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疾患別に解説 アレルギーは予防できる?

[2022.12.15]

花粉症や食物アレルギー、気管支ぜん息などアレルギーは身近な病気です。
命に関わるケースは多くないとはいえ、つらい症状が出ることもあるため、できれば避けたいと考える方が多いでしょう。
特に小さなお子さんがいるご家庭では、アレルギーに気を遣っていらっしゃる方が多いはずです。

そこで今回は、アレルギーの基本情報や「アレルギー疾患は予防できるのか? その方法は?」など詳しく解説します。


目次

1.アレルギーの予防は研究途上。一方でわかってきたことも

2.そもそもアレルギーって?

3.アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎を予防する

4.食物アレルギーを予防する

5.アトピー性皮膚炎を予防する

6.気管支ぜん息を予防する

7.アレルギー疾患かな?と思ったら

 


 

アレルギーの予防は研究途上。一方でわかってきたことも

アレルギー疾患はそのメカニズム複雑で、現代の医学では予防についてわかっていないことも多くあります。
しかし、研究が進むなかで、スキンケアによるアトピー性皮膚炎の予防効果などわかってきたこともあります。

少なくとも、アレルギーを予防するためにはダニやカビ、ホコリなどのハウスダスト、花粉などのアレルギー疾患の原因物質となるアレルゲンを遠ざける生活環境づくりを行うことが望ましいと言えるでしょう。

また、妊娠〜乳幼児期の予防に関しては、科学的根拠のない知識が世間に広まっている一面もあります。
正しい知識を得る意識をもつことが、正しいアレルギー予防につながります。

そもそもアレルギーって?

アレルギーという言葉はほとんどの方が耳にしたり、話題にしたりしたことがあるでしょう。
しかし、具体的にどのようなものかご存知の方は少ないかもしれません。

アレルギーとは、人に備わっている免疫機能が過剰に反応し、全身や身体の一部にさまざまなアレルギー症状が出ることを意味しています。

アレルギーはI〜Ⅳ型の4パターンがあり、花粉症や食物アレルギーなど主なアレルギー疾患の多くがⅠ型アレルギーに分類されます。
このタイプでは、免疫物質であるIgE抗体が関係しています。
例えばハチ毒へのアレルギーを持つ方は、ハチに1度刺されたときに体内でハチ毒に対するIgE抗体が作られ、血液・皮膚・腸などに存在しているマスト細胞と結合します。
2回目にハチに刺されてハチ毒が体内に入り、IgE抗体と結合したマスト細胞に結合してしまうと、アレルギー症状を起こす物質が放出されて、アレルギー症状が出てしまうのです。

主なアレルギー疾患は5つ

主なアレルギー疾患は以下の5つです。

  • アレルギー性鼻炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 食物アレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • 気管支ぜん息

代表的なアレルギーの症状は、目のかゆみや鼻水、くしゃみ、涙目、発疹、皮膚のかゆみなどです。
しかし、同じアレルギーでも種類によって症状は異なりますし、人によって症状や度合いは大きく変わります。
重篤なアレルギー疾患の場合は、アナフィラキシーショックを起こして命の危険に晒される可能性もあります。

また、乳幼児期にアレルギー疾患を発症した人が、年齢を経て食物アレルギーや気管支ぜん息などを発症するといったケースもあります。
アレルギーになりやすい体質の人が、年齢を重ねるごとにさまざまなアレルギー疾患を発症することを、アレルギーマーチと呼びます。

アレルギー予防の基礎知識

花粉症の人もいれば、食物アレルギーの人もいるなど、アレルギーの要因はさまざまなものがあります。
同じアレルゲンに対するアレルギーでも、年齢差や個人差も大きいため、これといった予防法は定まっていません。

しかし近年は研究が進み、以下の予防法に効果が期待できることがわかってきました。

  • 保湿による皮膚炎リスクの低下:皮膚に症状が現れるアレルギーの場合、日常的に保湿を行うことで皮膚のバリア機能を正常に保つことができ、症状の発症を予防できる。
  • 最低限の食事制限による食物アレルギーリスクの低下:食物アレルギーで過度にアレルゲンとなる食物を除去すると、症状が悪化してしまうことが。反対に、少量のアレルゲンを摂取することで、症状を抑えられるという研究結果も。ただ、医師の指示のもとで行うことが重要。
  • 手洗いうがいによる感染症対策で気管支ぜん息の予防:ウイルス性の感染症に何度もかかってしまうと、気管支ぜん息の発症リスクが高まってしまう。手洗い・うがいで感染症対策をすることで発症を防げる。
  • ホコリ・ダニ・花粉の除去によるアレルギー性鼻炎のリスクの低下:ホコリやダニといったハウスダストや花粉は、アレルギー症状を引き起こす原因となる。掃除やこまめな換気、衣類・寝具などの洗濯を日頃から心がけ、アレルゲン物質を除去した生活環境を整えることが重要。

肌の状態は、アトピー性皮膚炎に限らずさまざまなアレルギー疾患に影響します。
アトピーなど皮膚炎リスクを下げるのはもちろんですが、皮膚のバリア機能が低下した状態で皮膚湿疹を放置すると、経皮感作(皮膚に付着したアレルゲンが反応して起こるアレルギー)によって、食物アレルギーが起きやすくなってしまうのです。

また、腸の状態がアレルギーの発症予防に影響することもわかってきました。
腸内で善玉菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)が優位な状態では、アレルギー反応が起きにくくなると考えられています。
乳酸菌やビフィズス菌の生菌や食物繊維を積極的に摂り、善玉菌を増やす食事を心がけることが大切です。
ただし、生菌が多く含まれる食品は乳製品で、牛乳アレルギーを発症する恐れがあります。
乳製品の摂りすぎには注意し、乳たんぱくを多く含まないものを選んだり、生菌のみを摂ったりといった工夫が必要です。

アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎を予防する

鼻・眼の粘膜から起こるアレルギー疾患

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜からアレルゲンが侵入することによって起こるアレルギー疾患です。
鼻水・鼻詰まり・くしゃみなどが主な症状になります。

アレルギー性結膜炎は、結膜を中心とした目の粘膜にアレルゲンが侵入することで起きるアレルギー疾患です。
目のかゆみや充血、異物感などが主な症状になります。

アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎は、大きくわけて季節性と通年性の2種類に区別されます。
花粉がアレルゲンとなる花粉症が季節性、ハウスダストなどが原因で一年を通して症状が出るのが通年性です。

アレルゲンを遠ざけ、発症を遅らせる

目と鼻は近いところにあり、花粉症などでは同時に症状が現れることも多いため、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎はまとめて予防するのが望ましいです。

予防のためには、とにかくアレルゲンを身体に入れないように意識しましょう。
花粉症なら花粉、通年性ならハウスダストをできるだけ遠ざけて生活することが、発症を遅らせるためには効果的です。

花粉症の場合は、花粉が飛散するシーズンの外出時の服装に注意しましょう。
メガネやマスクを着用して、鼻や目の粘膜から花粉が侵入するのを防ぎます。
また、ツルッとした素材の衣類を選び、花粉が体に付着しにくくすることも効果的です。
鼻や目の洗浄、鼻粘膜の保護や加湿、目の酷使を避けるなど、目鼻のケアも意識しましょう。

身の回りからアレルゲンを除去するために、生活環境を整備することも大切です。
花粉症と通年性のそれぞれで、できる対策を紹介します。

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の場合

  • シーズン中は窓を開けての換気を避ける
  • 洗濯物の外干しを避ける
  • エアコンのフィルターを頻繁に掃除する
    ※掃除する際は必ず取扱説明書を確認してください。
  • 飛散時期は拭き掃除をする
  • こまめに掃除機をかける
  • 床にカーペットやラグを敷かない
  • ファブリックのソファを避け、革や合成皮革のものを選ぶ

通年性アレルギー性鼻炎の場合

【ダニ対策】

  • 寝具やクッションをしっかり乾燥させる
  • 換気や除湿機の使用で湿度60%未満を維持する
  • 1畳あたり10秒を目安にゆっくり掃除機をかける
  • 丸洗いができる寝具やクッションを選ぶ

【カビ対策】

  • 浴室や台所は使用後もしばらく換気扇を回す
  • カビのエサになる石鹸成分や毛をこまめに取り除く
  • 履いた靴は収納する前に乾燥させる
  • カーペットやラグを敷かない
  • エアコンのフィルターをこまめに掃除する
  • 収納にはスノコを使う
  • 家具と壁の隙間を作る
  • 薄手のカーテンを選んで時々洗濯する

食物アレルギーを予防する

小さな子どもに多い食物アレルギー

食物アレルギーは、口にした食べ物がアレルゲンとなって、アレルギー症状を引き起こす疾患です。
アレルゲンとなる食べ物は人それぞれで多岐にわたりますが、牛乳や卵、小麦などが代表的です。
主な症状はじんましんや湿疹、下痢や咳などですが、重症の場合はアナフィラキシーショックを引き起こし、命に関わることもあります。

消化・吸収機能がまだ発達しきっていない小さな子どもが発症しやすい傾向があります。
アレルゲンを口にしてから60分以内に病院を受診する割合は、1歳までに半数を占め、乳児期はアトピー性皮膚炎と合併するケースもあります。

食物アレルギーの症状の中には食中毒などと間違いやすいものもあるため、医師の診断が必要です。

定まった予防法はない? 食物アレルギーにまつわる誤解も

食物アレルギーに関する研究は行われていますが、乳幼児の食物アレルギーを予防する確立した方法はありません。
インターネットなどで間違った情報が拡散されているため、間違った情報に振り回されないことが大切です。

妊娠中や授乳中に特定の食べ物を除去したり、摂取する時期を遅らせたりすることが予防につながるという説がありますが、科学的根拠はなく、発症リスクの低下にはつながりません。
また、完全母乳栄養が予防に効果的という説も、十分な根拠があるとはいえません。

食物アレルギーの症状を防ぐ代表的な方法は、アレルゲンとなる食品を食べない食事療法です。
アレルギー表示を元に判断できますが、量り売りや店頭販売などアレルギー表示がないものもあるので注意してください。
また、魚卵や大麦など表示対象外のものもあるため注意が必要です。

アレルゲンとなる食事を食べない食事療法は、発症予防に効果的ですが、アレルゲンを完全に除去することは逆効果となり、症状を悪化させる恐れがあると言われています。
少量のアレルゲンを食べることで少しずつ症状が緩和することが明らかになっていますが、摂取量のコントロールが難しいため、必ず医師の指導に従いましょう。

また、近年スキンケア不足が食物アレルギーの進行を促すこともわかっています。
皮膚のバリア機能が低下した状態で皮膚湿疹の改善が遅れると、皮膚に接触した食べ物からも発症してしまう場合があるのです。
保湿を行い、皮膚のバリア機能を高めておきましょう。

口腔アレルギー症候群に注意!

花粉症の人で特定の食物を食べたときに、口の中でかゆみやしびれなどの刺激を感じたり、喉が詰まるような違和感を感じたりすることがあるなら、口腔アレルギー症候群の可能性があります。

口腔アレルギー症候群は、りんごや桃、生野菜や豆乳などが、口の粘膜に触れることで症状が出る食物アレルギーです。
唇や舌にかゆみやしびれ、むくみを感じることもあります。

花粉症や他の食物アレルギーと同じくIgE抗体の働きが影響していて、花粉症との関係が指摘されています。
果物や生野菜のアレルゲンの構造と花粉症のアレルゲンの構造が似ているため、花粉症の方が果物や生野菜を食べたときに花粉症に対するIgE抗体が反応する交差反応が起き、口腔アレルギー症候群を発症するケースもあるようです。

アトピー性皮膚炎を予防する

肌にあらわれるアレルギー疾患

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が主な症状です。
改善と悪化を繰り返すことが多く、長期間にわたって症状が出るケースが多くみられます。

遺伝的傾向があると言われていて、家族にアレルギー疾患を持つ人がいるとかかりやすいと言われています。
また、本人に他のアレルギー疾患がある人や、IgE抗体が作られやすい体質の人もかかりやすい傾向にあるようです。
皮膚のバリア機能の低下で炎症が起きやすくなって肌の水分が失われやすいことから、乾燥肌の人に多いとも言われています。ただ、具体的な発症の仕組みは解明されていません。

アトピー性皮膚炎の主なアレルゲンは、食物や黄色ブドウ球菌、ダニ、真菌などが挙げられますが、ストレスなどが要因となることもあります。

乳幼児が発症するケースが多く、年齢を重ねるとともに症状が改善する場合が多いですが、完治は難しい病気です。
コントロールしながら寛解を維持することが、治療の目標とされます。

乳幼児のアトピー皮膚炎は、食物アレルギーや気管支ぜん息など別のアレルギー疾患を引き起こすこともあることがわかっています。

予防の第一はスキンケア。入浴後すぐの保湿がカギ

アトピー性皮膚炎を予防するためには、肌の保湿が重要です。
乳幼児期は特に保湿が大切だと言われており、正しい保湿をすることで発症リスクを30〜50%ほど抑えられるという研究もあります。

皮膚を清潔に保つことも重要で、しっかり石鹸を泡立てて全身を洗います。
関節や足の付け根などはしっかり伸ばして洗い、洗い残しがないようにしてください。
泡が残らないように洗い流し、入浴後5分以内に保湿薬を塗ります。
もし皮膚が乾いてしまったら、化粧水を使って皮膚に潤いを与えてから保湿薬を塗りましょう。
手のひらを使って皺を伸ばしながら全身に塗ります。

代表的な保湿薬は以下のとおりです。

  • 白色ワセリン
  • 尿素製剤
  • ヘパリン類似製剤

どの保湿薬も市販の製品があります。種類やテクスチャーは肌の状態に合わせて選ぶとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎になってしまったら?

アトピー性皮膚炎になった場合は病院を受診して治療を進めることになりますが、スキンケアは治療と同じくらい大切です。
肌を清潔にすることを意識し、しっかり保湿を続けましょう。

アレルゲンが明確な場合は、医師と相談しながらアレルゲンを避ける生活環境を整えます。
ハウスダストによるアレルギーならホコリやダニの除去などのハウスダスト対策、金属アレルギーなら金属のアクセサリーなどは避けましょう。
肌への摩擦や刺激のある衣類を避けることも大切です。

その他、以下の対策も行いましょう。

  • 日焼け対策:日焼け止めの塗布、日傘の使用、長袖やアームカバーなどの着用
  • 花粉症対策:花粉シーズンの窓空け換気や洗濯物の外干しを避ける、カーペットを使用しない、外出時にマスクやメガネを着用する
  • ストレス対策:趣味など自分なりのストレス発散方法を見つける、自分の症状が悪化する傾向を把握して早めの対処をする

ヨーグルトなどに含まれている乳酸菌などのプロバイオティクスを妊娠中から摂取すると、アトピーの症状をやわらげる効果があると言われています。
十分な根拠はありませんが、家族にアレルギー疾患がある人がいる場合は、摂取してみてもいいでしょう。

ステロイドは怖い?

アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の治療でよく登場するステロイド薬剤。
「ステロイド剤は副作用が心配」という声は根強くありますが、それは誤解によるものである可能性が多くあります。
実際、適切に使用すれば症状の改善に非常に有効ですし、花粉症の点鼻薬などのステロイド外用薬は副作用も起こりにくく安全性も検証されているため、過度に不安に思う必要はありません。

一方で、ステロイド剤は用量用法を守って使用しなければ十分な効果が出ず、使用量が増えたり使用期間が長くなったりすることもあります。
医師の指示通り要量・用法を守って正しく使うことが大切です。

気管支ぜん息を予防する

小児ぜん息と成人ぜん息がある

気管支ぜん息は気管支に炎症が起きるアレルギー疾患で、小児ぜん息と成人ぜん息にわけられます。
どちらも主な症状は咳や息苦しさです。ただ、重症の場合は軌道が塞がって窒息する可能性があり、命の危険性もあります。

小児ぜん息は遺伝的傾向があると言われていますが、家族にタバコを吸う人がいる場合も発症の可能性が高くなるとされています。
小児ぜん息を発症した患者の50〜60%は、肺が成長するにつれて症状が治ることが認められていて、ほぼ症状が見られない寛解の状態を目指すことも可能です。

成人ぜん息は小児ぜん息が寛解しなかったケースもありますが、ストレスや過労、空気汚染などの生活環境によって成人後に発症することもあります。

治療をしながら症状をコントロールすることが重要ですが、風邪やインフルエンザの感染、煙や臭いなどの刺激など体調や生活環境によって悪化することもあります。
ダニ、カビ、ペットの毛などのアレルゲンも、悪化要因として考えられるようです。

炎症が続いてしまうと、発作が治っても気道が狭くなって戻らなくなるリモデリングが起きる可能性があります。
リモデリングが起きると、さらに発作が起きやすくなってしまいます。

感染症予防と生活環境の整備が大切に

乳幼児期に何度もウイルス感染を起こしてしまうと、小児ぜん息を発症しやすくなることがわかっています。
手洗いやうがいなどを徹底し、感染予防を行いましょう。

また、抗菌薬を使用することで、アレルギー疾患を発症するリスクが高まることもわかっています。
風邪などのウイルス感染に抗菌薬は効果がありませんから、不要な抗菌薬の使用はしないようにしてください。

乳幼児期から幼児期は、食物からハウスダストなどにアレルゲンが変化すると言われています。
ダニ対策や空気清浄などを行い、生活環境を整備することも必要です。
アトピー性皮膚炎がある場合は、スキンケアを徹底して皮膚の炎症を抑えることを意識しましょう。
皮膚からのアレルゲン侵入を防ぐことで、ぜん息予防になる可能性があると言われています。

成人ぜん息について

ぜん息は子どもの病気と思われがちですが、前述したとおり成人も気管支ぜん息を発症することがあります。
成人ぜん息は小児ぜん息が再発するケースと、成人してから発症するケースにわかれます。

成人ぜん息はアレルギー性ではないことも少なくありません。
アレルゲンがあっても特定できない場合と、アレルゲンがない場合を見わけることが難しいとされていて、どういった状況でぜん息症状が出るのか見極める必要があります。

さまざまなものが要因となりうるため、普段の生活を振り返って、要因になりそうなものをできる限り避ける工夫が必要です。
ハウスダストやストレス、感染症、化粧品、香水、肥満、喫煙などが要因として考えられます。

アレルギー疾患かな?と思ったら

原因の特定のため、まずは診察を

せきやくしゃみが出たり、体にかゆみを感じたりして「アレルギーかな?」と思ったら、病院を受診して検査を行いましょう。
アレルギー疾患は症状や原因が多岐に渡るため、一般の人では病気の判断が非常に困難です。

非特異的IgE抗体検査という血液検査で、アレルギー体質かどうかを簡単に診断できます。
原因に検討がつく場合は特定のアレルギー検査を受けることも可能ですし、39項目のアレルギーを調べるView39と呼ばれる検査を受けることも可能です。

プリックテスト・スクラッチテスト・皮内テストなどの皮膚テストで診断が行われることもあります。

根本的な治癒を目指す新しい治療法も登場

アレルギーは完治が難しいとされ、対処療法的な治療が基本とされてきました。

しかし近年研究が進み、花粉症やアレルギー性皮膚炎に関しては皮下免疫療法や舌下免疫療法などの減感作療法という治療法も登場しています。
これらの治療法は根治が目指せる治療法です。

皮下免疫療法は、注射によってアレルゲンを体内に入れて治療します。
さまざまなアレルゲンに対応できるのがメリットですが、月に1〜数回通院し、数年にわたり注射を継続しけなければならないことがデメリットです。
また稀にぜん息やじんましん、アナフィラキシーショックといった全身反応が出る危険性もあります。

舌下免疫療法は、スギ花粉症とダニがアレルゲンの通年性アレルギーに対する治療法です。
1日1回アレルゲンを含んだ薬を舌の下に入れて、しばらくしてから飲み込みます。
初回以外は自宅で服用が可能なため通院頻度が多くありません。
また、皮下免疫療法と比べると全身反応のリスクが低いことがメリットです。
ただ、毎日薬を服用する必要があるため、面倒に感じてしまう方もいるかもしれません。

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