非常に高い割合を占めており、女性の部位別がん患者数でも1位を記録しています。432,607人の女性がん患者のうち、97,142人が乳がん患者で、これは全体の22.4%を占めています※。

全国がん罹患データ(2016年~2019年)|国立がん研究センターがん情報サービス

 

また、年齢別の乳がん患者数を見ると、30代後半から40代にかけて急増しています。そのため、40歳以上の女性に対しては、2年に1回の乳がん検診が推奨されています。

 

1-3.乳がんの発生要因と予防法

乳がんの発生要因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

 

初経年齢が早い

閉経後の肥満

閉経年齢が遅い

飲酒習慣

出産歴がない

乳がんの家族歴

初産年齢が遅い

良性乳腺疾患の既往歴

授乳歴がない

 

参照元:乳がんの原因|日本医師会 

 

乳がんの発症には、女性ホルモン(エストロゲン)との関係性が深く、上記要因は体内のエストロゲンに、影響を与える可能性があります。そのほかに、エストロゲンを含む経口避妊薬の使用や閉経後のホルモン補充療法も乳がんのリスクを高める可能性があるとされています。

 

また、最近では遺伝的要因も乳がんのリスクを高めることがわかっています。遺伝性乳がんの原因としては、BRCA1、BRCA2遺伝子の変異が知られていますが、これらの変異があっても必ずしも発症するわけではありません。ただし、遺伝医学などの専門家のいる施設では、遺伝カウンセリングや遺伝子検査を受けることが勧められます。

 

予防については、禁煙、節度ある飲酒、バランスのよい食事、運動、適正体重の維持、感染予防ががん全般の予防に有効であるとされています。また、BRCA1、BRCA2遺伝子の変異がある場合、両側乳房切除術+乳房再建術やリスク低減卵管卵巣摘出術を検討することがあります。

参照元:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版|一般社団法人日本乳癌学会

 

1-4.乳がん検診の目的

乳がん検診の目的は、乳がんの早期発見、適切な治療を通じて、乳がんによる死亡を減少させることです。厚生労働省の指針では、40歳以上の女性に対して2年に1回の乳がん検診が推奨されています。

39歳以下の女性は乳がんにかかる確率と、放射線被ばくのバランスが取れないので、マンモグラフィ検診は推奨されません。ただし、乳房の変化に気付いた場合は乳がんの可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

また「ブレスト・アウェアネス」の普及が、若年性乳がんの早期発見や、乳がん検診の偽陰性対策につながると期待されています。

 

1-5.ブレスト・アウェアネス

自身の乳房の状態に日頃から関心をもち、乳房を意識して生活することを「ブレスト・アウェアネス」といいます。早期の乳がんは自覚症状がなく、気づきにくいのが特徴です。ブレスト・アウェアネスは、乳がんの早期発見につながるための生活習慣で、以下の4つのポイントがあります。

 

  1. 自分の乳房の状態を知る
  2. 乳房の変化に気をつける
  3. 変化に気づいたら医療機関を受診する
  4. 40歳になったら2年に1回検診を受診する

 

2.乳がん検診の受診方法

2-1.受診方法の選択肢

乳がん検診の受診方法は、以下の3通りです。

 

  1. 自治体主体の乳がん検診を受診する
  2. 職場で実施する定期健康診断で、乳がん検診が含まれるプランを選択する。または、オプション検査として追加する
  3. 個人が自由診療で受診する(全額自己負担)

 

1、2の場合、集団会場で受ける方法と医療施設で受ける方法が選べます。3の場合は、医療施設で受ける方法のみとなります。1〜3のいずれの場合も、事前予約が必要です。詳細は、お住まいの自治体や受診予定の医療機関に確認しましょう。

 

2-2.集団会場の乳がん検診

集団会場の乳がん受診は、以下の3パターンがおもな受診方法です。

  • 特定健診や定期健康診断と同じタイミング
  • 乳がん検診のみ
  • 子宮頸がん検診とセット

 

会場は、移動検診車(巡回検診)、自治体の保健センター、公民館などです。

 

2-3.医療施設の乳がん検診

医療施設での受診は、受診者自身が予約を取り、指定された日時に医療施設へ向かいます。自治体の乳がん検診や会社の定期検診で受診する場合、補助対象となる指定医療施設があるため、そのなかから受診先を選ぶことになります。

 

2-4.食事制限について

乳がん検診では、前日や当日の食事に特に制限はありません。ただし、同日に健康診断や人間ドックで血液検査や消化器関連の検査などがある場合は、食事制限が必要となります。

 

3.乳がん検診を受診する際の準備

乳がん検診を受ける際には、検査着の用意、画像診断に影響するポイント、待ち時間の対策を考慮し、適切な服装と持ち物を準備しましょう。

 

3-1.検査着の用意

集団会場または医療施設で受ける2種類の方法がありますが、いずれの場合も上下別々の着脱しやすい服装がおすすめです。

 

【集団会場】

集団会場では、検査着の用意がない場合や、上半身のみ着替える場合があります。検査着の代わりにTシャツやバスタオルが用意されることや、自身でバスタオルを持参することもあります。

 

【医療施設】

医療施設では、基本的に検査着が用意されますが、上半身のみ着替えることが多いです。そのほかの健康診断と乳がん検診を同時に受ける場合、上下とも検査着に着替えることもあります。

 

3-2.画像診断に影響するポイント

長い髪は、髪の毛がからまり検査の邪魔になったり、整髪料の成分が検査画像に影響を与える可能性があるため、ゴムで後ろにまとめておきましょう。

また、制汗剤、デオドラント、パウダーシートなどは、制汗作用に使われる細かい成分が検査画像に影響を与える可能性があるため、使用を禁止している施設が多いです。検査当日は、使用しないようにしましょう。

脇の脱毛・除毛処理は、検査に影響ありません。

 

3-3.待ち時間の対策

集団検診で検査着や代替の服が用意されていない場合でも、待ち時間からブラジャーを外しておく指示があることも。胸元を気にせず過ごせるように、カーディガン、ジップアップのパーカー、ショールなど、季節に合わせた簡単に着脱できる羽織りものを準備しておくとよいでしょう。

 

4.乳がん検診のそれぞれの特徴と流れ

乳がん検診は問診から始まり、視触診、マンモグラフィ、超音波検査が行われるのが一般的です。しかし、改正された厚生労働省のがん検診ガイドラインでは、視触診は含まれていないため、最近では視触診を実施しない施設も出てきています。

また、40歳未満の場合、マンモグラフィは実施せず、超音波検査のみを実施する施設もあります。各検査の特徴や流れを理解して、自身にあった検査を選択できるようにしましょう。

 

4-1.問診

問診では、各検診を実施する前に必要な情報を収集します。どの施設でも以下のことを聞かれることが多いため、事前に準備しておきましょう。

  • 月経の状況
  • 出産経験
  • 授乳経験
  • 家族でがんにかかった方の有無(特に乳がんの有無)

 

また、気になる症状がある場合は以下のことも聞かれるため、あらかじめ準備しておくと安心です。

  • いつ気がついたか
  • 気づいてから大きさに変化はないか
  • 月経の周期で大きさに変化はないか
  • 痛みはあるか

 

問診の回答は、医師や検査スタッフが検診の精度をあげるために必要な情報源です。どんな些細なことでも構わないので、伝えておくと良いでしょう。

 

4-2.視触診

視触診では、乳房を観察し手で乳房やリンパ節の状態を確認する検査です。一次検診(症状のない人が対象の検査)では実施しない施設も増えてきましたが、お住まいの自治体や加入中の健康保険の種類により、実施することもあります。乳房はプライベートな部位のため、見られたり触れられたりすることに抵抗感がある場合もありますが、受診時の抵抗感の軽減のためにも、視触診の内容や目的を事前に把握しておきましょう。

 

視触診検査では、おもに以下の点を確認します。

 

  • 乳房に変形がないか
  • 乳頭に湿疹や分泌物がないか
  • しこりがないか
  • 首やわきの下のリンパ節が腫れていないか

 

もし、しこりがみつかった場合は、位置、大きさ、硬さ、境目がはっきりしているか、動きやすいかなどを確認します。

 

4-3マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳房のX線撮影を行う検査です。診断しやすい画像を撮影するため、検査担当者(診療放射線技師)が以下のことを行いながら撮影します。

 

  1. 乳房を手でできるだけ引き出す
  2. 装置の台と手で乳房を押し広げる
  3. 2の状態を透明の薄い板で固定して撮影

 

乳房を押し広げて固定する際に、多少の痛みを伴うこともあります。しかし、乳房を薄く広げるには、乳腺の重なりを防ぎ、少ないX線量で撮影するために必要な工程です。圧迫が辛く感じる検査ですが、少々の痛みは我慢する必要があります。痛みがどうしても我慢できない場合は、遠慮せずに検査担当者に伝えましょう。

 

マンモグラフィの痛みをなくすことはできませんが、できるだけ軽減する方法として、以下の2点があげられます。

 

  • 生理前〜生理中の受診をさける
  • 撮影時に身体の力を抜き、できるだけリラックスする

 

生理前後で乳腺が張っている状態で検査を受けると、圧迫時に痛みがより強く出やすくなります。また、身体に力が入って筋肉が硬い状態でも乳房を押し広げにくくなるため、痛みが出やすい元となります。痛みが不安な方は、この期間を避けて受診しましょう。

 

4-4超音波検査(エコー)

超音波検査は、乳房内の「しこり」の診断に有効な検査です。とくに、マンモグラフィではわかりにくい、乳腺の密度が濃い高濃度乳房(デンスブレスト)の方の「しこり」も見つけられます。そのため、高濃度乳房(デンスブレスト)の割合が高い40歳未満の場合は、マンモグラフィより優先的に超音波検査を実施します。

検査の手順は以下のとおりです。

 

  1. 身体の下に枕をいれて、手を挙げて寝る
  2. 乳房にゼリーをぬる
  3. 超音波の機械(プローブ)を軽く押し当て、乳房をまんべんなく走査する

 

超音波自体は人体に害はなく、痛みもありません。そのため、妊娠中でも安心して検査を受けられます。しかし、マンモグラフィでしか発見できない乳がんもあるため、精密検査においては両方の検査を行います。

 

4-5MRI検査

MRI検査は、がんの有無や広がりなどを確認できます。若い女性や高濃度乳房(デンスブレスト)の方の「しこり」も見つけやすく、乳房の奥(胸壁)からわきの下までまんべんなく含まれるため、死角がほとんどない検査です。

電磁波を使用して撮影するため、放射線による被ばくもありません。

 

検査手順は以下のとおりです。

 

  1. 磁場に影響のない検査着に着替える
  2. 検査着をはだけてうつ伏せになり、寝台の穴のあいた部分に乳房を入れる狭い筒状の機械に入り撮影します。(約15分)

 

乳房を圧迫することはないため、痛みを感じません。また、乳房の手術後や豊胸術後であっても通常通り検査ができるのも特徴です。

精密検査で行うMRIでは、造影剤の注射をすることもありますが、多くは使用しません。

 

強い磁場を発生する機械のため、以下の方は検査ができない場合があります。

 

  • 心臓ペースメーカーが入っている方
  • 古い脳動脈瘤のクリップが入っている方
  • 体内に金属がある方
  • 大きな入れ墨(タトゥ)がある方
  • 妊娠中の方

 

上記の中にはMRIに対応した素材のものもあるため、検査の施設にお問い合わせください。また、狭い筒状の機械に入るため、閉所恐怖症の方は検査をするのが難しい場合もあります。必要に応じて安静剤を投与して、リラックスしながら検査を受けることも可能です。

 

4-6無痛MRI乳がん検診

無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)は、新しい乳がん検診の方法として登場しました。無痛MRI検診(ドゥイブス・サーチ)は、DWIBS(Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression/ドゥイブス法)を用いたMRI検査のことで、PET検査と同じように、がんの有無や分布を診断できる撮影法です。PET検査のように放射性同位元素を注射することなく、検査着に着替えたらすぐに検査を開始できる利点があります。検査機器は前項で紹介したMRI検査と同じですが、受診する施設がDWIBS法に対応している必要があります。

診断精度は非常に高く、一般的な乳がん検診の5〜10倍程度です。2023年8月現在、約25,,000人がこの検査を受けており、受診者1,000人当たり20人程度の割合でがんが発見されています。

 

検査の詳細は「7.従来の乳がん検診の弱点をカバーする無痛MRI乳がん検診」を参照してください。

 

5.乳がん検診の頻度と目安

乳がん検診の推奨頻度は、40歳以上の女性に対して2年に1回とされています。ただし、特別なリスクがある場合は、20代や30代でも検診が必要です。乳がんの早期発見のためには、定期的な検診が欠かせません。推奨頻度と受診の目安を詳しく解説します。

 

5-1.乳がん検診の推奨頻度

40歳以上の女性には2年に1回の乳がん検診が推奨されています。厚生労働省の5大がん検診(胃がん・子宮頸がん・肺がん・乳がん・大腸がん)の指針より定められています。乳がん検診において、早期乳がん比率と中間期乳がん発生率から検証され、「2年に1回が適切である」と結論づけられたためです。

 

参照元:「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書」|厚生労働省

参照元:「市町村のがん検診の項目について」|厚生労働省

 

また、乳がん検診にはメリットとデメリットの側面があります。メリットは、米国の論文では乳がん死亡率の減少効果があったことが挙げられます(ただし最近の日本の報告では、日本の乳がん検診において死亡率の減少効果は認められませんでした)。

 

一方、デメリットとしては、偽陽性、偽陰性、過剰診断、放射線被ばくなどです。メリットとデメリットのバランスが考慮され、39歳以下の乳がん検診は推奨されていません。また、40歳代の女性では、乳癌が存在したとしても、半分程度のがん発見しかできないことが分かっています(過小診断)。

 

ただし、特別なリスクがある場合、推奨される受診頻度は異なります。血縁者に乳がん罹患者がいる場合、乳がんの発症リスクが2倍以上です。そのため、20代や30代でも、超音波検査や無痛MRI乳がん検診を受けたほうが良いでしょう。

5-2.乳がんの早期発見のための適切なタイミング

乳がんの早期発見には、定期的な検診が不可欠です。乳房内にできたがん細胞が1cmの大きさのしこりになるまで、一般的に何年もの時間がかかります。そのため、基本的には2年に1回の受診が適切とされています。ただし、急速に増殖する乳がんもまれに存在するため、気になる方は、毎年検診を受けることも検討しましょう。

 

6.乳がん検診の注意事項

乳がん検診を受ける際、授乳中や豊胸術後の方は、特別な配慮が求められます。検診を受ける前に専門の医師と相談し、適切な検診方法を選択しましょう。

6-1.授乳中の方

授乳中は乳腺が発達しており、マンモグラフィでは小さな病変が見つけにくく、正確な診断が難しいです。また、痛みも感じやすいため、卒乳・断乳後6ヵ月を目安に検診を受けることが推奨されています。また、超音波検査でも精度が落ちる可能性があるため注意しましょう。ただし、しこりなどの自覚症状がある場合は、授乳中でも乳腺専門外来を受診してください。

 

6-2.豊胸術後の方

豊胸術を受けた方は、住民検診(区市町村検診)を受けることが難しい場合があります。また、水頭症シャント術、ペースメーカー装着、化学療法用のポート挿入などの手術を受けた方は、装着物・挿入物が破損する可能性があるため、専門施設のある医療機関での受診がおすすめです。

 

7.従来の乳がん検診の弱点をカバーする無痛MRI乳がん検診

マンモグラフィは、乳がんの早期発見に非常に有効であり、厚生労働省のガイドラインでも推奨されています。しかし、乳房の圧迫による痛みや放射線による被ばくのリスクなどがあるのが弱点です。そのため、これらの弱点をカバーする新しい検査方法として、MRIを活用した「無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)」が注目されており、以下の6つのメリットがあります。

 

  • 検査に痛みがない
  • プライバシーが守られる
  • 被ばくがないため安心
  • 死角が生まれにくく見落としが少ない
  • 高濃度乳房(デンスブレスト)に適している
  • インプラントでも検査可能

 

それぞれのメリットを順番にみていきましょう。

 

7-1.検査に痛みがない

無痛MRI乳がん検診では、穴のあいたベッドにうつ伏せになり、乳房を自然な形で下垂させるため、乳房の大きさに関わらず検査が可能です。また、マンモグラフィのように乳房を圧迫しないため、検査中に痛みを感じることはありません。



7-2.プライバシーが守られている

MRIによる電磁波の力を利用して乳房に触れずに撮影するため、検査着を着たまま検査ができます。これにより、恥ずかしさやストレスを感じにくいです。ポジショニングの確認時にスタッフと受診者が近接することがありますが、それ以外はプライバシーが守られ、安心して検査を受けることができます。

 

7-3.被ばくがないため安心

無痛MRI乳がん検診は、放射線を使用しない検査のため、被ばくすることはありません。そのため、定期的に複数回受診しても身体に影響がなく、安心して検査を受けることができます。生涯のあいだに繰り返し受ける検診として、とくに向いている検査と言えます。

 

7-4.死角が生まれにくく見落としが少ない

マンモグラフィをはじめ、リングエコー、乳房専用PETであっても、わきの下や乳房の奥(胸壁)の撮影が難しく死角が存在します。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)は、有効感度範囲が広く死角が存在しにくいため、わきの下や乳房の奥まで撮影ができます。したがって、病変の見落としも少なく、精度の高い検査が可能です。



7-5.高濃度乳房(デンスブレスト)に適している

日本人女性は、欧米の女性に比べて乳腺組織が密集している高濃度乳房(デンスブレスト)の割合が高いため、マンモグラフィではがんの発見率が下がる可能性があります。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)では、乳腺の量に影響されず、精度の高い検査ができます。また、アジア系女性の乳房は、欧米女性と比較してハリがあり小さめであるため、マンモグラフィでは痛みを感じやすいです。しかし、無痛MRI乳がん検診では、穴の中に乳房を入れるだけなので、痛みがなく楽に検査ができます。

 

7-6.インプラントでも検査可能

乳房手術後のインプラントにも無痛MRI乳がん検診は対応できます。マンモグラフィではインプラントを圧迫できないため、検査ができません。また、超音波検査ではインプラントの後ろ側は見えにくいため、検査の精度が落ちてしまいます。しかし、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)はこれらの問題を解消し、インプラントがあっても精度の高い検査が可能です。

 

以上6つのメリットから、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)は、従来の乳がん検診の弱点をカバーできます。そのため、日本人女性の乳房の特性や、乳房手術を受けたことがある女性にとって、大きなメリットがあると考えられます。

 

8. 乳がん検診で異常が見つかった場合の次のステップ

乳がん検診にて異常が発見された場合、次にどのような検査を行うかを解説します。

 

8-1.二次検査の内容と流れ

二次検診は、画像診断だけでは良性と悪性の判断がつかない場合に行われる検査です。おもな方法として、細胞診、組織診(針生検)、外科的生検(切除生検)があげられます。

 

細胞診と組織診(針生検)

細胞診は、乳房に細い針を刺して細胞を採取する方法です。超音波やマンモグラフィで病変を捉えながら細胞を採取します。細い針を使用するため、麻酔は使いません。

組織診(針生検)は、太い針で組織を採取します。針が太く痛みが強いため、局所麻酔が必要です。この検査も超音波やマンモグラフィで病変を確認しながら行います。

 

外科的生検(切除生検)

針生検で診断がつかない場合、外科的生検が選択されます。病変の一部または全体を切除し、針生検よりも多くの組織を採取して病理診断を行う方法です。局所麻酔または全身麻酔が使用され、針生検に比べて負担は大きいですが、診断の精度は向上します。

 

8-2.専門医への紹介と治療の始め方

検診で乳がんの疑いがある場合、以下のポイントをもとに、専門医への紹介と治療を進めて行きます。

 

1.冷静に治療方針を検討

乳がんと診断された場合、焦ることなく医師の説明を聞くことが重要です。乳がんのしこりが1cmになるまでには、何年もの時間が経過していると考えられるため、急いで治療を開始する必要はありません。そのため、治療方針や治療の進め方をしっかり話し合うことが大切です。

また、医師からの説明でわからない言葉があれば、その場で質問し、理解を深めることが必要です。安心感を得るためにも、家族や友人と一緒に診察を受けるとよいでしょう。

 

2.治療病院の選択

紹介された病院を受診する際は、過去の乳がん検診の経過、近親者のがんの有無、治療中の病気や服薬状況などが確認されるため、事前に情報を整理しておくとよいでしょう。

また、治療を受ける病院は、自分で選ぶこともできます。選ぶ際の参考として「乳腺外科」「乳腺科」「乳腺センター」を目安に探すとよいでしょう。日本乳癌学会のWebサイトや、国立がん研究センターがん情報サービスを活用して、乳腺専門医のいる医療機関を探すことができます。通院に要する時間や交通手段、家族の都合なども重要なポイントになるため、考慮することが大切です。日本乳癌学会資格認定・関連施設一覧|日本乳癌学会)

 

以上のポイントを踏まえながら、専門医への紹介と治療の始め方を進めていくことが、乳がんの適切な治療に繋がります。

 

9. まとめ:乳がん検診のやり方を理解して定期的に受診しよう

乳がん検診は、乳がんの早期発見と治療を開始するために非常に重要な手段です。厚生労働省の指針や日本乳癌学会のガイドラインでは、40歳以上の女性に対して2年に1回の乳がん検診の受診が推奨されています。ただし、血縁者に乳がん患者がいる場合や、遺伝性のリスクがある場合は、20代や30代でも乳がん検診を受けることを検討しましょう。

 

検診のおもな方法は、マンモグラフィと問診です。マンモグラフィは、乳がんによる死亡率を低下させる科学的根拠を持った有効的な検査と言われきましたが、日本では死亡率の低下は見られていません。また、40歳以下の若年者や乳腺組織が密集している女性は、異常を見逃しやすい弱点があります。さらに、恥ずかしさやストレス、被ばくの問題などの課題も考慮する必要があります。

近年、これらの課題を克服できる「無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)」が注目されています。診断精度は非常に高く、癌が発見される割合は、従来の乳がん検診の5〜10倍程度です。

 

自分の身体の状態をよく知り、定期的に検診を受けることで、異常が発見された際には迅速に対処できます。乳がんから自身の健康を守るため、乳がん検診のやり方を理解し、定期的な受診を心がけましょう。

 

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