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休職とは|欠勤との違い、種類、手続き、利用できる制度を解説

[2022.11.17]

休職とは、病気やけが、またはそれ以外の理由で、勤務が困難な場合に、雇用関係を維持したまま、仕事を一定期間休む事です。

ストレス社会である近年、うつ病などの精神疾患を理由とした休職が増加しています。
また、新型コロナの流行で増加したテレワークで孤独感が増したり、不安定な社会情勢なども心身へ大きな影響を及ぼしています。

様々な事情で勤務にあたる事が難しくなった場合、「休職」をして整える場面も増えてきています。

この記事では「休職」とはどのような制度なのか、また欠勤や休業とはどう違うのか、休職中の給与や手当などの経済面についても解説します。

 

 

目次

1.休職とは

2.休職の種類5つ

3.休職の手続きと流れ

4.休職中の給与や手当は就業規則を確認

5.休職で利用できる手当の種類や条件

6.休職でよくある質問

1.休職とは「本人の都合で、会社から許可を得て、長期に渡り労働を免除してもらう制度」

休職とは「本人の都合で、会社から許可を得て、長期に渡り労働を免除してもらう制度」の事です。
労働基準法に定められた制度ではないので、所属する会社によって、休職期間や条件などは異なります。

ここでは、「休職」と「欠勤」、「休業」の違いを解説します。

休職と欠勤との違い

「欠勤」とは、出勤の義務がある日に、自分の都合で勤務に従事しない事です。
「休職」と「欠勤」は、本人の都合で勤務を休むという点で同じです。

「欠勤」では、「労働の義務が免除されない」という点が「休職」と異なっています。

欠勤した日の賃金は支払われない事が多く、よくあるケースとしては、有給休暇が無くなった場合に「欠勤」とし、欠勤が一定期間継続した場合に「休職」となる企業が多く見受けられます。

休職と休業との違い

「休業」とは、会社の都合で勤務が休みになる点、法律に従って休むという点が「休職」と異なります。
「休業」の場合には、法に基づき支給される給付金や補償があります。

「休業」の例
・災害により会社が操業不可能な状況での休業
・経営難など、会社都合による休業
・育児や介護による休業
・労働災害によるけが、病気のための休業

2.休職の種類5つ

休職にも様々な種類があります。ここでは主な休職の種類5つを解説します。

・傷病休職(私傷病休職)
・事故欠勤休職
・調整休職(出向休職、組合従属休職など)
・起訴休職
・自己都合休職

傷病休職(私傷病休職)

病床休職は、業務中や通勤中に発生する「労働災害」とは異なる病気や怪我をした際に適用される休職です。
私的な理由によるため、私傷病休職と呼ばれる場合もあります。

事故欠勤休職

事故欠勤休職とは、傷病以外の自己都合による休職になります。
事故と名称に付いていますが、該当する休職事由は「何らかの容疑にかけられ逮捕・勾留された場合」になります。

実際に交通事故などにあって欠勤となる場合は、勤務中の事故であれば「労災扱い」、個人の時間に起こった事故であれば傷病休職という扱いになります。

調整休職(出向休職、組合従属休職など)

他の制度との調整をするため、所属元を一時的に休む事を指します。

・出向休職:グループ企業や関連企業に出向した際、元々所属している企業側では休職扱いにする休職の事。
・組合従属休職:労働組合業務のために取得する休業の事。

起訴休職

起訴休職とは、刑事事件で起訴された際に勤務にあたれないので休みとなる休職の事です。
起訴休職は一定期間もしくは判決確定までとなります。

起訴された本人の問題による休職なので「自己都合休職」に含まれますが、起訴休職と判断するのは企業サイドからとなります。

自己都合休職

自己都合休職とは、ボランティア活動への参加などを理由にする休職の事です。

・社会福祉施設でのボランティア活動
・災害復興支援活動
といった、社会貢献や地域支援などの奉仕活動も含まれています。

自己都合休職を認めるているかどうかは、企業の社内規定を確認しましょう。

3.休職の手続きと流れ

休職の手続きや流れはどのようになっているのか、ここでは解説します。
企業によって休職の際の必要な手続きは異なるので、所属する企業ではどうなっているのか確認をしましょう。

基本の流れは、
休職の申し出→必要書類の提出・休職時の条件確認→休職→復職の判断
となります。

休職の申し出

休職したい本人から直属の上司や人事担当に相談して休職を申し出る場合と、相談は無しで欠勤が何日にも渡った後に休職を申し出る等、様々なパターンがあります。
いずれにせよ就業規則に沿って申し出、対応をする必要があります。

必要書類の提出

病気やけがで休職する際は、医師の診断書の提出を求められる事が多くみられます。
また、企業によって所定の休業申請書がある場合は、必要事項を記入して提出をしましょう。

休職時の条件を確認する

休職中の給与やボーナスの扱いに関して、就業規則を確認しておきましょう。
休職期間中の支給に関する条件の確認と併せて、何らかの手当があるのか等も忘れずに確認を。

休職する・休職期間中の連絡

休職に入った際も、その期間中の連絡の頻度や方法はどのようにするか決めておきます。

休職事由により、頻繁な連絡が休職者の負担となる事もあるので、適切な頻度をすり合わせる必要があります。
孤立化しない・させない、復帰が可能かどうかの様子を知るためにも、休職期間中の連絡は重要です。

復職の判断

休職期間が終了したら、復職が可能かどうかの判断を行います。

病気やけがの場合は、医師の判断を参考に判断が可能です。
復職が難しいと判断された場合は、休職期間が延長できるか、退職や解雇になるのか、所属する企業と相互確認を行いましょう。

 

 

4.休職中の給与や手当は就業規則を確認

ここでは、休職中の給与や手当はどうなるのかを解説します。
企業ごとに扱いが異なる「休職」においては、給与などがどうなるのかは就業規則を確認しましょう。

基本的に、給与やボーナスの支払いはない

休職していると、勤務をしての貢献は無いので、基本的には給与やボーナスの支払いは無い企業がほとんどです。
企業ごとに定めている就業規則に、休職中の給与やボーナスの扱いが記載されている場合は、その条件に従う事となります。

休職理由により、給与が支給されない場合に利用できる制度がある

休職期間中に給与の支給がない場合、休職理由によっては利用可能な制度があります。

代表的なものに、
・「傷病手当金」業務外の怪我や病気が対象
・「労働災害補償保険」業務上の場合に適用
などがあります。

他にも休職の際に利用できる様々な制度があるので、不明な場合は労務部などに相談しましょう。

 

 

5.休職で利用できる手当の種類や条件

休職をした際に利用できる手当には様々な種類があります。
ここでは主な手当5つについて解説します。

・傷病手当金
・労働者災害補償保険
・出産手当金
・育児休業給付金
・介護休業給付金

傷病手当金

業務外のけがや病気で休職する際に受給できる場合のある手当です。

条件:連続する3日間を含んだ4日以上労働できない状態である事、休職中に会社からの給与の支給がない事。
支給額:標準報酬日額の2/3

労働者災害補償保険

業務上のけがや病気で休職する際に利用できる場合のある手当です。

条件:業務上もしくは通勤時のけがや病気で勤務が不可能である、休職中に会社からの給与の支給がない事。
支給額:
休業補償給付として給付基礎日額の60%
休業特別支給金として給付基礎日額の20%

出産手当金

条件:出産のために休職をする、休職中に給与の支給がない事。
受給期間:出産日の42日前より、出産の翌日以後56日目まで
支給額:休職前の給与の2/3を日割りで算出。
※妊娠中のトラブルなどで産休前に療養が必要になった場合、傷病手当金を受け、出産手当金の受給期間に入ったら切り替える事が可能。

育児休業給付金

育児休業給付金は、男女関係なく受け取ることが可能です。

条件:休職中に休職前の80%以上の給与が支給されない事、復職予定である事。
期間:育児休業開始日から子どもが1歳になる前々日まで支給。
支給額:最初の180日間は休職前の給与の67%、181日目以降は50%で算出。

介護休業給付金

条件:2週間以上の常時の介護を必要とする家族のために介護休業を取得する場合
期間:1度の介護休業で最大93日間、同じ家族に対して最大3回まで申請可能
支給額の条件:休職前の80%以上の十分な給与が支給されない事、復職予定である事
支給額:休業前6ヵ月の平均日額の67%

※制度の変更などもあるので所属企業での定めはどうなっているのか、必ず最新の情報の確認をされてください。

6.休職でよくある質問

休職をする前、した後も気になる点は沢山あります。
ここでは休職に関してよく聞かれる質問について解説します。

Q.休職から復帰した際、お菓子を持っていく必要がありますか

A.

様々な意見がありますが、「必ず持参しなくてはいけない」という決まりはありません。
休職して迷惑をかけたからお詫びのために、と思う方もいるかもしれません。
ですが、周囲は菓子折りより、休職していた人が復帰して円滑に仕事をする事こそ期待しています。
義務や必要は無いとは言え、菓子折りを持参していく事でワンクッション入れられる等、安心感が得られるという事であればそれも良いかもしれません。
状況に応じた判断で行きましょう。

Q.休職して何ヶ月でクビになりますか

A.

企業や状況により基準は異なりますが、一般的なラインは出勤率80%程度が目安となります。
月に20日間の出勤とすると、出勤率80%=16日間。
月に4日以上休むと理由によってはクビの可能性が高くなってくると言えます。
持病や感染症など、正当な理由がある場合は勤務形態をきちんと会社と相談をしておき、休職となっても対応してもらえるように相互理解を深めておきましょう。

Q.休職のデメリットはありますか

A.

休職すると、その間に仕\事の成果をあげられないため、キャリア形成や昇進などに影響が出る、人事評価が下がる場合もあります。
ですが、無理に勤務を続けて仕事内容が低下する、心身の不調を招いて長期の休職期間が必要になってしまう、場合によっては退職する等のパターンもあるので、長い視点で見た場合、きちんと休職してまた復帰へと整える事はデメリットばかりでは無いと言えます。

Q.休職すると給料はどうなりますか

A.

休職の種類によって異なりますが、一般的には支給されない事が多いです。
休職の種類によって「傷病手当金」「労働者災害補償保険(労災保険)」など、生活を支える経済的支援制度があるので、休職する・した際は利用できるか確認をしましょう。

Q.休職している人は何をしてる?休職中の過ごし方は

A.

休職している理由にもよりますが、病気やけがなど、心身の状態が低下して休職している場合、仕事復帰へ向けて規則正しい生活を心がけて生活する事が望まれます。

・生活のリズムを整えて生活サイクルを復帰後に近づけておく
・睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動などを取り入れ、心身の健康の回復に務める

休んでいるからといって不規則な生活を送ると、更なる心身の健康の低下にも繋がり、悪循環となる場合があります。
出来る範囲から、生活リズムを整えると良いでしょう。

 

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