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寒気がするコロナ感染症はある? 症状から考えられる病気を解説!

[2022.09.09]

「熱が出たのに加えて悪寒がある」「寒気がする」などの体調不良を感じると、「新型コロナに感染したのかもしれない」と心配になるものです。
それでなくとも、「体がゾクゾクする」「とにかく寒い」といった寒気や悪寒にしつこくまとわりつかれると、不快感を覚える人は少なくありません。

今回は、新型コロナウイルス感染症の症状に寒気が含まれるのか、違う病気である可能性はあるのかなどについて詳しく解説します。


目次

1.寒気がするコロナ感染症はあり。ただし断定はできない

2.発熱や寒気は新型コロナ感染症の症状として一部の人に見られる

3.寒気が現れる他の病気は風邪、インフルエンザなど

4.寒気がする病気の主な予防と対策

 

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寒気がするコロナ感染症はあり。ただし断定はできない

新型コロナウイルス感染症では、「発熱」や「のどの痛み」だけでなく「寒気」の症状を訴える人もいます。
しかし、インフルエンザや風邪でも寒気や悪寒を伴うことがあり、寒気がするかどうかだけで病気の原因を判断することはできません。
また、強い寒気を感じる場合は、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ以外の病気にかかっている可能性も出てきます。

例えば食中毒や腎盂腎炎(じんうじんえん)、胆嚢炎(たんのうえん)といった病気は悪寒や寒気が出やすいことで知られています。
特に腎盂腎炎は悪化すると命に関わることもあるため、自己判断で放置するのは危険です。
早期に適切な医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。

発熱や寒気は新型コロナ感染症の症状として一部の人に見られる

コロナ感染症に見られる症状を確認

まずは、新型コロナウイルスに感染したときにどのような症状が現れるのかを確認しておきましょう。
かなり高い頻度で現れる症状は「発熱」「せき」「倦怠感」の3つです。
ただしこのほかにもさまざまな症状があり、どのような症状がどの程度の強さで出るかは人によって異なります。

一部の患者に影響を与える可能性がある症状とされているのは、次の通りです。

  • 味覚障害
  • 嗅覚障害
  • 鼻づまり
  • 結膜炎
  • のどの痛み
  • 頭痛
  • 筋肉や関節の痛み
  • 皮膚の発疹
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 悪寒
  • めまい

また、比較的重い症状には次のようなものがあります。

  • 呼吸困難
  • 食欲減少
  • 錯乱
  • 胸部の持続的な痛みや圧迫
  • 38°C以上の高熱

そのほか、珍しい症状としてあげられているものがこちらです。

  • 過敏性
  • 錯乱
  • 意識の低下
  • 不安
  • うつ
  • 睡眠障害
  • 脳卒中
  • 脳の炎症
  • せん妄
  • 神経の損傷

このように、悪寒は「一部の患者に影響を与える可能性のある症状」としてピックアップされています。
感染した人の大多数が自覚する症状ではないものの、新型コロナウイルス感染症で寒気や悪寒を感じる可能性は十分にあります。

実際に寒気が症状として現れた患者さんの声

ここでは実際に、新型コロナウイルスに感染し主観症状として寒気や悪寒を感じたという人の声を確認してみましょう。

夫の陽性が判明し、検査を受けたところ、自分も陽性と判明した。検査を受けた日から、喉の痛みと寒気、倦怠感の症状が酷かった。(20代女性)
出典:「喉の痛み」に関するコロナ感染事例 | 広島県

熱はないが、寒気、からだのだるさを感じる。以降、だるさが回復したり、ぶりかえしたりする。(20代女性)
出典:新型コロナウイルス感染症患者の発生について

入院してから38.8度~37.4度の熱があり頓服で下がる。また寒気がして熱が出るのくり返し。(70代)
出典:新型コロナウイルス感染症に罹患し、その後回復された方の体験メッセージを紹介 | 和歌山県

このように体験談の中で「寒気や悪寒を感じた」という声は一定数存在します。

特定の症状だけでは断定できないコロナ感染症

新型コロナウイルス感染症の初期症状は年齢によって多少の違いがあります。発生頻度が高い主な症状は次の通りです。

症状

症状が出る人の割合

発熱

約2人のうち1人

せき

頭痛

のど痛

約5人のうち1人

下痢

鼻水

約13人のうち1人

味覚障害・嗅覚障害

約3~10人のうち1人

これらの症状には、一般的な風邪や新型コロナウイルス感染症ではない病気にかかった際に現れるものもあります。
そのため「この症状が出たから新型コロナだ」と断定することはできません。

「食べ物や飲み物の味が分からない」という味覚障害や「においを感じない」という嗅覚障害は、新型コロナウイルス感染症の大きな特徴としてよく知られています。
このことから、味覚や嗅覚に異常を感じた場合は新型コロナウイルス感染症の疑いが強いといえますが、これらの症状がどの程度の頻度で出るかははっきりしていません。

さらに、新型コロナウイルスに感染したすべての人に何らかの症状が出るとは限らない点にも注意が必要です。
症状を自覚しない人もいれば、中にはまったく体調不良を感じない無症状の人もいます。
ただし本人が無症状でも他人への感染力はあるため、知らず知らずのうちに感染を広げてしまう可能性があります。

よく言われる味覚障害などが出ないケースもあるので要注意

2021年から2022年にかけて発生した「オミクロン株」では、新型コロナウイルス感染症の特徴といわれている「嗅覚障害」や「味覚障害」の発生頻度が低くなっています。
嗅覚・味覚に異常が発生した割合はオミクロン株では13%、以前流行したデルタ株では34%と大きな差があり、無視できるものではありません。
つまり「嗅覚や味覚に異常がないから新型コロナウイルス感染症ではない」とはいえないのです。

その一方で、「のどの痛み」「せき」「鼻水」といった風邪やインフルエンザでもよくみられる症状が出ることが増えています。
このように、症状で新型コロナウイルス感染症なのかそうでないのかを区別することは困難です。
症状が出る原因を知るには、インフルエンザの抗原検査、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受け、診断してもらう必要があります。

 

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寒気が現れる他の病気は風邪、インフルエンザなど

風邪、インフルエンザとコロナ感染症の症状の違いは?

新型コロナウイルス感染症だけでなく、風邪やインフルエンザでも寒気や悪寒といった症状が現れます。
まずは3つの病気の大まかな違いを確認しておきましょう。

 

新型コロナウイルス感染症

インフルエンザ

風邪

発熱

37.5℃以上の熱が4日程度続く

38℃以上の高熱

37~38℃程度

主な症状

せき

のどの痛み

鼻づまり

倦怠感

嗅覚障害

味覚障害

せき

鼻水

のどの痛み

頭痛

関節痛

筋肉痛

倦怠感

鼻水

鼻づまり

くしゃみ

せき

のどの痛み

症状の現れ方

ゆるやかだが急激に重症化する

急激

比較的ゆるやか

潜伏期間

1~14日間

1~3日間

2~4日間

治癒までにかかる時間

1週間程度

1週間程度

4~5日

病原体

新型コロナウイルス

インフルエンザウイルス

200種類以上のさまざまなウイルス

検査方法

PCR検査

抗原検査

なし

新型コロナウイルス感染症は、変異株によっても特徴や症状に違いがあります。
オミクロン株は上気道(鼻から喉まで)に強い症状が出るのが特徴で、その中でも顕著なのが「強いのどの痛み」です。
また、腹痛や下痢を伴うこともあります。
その一方で「味覚障害」や「嗅覚障害」を訴える人はデルタ株に比べて減少しました。

インフルエンザは急激に症状が出やすく、38℃以上の高熱のほか、「関節痛」や「筋肉痛」といった全身の症状が現れやすいのが特徴です。

風邪は発熱や倦怠感とともに、「のどの痛み」「せき」「鼻水」といった症状が同程度かつ同時に出ます。
自宅療養をすることで2日~1週間程度で改善します。

以上のことから、新型コロナウイルス感染症を疑うポイントとしてあげられるのは次の項目です。

  • 37.5°C以上の発熱が数日間続く
  • のどの痛みが強い
  • せきやたんが出る
  • 鼻が詰まっていないにもかかわらずにおいを感じない
  • 食べ物の味が分かりづらい
  • 新型コロナウイルスに感染した人と接触した
  • 接触確認アプリに通知があった

ただし症状には個人差があり、これに当てはまらないケースもあります。
不安を感じたときはすみやかに医師に相談してください。

寒気に隠れた怖い病気腎盂腎炎

風邪やインフルエンザのほかに、悪寒の症状が出る代表的な病気についても知っておきましょう。
ここでは次の3つをご紹介します。

  • 食中毒
  • 腎盂腎炎(じんうじんえん)
  • 胆嚢炎(たんのうえん)

食中毒は、細菌やウイルスなどが付着した食べ物を口にすることによって引き起こされます。
食中毒の原因となる細菌やウイルスにはさまざまな種類があり、よく知られているものは「サルモネラ菌」や「ノロウイルス」です。
サルモネラ菌は特に高熱が出やすく、下痢や腹痛、嘔吐などのほかに強い悪寒を感じることで知られています。

サルモネラ菌は生卵や十分に火が通っていない食品から取り込まれることが多く、これまでには牛肉のタタキやレバ刺しが原因となるケースもありました。
熱に弱いため、調理する際にしっかりと火を通すことが大切です。

腎盂腎炎(じんうじんえん)は、腎臓内部にある尿がたまる部分(腎盂)で細菌が繁殖することで起こる病気です。
「38℃以上の高熱」や「強い悪寒」をはじめ、「背中や腰の痛み」「排尿時の痛み」「頻尿」「残尿感」「倦怠感」といった症状が現れます。
さらに細菌が全身へ広がると敗血症となり、急性腎不全や多臓器不全といった命に関わる病気を引き起こしかねません。
これを防ぐには早急に適切な治療を受ける必要があります。

胆嚢炎(たんのうえん)は、肝臓で作られている胆汁を溜めておくための胆嚢で炎症が起こる病気です。
胆嚢管の詰まりに加え、細菌感染や膵液の逆流が起こることで引き起こされます。
症状は上腹部の鈍い痛みや不快感に始まり、進行すると肋骨からみぞおちにかけて激しい痛みを伴うのが特徴です。
「このほか38℃以上の高熱」や「強い悪寒」「吐き気」「嘔吐」なども現れます。

このように寒気や悪寒が出る病気は多く、中には腎盂腎炎のように命を脅かしかねないものもあります。
強い悪寒がある場合は、ほかの症状も観察しつつすみやかに医師の診察を受けたほうがよいでしょう。

寒気がする病気の主な予防と対策

正しいマスクの装着方法と手洗いを意識して

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、風邪など悪寒を伴う場合がある感染症の予防には、「マスクを正しくつけること」と「手洗い」が重要です。

マスクをつけるときは、鼻やあご、ほほの部分にすき間ができないように顔にフィットさせることが大切です。
ひも部分を耳にかける前にまず、鼻の部分を合わせて鼻の凹凸にそって折り曲げると顔にフィットします。
顎の下まで覆うことも意識すべきですが、下に引っ張りすぎるとほほにすき間ができやすくなってしまうため、注意しておきましょう。

手洗いは外から帰ってきたときや調理の前後、食事をとる前などのタイミングでこまめに行ってください。
石けんを使って指先から手首、指の間までしっかりと洗うことで、手に付着している汚れやウイルスを落とすことができます。

また、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス対策には消毒用アルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール)が非常に効果的です。
外出先などで手洗いができないときは、消毒用アルコールを手指にまんべんなくすり込むことで、感染予防に効果を発揮します。
テーブルやドアノブ、電気のスイッチ、家電のリモコンなどを消毒用アルコールで拭くことも、接触感染を回避するのに有効です。

新型コロナ感染症が心配な時の対応フロー

「のどが痛い」「熱が出てきた」「寒気がする」など体調に異変を感じ、新型コロナウイルス感染症が疑われるときはまず、普段から受診しているかかりつけ医に電話で相談してください。
かかりつけ医にみてもらえる場合は、そのまま指示に従って診療や検査を受けます。

このとき、電話での連絡をせずに直接医療機関を受診することは控えるように厚生労働省からアナウンスされています。
感染拡大を防止する観点からも、まずは電話で連絡をしましょう。

かかりつけ医がない場合や休診日などで受診できない場合は、自分が住んでいる各自治体の相談ダイヤルに電話をします。
連絡先の電話番号は、各自治体の公式Webサイトで確認してください。
そのうえで新型コロナウイルス感染症の疑いがあり、受診が必要となった場合は、診療や検査が可能な医療機関の紹介を受けます。

PCR検査の結果、陽性だったときは症状や状況に応じて「自宅療養」「宿泊療養」「入院」などの対応をとることになります。
陰性だった場合(新型コロナウイルス感染症ではなく、別の病気だった場合)は、必要に応じてしかるべき医療機関を受診するか、もしくは自宅療養で様子をみましょう。

コロナ流行下で広がるオンライン診療

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、直接顔を合わせる必要のない「オンライン診療」が広がっています。
オンライン診療とは電話やスマホを使って医療機関に相談や受診ができるシステムで、診察手順は次の通りです。

  1. 受診したい医療機関(かかりつけ医や近くの医療機関)がオンライン診療を実施しているかどうかを確認する
  2. オンライン診療の予約をする(予約方法は医療機関によって異なり、電話の場合は保険証などの情報を伝える)
  3. 予約時に支払い方法の確認をする
  4. 診療時間になったら電話やスマホで医療機関からの着信を受ける
  5. 本人確認
  6. 診療と症状の説明
  7. 医師の判断に従う

オンライン診療は便利なシステムですが、必ず診断や薬の処方がされるとは限りません。
オンライン診療後、医療機関での受診をすすめられた場合は、必ず直接足を運んで診療を受けてください。

薬の処方を受け配送してもらう場合は、まず医療機関にどこの薬局で薬を受け取るかを伝えます。
そのうえで診療後に薬局へ連絡を入れ、薬を配送してもらってください。
場合によっては服薬指導のために来店を求められることもあります。

 

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