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BA.2.75「別名ケンタウルス・ケンタウロス」の、症状・感染力・重症化リスク・ワクチンの効果について

[2022.07.28]

 

目次

1.BA.5系統から置き換わる可能性のあるBA.2.75系統「ケンタウルス」とは?

2.BA.2.75の症状とは?

3.BA.2.75の感染力は?

4.BA.2.75の重症化リスクは?

5.BA.2.75のワクチンの効果は?

6.まとめ

7.参考文献

 

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BA.2.75系統「別名ケンタウルス・ケンタウロス」が新たに発見され、今後は現在流行しているBA.5系統に置き換わるのではとその動向に注目が集まっています。
そのBA.2.75系統について、現在の経過と状況についてまとめました。
現在推測できる範囲のBA.2.75系統の特徴、症状、感染力、重症化リスク、ワクチンの効果について説明していきます。

BA.5系統から置き換わる可能性のあるBA.2.75系統「ケンタウルス・ケンタウロス」とは?

新型コロナウィルス感染症は、そのウィルスが次々と変異をし、現在はオミクロン株のBA.5系統(以下BA.5)の感染が猛威をふるっています。
しかし、そんな中、BA.2.75系統(以下BA.2.75)の感染が6月にインドで新たに確認され、BA.5に置き換わる可能性があると世界中で注視されています。

BA.2.75は、BA.2系統から変異した75番目の亜種であるためにBA.2.75と呼ばれています。
その別名を「ケンタウルス・ケンタウロス」といいます。
ケンタウルス・ケンタウロスは、ギリシャ神話に出てくる半人半獣です。
BA.2.75は、過去の変異株と比べて変異した部分が大きいため、今までのBA.2系統とその特徴は大きく違うが、BA.5には似た部分を持っており、その半分は違い、半分は同じという特徴を合わせ持つことから、半人半獣のケンタウルス・ケンタウロスの姿を象徴しているとして名付けられました。

BA.2.75は、今年6月2日にインドで初めてその存在が確認されました。
その後もイギリス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどで続々と発見されています。
インドでは6月以降、ケンタウルスの割合が上昇しています。

BA.2.75ケンタウルス・ケンタウロスは、我が国ではまだごくわずかな感染例しかいませんが、兵庫県神戸市で40代の女性が6月24日に陽性確認され、その遺伝子をゲノム解析したところ、BA2.75に感染していたことが確認されました。
症状は軽症で、7月3日には自宅療養を終了していますが、この方は海外渡航歴がありませんでした。
ついで大阪では7月19日に2人の感染が確認されました。
東京では7月21日に50代と60代の2人の男性に感染が確認されました。
軽症で海外渡航歴はなく市中感染でした。

この状況から、第7派で広まっているBA.5は8月前半で感染のピークに達し、BA.2.75が感染の中心へすぐに置き換わるかもしれないという恐れがあります。

国際医療福祉大学成田病院 感染制御部 部長 松本哲哉医師は
「BA.2.75は、感染力、重症化リスクについてはまだ不明な部分が多いが、感染力が強いことは間違いがない。インドの拡大状況からするとBA.2.75は免疫逃避能力が高く、免疫の効果が効きにくいのでは」と述べています。

国立感染症研究所では
「疫学的な評価については、今後の各国での検出状況、感染者数や重症者数の推移を注視する必要がある」としています。

BA.2.75の症状とは?

現在、BA.2.75の症状は感染者数や、そのゲノム解析などの研究結果の症例が少ないために、まだはっきりと明らかになっていません。
そのため症状を明確にお伝えできないのが現状で、BA.2.75が、ほかのものよりも深刻な症状を引き起こすかどうかについては不明だとしています。

しかしBA.2.75の症状が別名ケンタウルス・ケンタウロスの名の通り、BA.5に似ていてその特徴も半々なのであれば、BA.5の症状の、発熱、倦怠感、ワクチン未接種では重症化の傾向になるという特徴を有する可能性があります。

このことから、全く違う性質を持ちながら、BA.5にも似ている部分を持つBA.2.75の症状は、発熱、倦怠感、ワクチン未接種で重症化する、という側面を持っている可能性があることを示唆しています。
また、まだわかっていない症状については、その実態が明らかになるまでは、一旦人との接触を避ける感染対策を取り、その動向に注意をする必要があると言えます。

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BA.2.75の感染力は?

国際医療福祉大学成田病院 感染制御部 部長 松本哲哉医師は
「BA.2.75は、感染力、重症化リスクについてはまだ不明な部分が多いが、感染力が強いことは間違いがない」と述べています。

ワクチンや感染で得られる免疫を逃れる恐れがありますが、BA.5の感染を超える広がりを見せるのかは不透明としながらも、新たな感染の拡大の波が起こる可能性があると指摘されています。

BA.2.75の重症化リスクは?

現在、BA.2.75の重症化のリスクについても感染者数や、そのゲノム解析などの研究結果の症例が少ないために、まだはっきりと明らかになっていません。

BA.5では重症化のリスクは上昇しているとはいえない、という状況でありましたが、BA.2.75のはっきりしない症状が今後明らかになることで、その重症化リスクも判明すると考えられます。
重症化リスクについても今後の動向を注視していく必要があります。

BA.2.75のワクチンの効果は?

国際医療福祉大学成田病院 感染制御部 部長 松本哲哉医師は
「インドの拡大状況からするとBA.2.75は免疫逃避能力が高く、免疫の効果が効きにくいのでは」と述べています。

これは、今までワクチンを接種して免疫能力を高めたにもかかわらず、BA.2.75のその免疫能力を回避する力が強いことにより、ワクチンを接種して獲得した免疫能力は働いていても、もしかしたらその能力を発揮する力が弱くなってしまうかもしれないということを言っています。

しかし、大阪公立大学大学院 城戸教授は
「オミクロン以降は弱毒化がすすんでいるので、若者にはメリハリのきいた感染対策が必要」として若者たちへの4回目のワクチン接種に疑問を呈しています。
また神戸で国内で初めて確認されたBA2.75についても「ワクチンによる重症化予防効果は期待できる」と述べています。

これらのことは、BA.2.75の免疫回避能力が高いことを挙げてはいるものの、ワクチンを接種していることによる効果はあり、重症化を防ぐには有効であると言っています。
ワクチンを打っても感染を防ぐ力は弱いかもしれないが、重症化することを予防する目的で接種するかしないかを考えることが、今後のワクチン接種の考え方の肝になりそうです。

まとめ

7月25日の全国の新規感染者数は12万6576人でした。
感染者の報告が比較的に少ない傾向となる月曜日としては、過去最多となりました。
また、東京都だけでも新規感染者数は18日と比べて、約1.8倍となる2万2387人でした。
こちらも月曜日としては過去最多となりました。

自宅療養者も25日には15万3125人となり、初めて15万人を超えることとなりました。
1万2294人だった1か月前の先月25日の約12倍にも増えています。
その影響により、自宅療養者への食料品配送は、食料を調達することが困難な人に限るという事態にまでなっています。

そんな中、第7派に広まっているBA.5は8月前半にピークに達し、すぐに置き換わったBA.2.75、別名ケンタウルスの感染に置き換わるかもしれない恐れがあります。

6月に初確認されたインドを中心に、欧米やオーストラリアなどで感染例が確認されています。
その後日本でも感染者が確認され、現在4人の感染が確認されています。
感染力や重症化リスクは未解明ですが、世界保健機関(WHO)は「懸念される変異株」として認定しています。

BA.2.75の感染力は強く、症状はBA.5に似てる可能性がある側面と、今までと全く違う症状が出現する可能性がある側面があります。

重症化リスクについては症例数や研究結果が追いついていないことから明らかになっていませんが、ワクチン接種による重症化を防ぐ効果は期待できます。

ワクチン接種をするかしないかは、発症の予防というよりは、重症化を防ぐ目的に接種するかしないかを決めることが考え方の肝と言えます。

感染が確認されて間もないBA.2.75、別名ケンタウルスの特徴は、感染力が強く、症状はBA.5に似ている可能性と、ワクチンの効果は、発症の予防ではなく重症化を予防する目的で接種することが肝になる、ということがわかりました。

このことから、今までよりもさらに早く感染が広がり、爆発的に広がる恐れがあるといえます。
その広がりを防ぐには、今一度ひとりひとりがソーシャルディスタンスや、3密の回避、黙食をするといった、感染の広がりを防ぐ対策を実施していくことが大切になりそうです。

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参考文献

1)新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株BA.2.75系統について 国立感染症研究所 2022年7月8日時点
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/11276-covid19-ba-2-75.html

2)世界の新型コロナウイルス変異株流行状況(7月20日更新)東京都健康安全研究センター
https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/

3)日テレnews 2022年7月26日午後4時半ごろ放送 news every. より
https://news.ntv.co.jp/category/society/97df9a520cb944e3afa123807e1c5f92

4)解説】「重症化少ないのは"ワクチン接種と弱毒化が原因」「若者への4回目接種は疑問」驚異の感染急拡大「オミクロンBA.5」2022年7月13日 12MBSテレビ「よんチャンTV」https://youtu.be/ArGPgN98VNM

5)オミクロン株「BA.2.75」国内で初確認…神戸の海外渡航歴ない女性が軽症 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220712-OYT1T50300/

6)オミクロン派生株「BA.2.75」国内で初確認 神戸の40代 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20220712/k00/00m/040/170000c

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