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豊胸・乳がん手術後 の乳がん検診…受けられる?受けられない?リスクと考え方を詳しく解説します。(医師監修)

[2023.02.26]

「乳がん」は、多くの女性にとって非常に身近な問題です。女性が患うがんのなかでもっとも多く、9人に1人以上の女性がこの病気を患います。そのため、非常に警戒すべきものだといえます。
そしてこの乳がんは、しばしば、女性の悩みを解決するための「豊胸手術」とも結び付けて語られます。

ここではこの「乳がん」と「豊胸手術」を取り上げて、

「乳がん」


・乳がんに悩まされる女性の割合と、その死亡率
・乳がん手術後の検診について
・乳がん検診の7つの方法

 

「豊胸手術」


豊胸手術や乳房再建術の種類とその特徴
・豊胸手術は乳がん検診に悪影響を与えるか
・豊胸手術を受けた後に乳がん検診を受けたい場合の注意点
・豊胸手術を受けた後に乳がん検診を受ける方法


について解説していきます。

 

目次

1.9人に1人の女性が乳がんに悩まされている

2.乳がん手術後の検診について

3.乳がん検診、7つの方法

4.豊胸手術・乳房再建術の種類とその特徴

5.脂肪注入によるものならばあまり問題がないことが多い

6.ヒアルロン酸注入は、状況によっては問題が起きる

7.インプラントによる豊胸手術にはリスクあり

8.豊胸手術をした後に乳がん検診を受けたい!そのときに知っておきたいこと

9.インプラントによる豊胸手術を受けた人が乳がん検診を受けるには?

10.参考文献

 

9人に1人の女性が乳がんに悩まされている

乳がんは、女性にとってもっとも身近ながんです。
女性の9人に1人は 乳がんになる時代であるとされていて、女性がかかるがんのなかでもっとも多いのがこの「乳がん」なのです。

 

9人に1人・・・あなたはどんな感想を持つでしょうか。
多いようにも思いますが、そんなに身近にも感じませんね。

ところが、自分の家族単位で考えると、だいぶ印象が異なります。

あなたが男女どちらであっても、お母さんから産まれます。もしこの記事を読むあなたが女性なら、同居や存命の有無は別として、2人の女性が家族にいることになります。

そうしたら、5人の女性が集まったら、お母さんも含めて10人、このうちに1人が乳がんにかかるということになります。今度はものすごく身近ですね。

そのうちの1人があなたであることも考えられるわけです。



乳がんは30歳ごろからその罹患リスクが上がりはじめ、40〜50歳でピークを迎えます。いわゆる「働き盛り」「ママ世代」の罹患リスクが高いことが、肺がんや大腸がんに比較したときの大きな特徴です。

このため、病気の治療のために仕事を辞めたり時短にしたりすると、治療費に加え、減収というダブルパンチに見舞われるので、経済的困窮を招きがちです。これが働いている女性を襲う乳がんという病気の特殊性のひとつであり、自分自身のためはもちろん、家族のためにもまめに検診を受けることが求められます。
国も「ピンクリボン運動」などを進めており、早期発見・早期治療を訴えています。


日本人の死亡原因の一位は男女ともに「悪性新生物(主にがん)」です。そして、女性においては、30歳〜64歳までの長い期間に渡り、乳がんによる死亡数が最大なのです。本当に怖いですね。

ただし、死亡数でなく、死亡率、つまり割合だけでみると、それほど高くはないのです。


それを如実に表すのが、厚生労働省が取った「死亡率」のデータです。
「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」では、部位別に見た悪性新生物の死亡率の割合でもっとも多いのは、女性の場合は「大腸がん」でした。2位には「肺がん」、3位には「すい臓がん」が入っており、乳がんは4位にとどまっています。


がんは、大きく4つのステージに分けられていますが、最初期であるⅠ期の段階で発見できた場合、5年生存率(相対生存率)は100パーセント、同じく10年生存率(相対生存率)も97.6パーセントと、予後は極めて良好です。
かなり進行が進んだⅢ期の段階であっても同じく5年生存率(相対生存率)は80.0パーセントを超えますし、10年生存率(相対生存率)も61.9パーセントに達します。

つまり乳がんは、たしかに厄介な病気ではあるものの、「早期発見することができれば、生き続けられる病気」だといえるのです。逆に、あまりにも多くの人がかかるので、進行して見つかった方を中心に、死亡数は最大となっているということなのです。

※相対生存率とは、「がんと判断された場合、治療によってどれくらいの命を救えるか」を計る指標。なおしばしば対比して語られる「実測生存率」とは、がん以外の死因も含めて計算した生存率のことをいう。今回は、「がんによる死亡」をピックアップするため、相対生存率の方で記した。

 

乳がん手術後の検診について

 このような特性を持つ乳がんにおいて何よりも重要なのは、「とにかく早期にがんを発見すること」です。そのために非常に役に立つのが「乳がん検診」です。
次の項目からは「乳がんの方法」について触れていきますが、まず大前提として知っておかなければならないことがあります。

それは、「一度乳がんになりそれを治療したからといって、安心はできない」ということです。

乳がんに限ったことではなくがん全般に言えることですが、これには常に再発・転移の危険性がつきまといます。
再発とは「治療をしても取り切られていなかったがんが再び出てきたり、治療によってちいさくなったりしたがんが、再び出てくること」をいいます。そして「転移」とは、もともとがんがあった部位からがん細胞が血液などに乗ってほかの場所に運ばれ、そこの細胞で増殖することをいいます。

再発・転移のリスクを0パーセントにすることはできません。
このため、一度乳がんを治療したとしても、定期的に乳がん検診を受け続ける必要があります。特に気を付けるべき時期は手術後2~3年後だといわれていますが、20年近く経ってから再発・転移が見られることもあります。

また、実は、がんが発生しなかった側の乳房も、「乳がんを発生した人の乳腺組織」なので、しっかりとチェックすべきということになります。


ですから、「一度治したから安心」とは考えず、定期的に検診を受けるようにしてください。

 

 

 

乳がん検診、7つの方法

乳がん検診の重要性について伝えたところで、ここからは「それでは乳がん検診の種類にはどのようなものがあるのか」「それぞれの種類のメリットとデメリット」について解説していきます。

1.セルフチェック
2.医師による触診及び視診
3.マンモグラフィ検査
4.エコー検査
5.放射線や電波などを利用した検査
6.腫瘍マーカー検査
7.病理学的検査(生検)

それぞれ解説していきます。

 

1.セルフチェック

あらゆる検査に先駆けてまず行いたいのが、「セルフチェック」です。
がんのなかには自分で調べることのできないものもありますが、乳がんの場合はセルフチェックも有用です。

これは、自分の目で
・乳房の形が変わっていたり、左右のアンバランスがないか
・乳房を押したときにしこりがないか
・へこみやひきつれ、ただれなどの異常がないか
・出血などが見られないか
を確認するものです。

いつも触れている、いつも見ている、ことはとても大切です。いつも関心を持つことによって、微妙な変化に気づきやすいことです。この重要性は最近「ブレスト・アウェアネス(乳房を意識すること)」として、学会などでも呼びかけられています。

 

ただしその信頼度は、検診や、病院での受診に比べれば落ちます。そのためセルフチェックは、「異常があれば病院に行き、異常がなくても気がかりなことがあれば病院に行く」と考えて行うとよいでしょう。

 

2.医師による触診及び視診

セルフチェックでも乳房の異常などを確認することができますが、医師にしてもらえばより安心です。経験豊富な医師ならば、セルフチェックでは気づけなかった異常にも気づけるかもしれません。

ただし、しこりがある場合の触診や、凹みやアンバランスがないかの視診は、重要ですが、検診においては、がん発見率の向上にはつながらなかったとして廃止されています。

 

3.マンモグラフィ検査

乳がんの検査のなかでもっともよく知られている検査方法なのが「マンモグラフィ検査」です。エックス線を用いて検査をしていくものです。

がんはマンモグラフィにおいて一般的に白っぽく写り、脂肪は黒っぽく写るので、脂肪の中に浮かび上がって見えます。

 

また、がんは頻繁に、微細石灰化という特徴的な石灰化を生じますが、これを見つけるのが得意な検査です。

 

このような特長により、マンモグラフィ検査は、乳がんを発見するために一番用いられています。

 

ただし、このマンモグラフィでは、乳腺も白く写りますから、乳腺の量が多ければ多いほど、同じく白いがんはみつかりにくくなります。閉経前の日本人女性の多くは、乳腺の量が多い「高濃度乳房」ですので、見つかる確率が低くなります。乳腺の量によってがんの見つかりにくさはかわりますから一概に言えませんが、大雑把にいって半分ぐらいの検出能になります。

 

注意すべきは、「高濃度乳房」だから見つかりにくい、といったようなONとOFFの関係ではなくて、乳房の濃度が濃ければ濃いほど見つかりにくい、という連続的な意味合いだということです。キリが濃いと、遠くが見えにくくなるのと同じに考えてください。

また、乳房を板で挟み込んで行う検査であるため、例外なく強い圧迫感を感じます。多くの人は「私はそんなには痛くなかった」「痛かったけれどなんとかなった」という感想を持つので、一般的はそれほど心配することはありません。

 

しかし多くの方が大丈夫である一方で、激痛を感じたり、意識が遠のく人もいらっしゃいます。これは、生理のたびにもともと乳房が痛い人や、自分では知らないけれど乳腺症が存在する人、あるいは多発嚢胞がある人などがいらっしゃるからです。これがマンモグラフィに対する印象が人によって異なる理由です。

 

もしあなたが、激痛を感じたとしたら、それは「あなたの感受性が高いから」とか、「すぐになんでも不満をいう人だから」ということではないのです。乳房内に炎症か、それに近い病気がもともとあって、だから圧迫されると激痛になるのです。顔にできるニキビだったら痛いことは誰から見ても分かりますが、乳房のなかの炎症は外見からはわかりません。つらい思いの人がいるという理解が女性同士において必要と言われる所以(ゆえん)です。ですから、痛すぎる場合は無理をすることはありませんし、無理強いすることも適切ではありません。

 

また、エコー検査とは異なり、わずかではありますが被ばくの危険があります。

トモシンセシスあるいは3Dマンモと呼ばれるあたらしいマンモグラフィは、角度を変えてステレオで撮影します。撮影回数が増えるぶんだけ被曝量もそれだけ増えるのですが、深さ方向の情報が得られるため、診断に有用な情報が増えます。このため導入している施設が増えてきました。

ただし、「きわめて高濃度」の乳房の場合には、(真っ白の霧になったらどちらからみても何も見えないのと同じ理屈で)検出能は向上しないことに注意が必要です。

 

4.エコー検査

そのほかによく知られている検査方法として、「乳房エコー検査」があります。

「乳房超音波検査」とも呼ばれるもので、文字通り超音波を使って胸の状態を見ていきます。エックス線などを利用しない検査のため妊娠中の人でも受けられるというメリットもあります。

なおエコー検査は基本的には痛みが少ない検査ではありますが、器具を胸に押し付けるため、胸部の脂肪が少ない人は痛みを感じる場合があります。また検査を担当する人の力量によって、検査の精度が変わるというデメリットがあります。

最近は、ABUS(えいばす)といって、自動的に機械がスキャンしてくれる装置もでましたが、全体としての導入はあまり多くありません。上手に使うことで、検診に役立つとされています。

 

さらに最近は、ごく一部ですが、リングエコーと呼ばれる装置で検査できると謳うものがでてきました。この装置による診断成績はまだ不明な点も多い上、リングエコーの中に入る部分の乳房しかスキャンできない(胸壁に近い胸の奥は写すことができない)という欠点があります。ですから、異常がないとされた場合も、胸の奥のところに病変がないか、注意を払うことが必要ですが、その有効な対策はまだ見つかっていません。

 

普通のエコー(超音波検査)は、検診よりも、むしろ精密検査(精査)に向いていると言われます。つまり、病変が疑われたときに、そこを詳しく調べることが得意なのです。全体を見回す検診に用いることもできるのですが、全体に注意を向けて詳しく調べ上げるという仕事を何人もの受診者に行うのは、人間が行う作業としてはすこし難しいのです。たとえば、「虫眼鏡は小さなものをよく見ることができますが、これで机の上全体をよく調べてと言われたら疲れる」といった例えがわかりやすいでしょう。

 

5.放射線や電波などを利用した検査

「自分は寝そべった状態で、大きな円状の機械をくぐって行う検査」を、ドラマなどで見たことのある人は多いのではないでしょうか。また自分自身でこの検査を受けた人もいるかもしれません。
これは、CT検査です。一般に、このCT検査は、造影剤を使い、癌が見つかった場合に詳しく調べるために行われます。検診では行われません。

 

そのほかに、マンモPET検査があります。これはFDGという微量の放射線を出すブドウ糖を注射して行う検査です。検出能はかなり良いとされています。

 

一方で、通常の全身PET検査(10万円以上することが多い)に加えるオプション検査ですので、合計で20万円程度かかることが多く、庶民的な価格とは言い難いです。またマンモPET自体は高精度なのですが、リングエコーと同じように、乳房を垂らしこんだ部分のみ検査できるので、胸の奥側(胸壁付近)約15%は映らないという欠点があります(死角に相当するこの部分は、精度はやや低いですが全身のPETでカバーするという設計です)。PET検査の被曝は、全身平均で3mSv(ミリシーベルト)程度です。これは微量ですから、気にすることはないと言えます。

 

ただし局所臓器などで多く被曝する部分もあり、大雑把にいって、脳に3倍、心臓に6倍、また膀胱は10倍程度の被曝をしますから、その点を了解して検査を受ける必要があります。膀胱に被曝がとくに多いのは、放射性同位元素が腎臓で濾(こ)されて尿管から膀胱に排出されるからです。

 

MRI検査には、造影MRI検査と、造影剤を使わないMRI検査があります。造影MRIは、以前から手術の前などに用いられ、がんの広がりを見るのに使用されてきました。欧米では、この造影MRIを検診に使おうという試みがなされていて、とても良い検出能が得られています。一方で、造影剤はアレルギーの人(たとえば喘息の人)には使えませんし、造影剤でショックになる人もまれにいらっしゃいます。また害については分かっていませんが、造影剤で使われているガドリニウム(Gd)造影剤が微量ながら体内に沈着します。またこの大部分は尿から排泄されて環境を汚染します。このような問題があるため、国内では広がりを見せていません。

 

造影剤を使わないMRIは、最近までは検診に用いられてきませんでした。最近では無痛MRI乳がん検診(ドゥイブス・サーチ)という名前で行われています。痛みがなく、また肌を見せなくても良い(検査着に着替えますが着衣のまま検査出来る)ので、良好な診断もあり、広がりを見せています。MRIは、マンモグラフィやリングエコー、マンモPETが抱える死角(映らない部分があるという)問題が全くないという優れた特長があります。

 

6.腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査とは、「体の中の成分を調べて、何かの物質が突出して多くないかどうかを調べる検査」です。
体のどこかに腫瘍ができた場合、私たちの血液のなかには「普段ならばそれほど認められない物質」が増えたり見つかったりすることになります。

 

血液検査などを行うことでこの「普段ならばそれほど存在しないはずの物質」を確認し、それによって腫瘍ができていることを把握できるようになるのです。

採血に伴うちょっとした痛みはあるものの、被ばくの危険性がなく、技師の力量も問われないのがメリットです。「がんであるかどうか」を判断する検査として使われる一方、「がんの治療効果はどんなものか」などを確かめることもできるため、非常に汎用性の高い検査です。
もっともこの腫瘍マーカー検査の場合、「数値が高くても実際には腫瘍がなかった」「腫瘍はあったが、良性だった」「ごく初期状態のがんには反応がでにくい」といったデメリットもあります。また、検査の結果異常が認められても、それがその場所の異常なのかわからないので、場所を探す必要がでます。

 

7.病理学的検査(生検)

エコー検査・マンモグラフィ検査やCT検査などのように、がんの検査のなかには「がんの疑いがあるかどうか」「がんの疑いがあるとすれば、それはどこか」を調べることを目的としたものも多くあります。
しかし最後に取り上げる「病理学的検査」は、「できた腫瘍の性質を把握し、がんであることを『確定』させる検査である」という特性を持っています。



エコーやマンモグラフィを頼りに、針で病変を狙って組織を取り(生検)、これを染色して、顕微鏡で除いてがんがあるかどうかを確かめます。最近ではサブタイプといって、乳癌の組織のタイプを検討することで、治療方針も決めます。

このように、乳がん(がん)の検査方法には数多くの種類があります。いずれの場合でも検診を受けることで早期発見ができるため、積極的に活用すべきです。



しかし特定の手術を受けていると、乳がん検診を受ける際に支障が出ることがあります。
それが「豊胸手術・乳房再建術」です。 

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(無痛のMRI乳がん検診ができます)
 

 

豊胸手術・乳房再建術の種類とその特徴

豊胸手術・乳房再建術が乳がん検診に支障をきたす場合もあることを説明するためには、まずは「豊胸手術・乳房再建術とは何か」「豊胸手術・乳房再建術の種類」について知らなければなりません。



豊胸手術とは文字通り胸を豊かにするためのものであり、美容外科の管轄のうちのひとつです。両側に行います。
対して乳房再建術とは、乳がんなどで胸を失った人がそれを補うために行うものだといえます。通常は片側のみに行います。

 

豊胸手術は保険適用外の手術であるのに対して、乳房再建術(の一部)は保険適用内での手術となるという違いはありますが、両方とも行う手術自体は共通している部分が多いため、ここでは「豊胸手術・乳房再建術」としてまとめて解説していきます。


豊胸手術・乳房再建術には、主に以下の3つの種類があります。


1.インプラントによるもの
2.ヒアルロン酸注入によるもの
3.脂肪注入によるもの
※このほかにも生理食塩水を使った施術がありますが、2023年現在ではこの方法はそれほど積極的には使われていません。そのため、本稿では除外します。

 

1,.インプラントによるもの

シリコン製のバッグを挿入して行う方法を、「インプラント豊胸手術」「シリコンバック豊胸手術」「バッグ式豊胸手術」といいます。
一気に数サイズもバストアップさせられるのが大きな魅力であり、一度施術するだけで半永久的な効果が得られるのもメリットです。


ただインプラントを使う方法の場合は、触ったときの感覚に違和感が出る場合もあります。インプラントには血が通わないので冷たく感じます。また、まれにバッグの周りが硬くなってしまう可能性があります。後で詳しく解説しますが、この方法を選択した場合、乳がん検診の方法に制限が出てしまうのも大きなマイナス点です。


ちなみに、乳房再建術において保険適用となるのは、このインプラントによる手術です。

 

2.ヒアルロン酸注入によるもの

人間の体に元々存在する「ヒアルロン酸」という成分を、バストに注射していくことでバストサイズアップを図るものです。
いわゆる「プチ整形」の一つに分類されるものであり、非常に手軽に受けられるのが魅力です。ダウンタイム(腫れや痛み、赤みなどが出る時間)が極めて短く、すぐに日常生活に戻れるのもメリットです。


ただしヒアルロン酸注入による豊胸手術の場合、永続性はありません。打ち込んだヒアルロン酸が吸収されてしまえば、バストサイズも元に戻ってしまいます。
また、この方法による豊胸の場合は、多くても2カップ程度のバストサイズアップにとどまります。

 

3.脂肪注入によるもの

腹部や太ももに存在する自分の脂肪を吸い取って、その脂肪を胸に入れる方法を「脂肪注入(による豊胸手術)」といいます。
自分の体から取った脂肪を使って行うため、アレルギーや副作用が起きる危険性が極めて少ないのがメリットです。また、「細くしたい部分を細くし、ボリュームアップしたい部分をボリュームアップさせる」というトータルでのカスタマイズが可能なのも大きな魅力です。


ただしこの方法の場合は、ほかの2つに比べて非常に高額です。またダウンタイムも長くなりがちです。加えて、一度に入れられる脂肪の量には制限があるという難しさや、入れた脂肪が生着せず壊死したり、石灰化を生じてしまう場合もあります。

 

上記を踏まえたうえで、「豊胸手術・乳房再建術と乳がん検診」について解説していきます。

 脂肪注入によるものならばあまり問題がないことが多い

上でも軽く説明しましたが、豊胸手術・乳房再建術のうち、乳がん検診にもっとも強い影響を与えるのは「インプラントによる豊胸手術」です。
「脂肪注入によるもの」は、乳がん検診に与える影響は少し少なめです。

脂肪注入はそもそも自分の胸にある脂肪を使って行う豊胸手術です。しかし脂肪注入によってしこりができやすくなる点には注意が必要です。また前述したように、壊死したり石灰化を生じたりすると、固くなったり、画像に影響が出る場合もあります。

ヒアルロン酸注入は、状況によっては問題が起きる

ヒアルロン酸は柔らかく、これを注入することによる豊胸手術を受けても、乳がん検診には大きな影響はないと考えられています。


ただし、「高濃度乳房(デンスブレスト)」と呼ばれる乳房の状態にある人の場合は、一部制限が出る可能性があります。
私たちの胸は、「乳腺組織」「脂肪組織」「皮膚」「血管」などによって構成されているのですが、このなかで、乳腺組織が多い人の場合はなかなか正確に病変を見つけることができません。

 

なぜならマンモグラフィなどで撮影した場合、乳腺組織はしこりと同じように白く写ってしまうからです。そのため、白い部分が乳腺組織なのか、それともしこりなのかを判断することが非常に難しくなってしまうのです。


ヒアルロン酸注入を受けた場合、注入されたヒアルロン酸がさらに乳腺を押し上げます。その結果、高濃度乳房の状態にある人はさらにマンモグラフィでの検査が難しくなってしまうというデメリットがあります。


インプラントによる豊胸手術にはリスクあり

ここからは、「豊胸手術・乳房再建術のなかで、もっとも乳がん検診に強い影響を与えるインプラントによる手術」について取り上げていきましょう。


インプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けた場合、マンモグラフィでの乳がん検診を受けられなくなる可能性が極めて高いといえます。
すでに述べた通り、マンモグラフィ検査は胸を押しつぶすようにして挟み込み、検査していく方法です。そのため、インプラントの破損のリスクを避けることができないのです。



このようなことから、多くの病院においては「インプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けた人のマンモグラフィ検診は受け付けていない」としています。

 

もちろん、「インプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けた場合は、どのような乳がん検診であっても受けることができない」というわけではありません。


たとえばエコーを使った乳がん検診ならば、インプラントが入っていても受けることができるとしている病院は多く見られます。このため、インプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けたからといって、乳がん検診そのものをあきらめる必要はありません。
ただしほかの方法に比べて、リスクが高くなる手術であることは念頭に置いておく必要があるでしょう。

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豊胸手術をした後に乳がん検診を受けたい!そのときに知っておきたいこと

上記を踏まえたうえで、「豊胸手術をした後に乳がん検診を受けたいと考えている人が、事前に知っておくべき点と注意点」について解説していきます。

知っておくべき点と注意点は、主に以下の3つです。


1.「豊胸手術を受けたことがばれたらいや」という理由で、乳がん検診を受けないでいることは危険
2.必ず事前に豊胸手術を受けたことを医師に告げる
3.豊胸手術をした人でも、乳がん検診を受けられる方法はある
一つずつ解説していきます。

 

1.「豊胸手術を受けたことがばれたらいや」という理由で、乳がん検診を受けないでいることは危険

すでに述べた通り、乳がんは早期発見と早期治療をすれば、予後は極めて良い病気です。Ⅰ期に発見できた場合、5年生存率(相対生存率)はほぼ100パーセントです。

 

このような好成績のものは、乳がんと甲状腺、前立腺をおいてほかにはありません。また、Ⅲ期まで進んでしまった場合も、5年生存率(相対生存率)は80.0パーセント、10年生存率(相対生存率)も61.9パーセントです。


しかしⅣ期まで進んでしまった場合、5年生存率(相対生存率)は大きく下がり、40.0パーセントにまで下降します。10年生存率(相対生存率)にいたっては18.3パーセントと、大きく下落するのです。


「豊胸手術を受けたことがばれたら嫌だから、乳がん検診を受けたくない」と、検診を先延ばしにするのは危険です。
もっとも理想的なのは、立場に関わらず、1年に1回程度の健康診断を受けることです。

2.必ず事前に豊胸手術を受けたことを医師に告げる

豊胸手術を受けた人が乳がん検診を受けたいと考えた場合、必ず事前に医師にそれを申告しましょう。
インプラント挿入による豊胸手術・乳房再建術を受けた人の場合は、特定の乳がん検診の方法しか使えないことがあるからです。また、ヒアルロン酸注入による豊胸手術でも、制限が出ることもあります。

事前にこれを受けたことを告げておけば、それに適した乳がん検診の方法を提案してもらうことができます。また仮に「うちの病院では乳がん検診を行うことはできません」とされた場合でも、ほかの病院を探すことができます。

なお、「実際にはインプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けているが、それを告知しないで乳がん検診を受けた」という場合は、インプラント破損のリスクが高くなります。インプラントが破損した場合、胸の形が変形したり、中身によっては健康に悪影響があったりすることもあります。
このような危険性を避けるためにも、必ず事前に自己申告を行うようにしてください。

 

3.豊胸手術をした人でも、乳がん検診を受けられる方法はある

すでに述べた通り、一部の豊胸手術を受けた場合、たしかに乳がん検診に制限がかかることになります。
しかし「豊胸手術を受けた場合は、乳がん検診を二度と受けることができない」というわけではありません。


適切な方法を選べば、豊胸手術を受けた後にも乳がん検診を受けることは可能です。

最後に、「インプラント挿入後に乳がん検診を受けるためのポイント」を紹介していきます。

 

インプラントによる豊胸手術を受けた人が乳がん検診を受けるには?

 インプラントによる豊胸手術・乳房再建術を受けた人が乳がん検診を受ける場合は、具体的にどうすればよいのでしょうか。
本稿の最後では、この疑問に答えていくこととします。

豊胸手術を受けた病院で相談してみる

豊胸手術・乳房再建術を受けた後に乳がん検診を受けたいと考えた場合、まずは「豊胸手術・乳房再建術を受けた病院で相談してみること」が第一の選択肢となります。

豊胸手術・乳房再建術は、いずれの場合であっても、「医療」の管轄です。無資格でも運営できるエステサロンによる美容術とは異なります。そのため、豊胸手術・乳房再建術を行う施設はすべて(名称は各病院によって異なりますが)「病院」です。

 

医師免許を持つ医師が在籍しており、看護師資格を持つ看護師が在籍しています。アフターフォローの一環として、「豊胸手術・乳房再建術を受けた人の乳がん検診」を行っている病院も非常に多いため、まずはここに相談するようにしてください。もともと豊胸手術・乳房再建術を行った病院ならばそのカルテも持っていますし、受ける側としても「豊胸手術を受けたことを、またほかの人に言わなければならない」というプレッシャーを感じずに済みます。


豊胸手術・乳房再建術を行っている病院の乳がん検診は、当然それらを受けた人の検診に慣れていますし、経験数も豊富であることが多く、信頼がおけるでしょう。

豊胸手術にも対応できる検査方法を選ぶ

豊胸手術・乳房再建術を行った場合、それを行った病院に相談するのが第一の選択肢となることはすでに述べた通りです。

ただ、「豊胸手術・乳房再建術を受けたときには北海道に住んでいたが、現在は沖縄に住んでいる」「豊胸手術・乳房再建術を受けた病院は、すでに廃業している」「相談したが、対応していないと言われた」「対応はしているが、痛みの強い検査しかしていないようで不安……」というケースもあるでしょう。

そのような場合は、豊胸手術・乳房再建術でも対応できる検査を実施しているところに掛け合ってください。

たとえばドゥイブス・サーチが行っている「無痛MRI乳がん検診」は、豊胸手術・乳房再建術を受けた人でも安心して受けられる乳がん検診として知られています。
胸を押しつぶすこともなく、胸を圧迫することもないので、インプラント破損の危険性もありません。痛みに配慮した検査であるため、ストレスも少ないことでしょう。

 無痛MRI乳がん検診の検査方法 

 

また、ヒアルロン酸注入による豊胸手術のときにしばしば問題になる高濃度乳房であっても、この方法ならばしっかりと検査できます。
死角がなく精度も高いため、がんの発見率も非常に高く、早期発見・早期治療に寄与できます。放射線を使用しない検査であるため、被ばくのおそれもありません。

全国41箇所、さまざまな病院で取り入れられている検査ですから、「近くの病院で検査を受ける」ということも可能です。費用も分かりやすく、20,000円前後で受けられます。


乳がんは、女性にとって非常に身近な病気です。早期発見と早期治療に取り組むために、こまめに検診を受けましょう。

 

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(無痛のMRI乳がん検診ができます)

 

参考文献


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https://www.mammaria.jp/follow/

SHIMADZU「乳がんを知ろう」
https://www.shimadzu.co.jp/pinkribbon/learn/index.html

厚生労働省「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf

国立がん研究センター「全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について
5年生存率、10年生存率データ更新
グラフデータベースKapWeb更新」内「別紙表1 全がん協部位別臨床病気別5年生存率」及び「別紙表2 全がん協部位別臨床病気別10年生存率」
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