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乳がんの初期症状「しこり」と「しこりのできない4つの乳がん」はセルフチェックと定期検診で早期発見しよう

[2022.08.25]

 

乳がんは女性の9人に1人が発症する病気ということをご存知ですか?
30代から40代にかけて急増します。

乳がんは若くても出産経験や授乳経験があっても、閉経していたとしても安心はできません。

乳がんは発見が遅れると命の危険もある病気です。
乳がんは早期発見が可能で治療も効果的な病気ですので、定期的に異常がないか確認していることが大切です。

ここでは乳がんの特徴、症状、検査、治療、早期発見について詳しく説明していきます。

 

目次

1.乳がんはどんな病気?

2.乳がんの症状や初期症状は?

3.乳がんの検査ではなにをする?

4.乳がんの治療はどんなことをする?

5.乳がんとのつきあい方

6.まとめ

7.参考文献

乳がんはどんな病気?

乳がんは乳腺の組織にできるがんのことです。
乳房は乳腺と脂肪組織が、乳腺には乳腺葉が、乳腺葉には乳管と乳腺小葉が、乳腺小葉は腺房という小さい組織があつまって形づくられています。

乳房には多くのリンパ管が通っています。
女性の乳房は授乳期に母乳がつくられて、乳管をとおして分泌されます。

乳がんは多くは乳管から発生しますが、乳腺小葉からも発生します。
女性に多いですが男性でも発症することがあります。

乳がんには大きく2種類あり、非浸潤がんと浸潤がんに分けられます。
がん細胞が乳管や乳腺小葉にとどまっているか、その周囲に広がっているかどうかで、非浸潤がんか浸潤がんに分けられます。
とどまっているものが非浸潤がん、周囲に広がっているものが浸潤がんです。

乳がんは乳房の周りのリンパ節からがん細胞が血流に乗ると、乳房から離れた骨や肺などの臓器に転移することがあります。
乳がんは、がんが乳房の中でどこまで広がっているのか、リンパ節への転移があるのか、リンパ節からの骨や肺への転移があるのかなどによって、そのステージがきまります。

ステージは0〜4期に分けられ、4期が1番重いステージとなります。

乳がんの症状や初期症状は?

乳がん細胞の大きさは、赤血球の8ミクロンよりやや大きいくらいです。
正常な細胞を祖先とするひとつのがん細胞が増殖することによって乳がんになると考えられています。

がん細胞が小さいうちのごく初期の間は、乳がんの症状は何もあらわれません。
現段階ではどんな医療機器を使っても発見するのは不可能です。

乳がんは一般的には5ミリ程度の大きさを超えるとマンモグラフィーで検出できるようになります。
しかし周りの正常乳腺の影響で1~2センチで発見される場合もあります。

乳がんの初期症状

乳がんの初期症状は、乳房を触ると「しこり」を触れることが一番多く、他には乳房に「えくぼのような凹凸」が見られる、乳房の皮膚の「ただれ」が起きる、「左右の乳房の形が非対称」になる、「乳頭から分泌物」が見られるなどが出現します。

乳がんの一番多い症状のひとつである「しこり」は自分で発見することもできます。
自己検診と呼ばれる方法です。

乳がんのしこり

一般的に乳がんのしこりは「触ったときにこりこりする」とよく表現されます。

ところが、正常な状態の乳腺自体にもこりこりした感触があり「しこり」かどうかは専門医でないとわかりにくい場合もあります。

また、しこりのできない乳がんもあります。

しこりのできない4つの乳がん

1.乳頭が赤く腫れてただれ、ジュクジュクとするびらんと呼ばれる状態
皮膚炎でもこのような症状は起きますが、気をつけなくてはいけないのがパジェット病と呼ばれる初期の乳がんのうちの特殊なタイプです。

2.乳房の皮膚に潰瘍ができる
乳がんの増殖が進むことで乳房の表面に潰瘍ができ、ジュクジュクして出血するようになります。
これらが細菌感染するとその影響で匂いも強くなります。 

3.乳房の形の異常が起こる
乳がんができた乳房はボリュームが増えることがあります。   

4.乳房の皮膚の色が変化する
乳房の表面の皮膚の色が赤くなると、炎症性乳がんと呼ばれる特殊な乳がんの可能性があります。
とくに片側の乳房だけが赤くなるときは注意が必要です。

乳がんの検査ではなにをする?

乳がんの検査には段階があります。

まずがんの疑いがあるかどうかを調べ、疑いが本当なのか確定診断するための検査をします。
そのあと、がんはどのくらいの大きさで全身に広がっていないか段階を追って調べることになります。

乳がんがあるか調べるために最初に受ける検査

乳がんの診断のための検査としては、お話を伺う問診、目で見て確認する視診、触って確認する触診、マンモグラフィ検査、超音波検査などを行います。

1.問診
現在の自覚症状、既往歴などを聴取します。

2.視診
乳房の形に異常な所見がないか、分泌物の色や匂いなどを確認します。

3.触診
実際に脇の下のリンパや乳房を触って確認します。(診断に必要のない場所は触りません。)

4.マンモグラフィ検査
乳房専用のレントゲン検査です。乳がんの初期症状である微細な石灰化や、セルフチェックや触診ではわかりにくい小さなしこりを捉えることができます。

5.超音波検査(エコー検査)
乳房に超音波を当て、その反射波を画像に映し出すことで乳房内部の状態を知る検査です。乳房の内の病変がないか、しこりの大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移がないか、などを調べます。

乳がんの可能性を考えて追加される検査

乳がんの可能性があると診断された場合には、さらに詳しい検査をする必要があります。
診断を確定するために、細胞診や組織診などの組織を採取して顕微鏡で調べる精密検査が行われます。

1.細胞診
病変の一部を採取して顕微鏡で調べ、確定診断するための病理検査のひとつで、細胞診では、がん細胞があるかないかを調べます。

・分泌液細胞診
乳頭から出る分泌物を採取して、その細胞を調べる

・捺印細胞診
乳頭びらんから細胞を採取して調べる

・せんし吸引細胞診
乳房に超音波を当てて画像を見ながら病変部に細い針を刺し、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で調べる

2.組織診
病変の一部を採取して顕微鏡で調べ、確定診断するための病理検査のひとつで、細胞より広く組織の一部を採取し、調べる検査です。
細胞診よりも正確な判断ができることから、細胞診をせず、組織診から検査するケースも増えています。

針生検という方法で検査します。
細胞診の時よりも太い針を用いるため、局所麻酔を使用して行います。

針生検には、ばねの力を利用して組織を採取するコア針生検と、吸引力も利用して組織を採取する吸引式乳房組織生検の2種類があります。

乳がんの場所や範囲を確定するための検査

乳がんの確定診断を受けると、がんの周囲への組織の広がり方や乳房から離れた場所に飛んでいないか転移を調べるために、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィ、PET検査などの画像検査を行います。

1.CT
CTとは、Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略です。
人体を輪切りにした画像をコンピュータによって再構成する装置です。

全身の撮影ができて撮影時間も短くて済みます。
0.5ミリメートルの間隔で断層画像をつくることが出来るため、とても小さい病変も描し出すことができます。

2.MRI
MRIとは、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)の略です。
強い磁石と電磁波を使い、体内の状態を断面像にして描写する装置です。

特に脳や脊椎、四肢、子宮・卵巣・前立腺といった骨盤内の病変に関して優れた検出能力を持っています。

3.骨シンチグラフィ
骨にがんが転移しているかどうかを、放射線を発する物質であるアイソトープを静脈注射やカプセルを服用して体内に取り込んで、体内に取り込まれた部分から放出されるガンマ線を専用の装置で体外から計測します。

その薬の分布を画像化することによって全身のがんの転移を調べることができる検査です。

4.PET
PETとは、positron emission tomography (陽電子放出断層撮影) の略です。
放射能を含む薬剤を用いる、核医学検査の一種です。

放射性薬剤を体内に投与して、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化します。
PET検査は、腫瘍、がん、炎症の大きさや場所の特定や、良性・悪性の区別をしたり、転移の状況や治療の効果を判定したり、再発の診断などに利用されています。

CTなどの画像検査では、通常、頭部、胸部、腹部などに部位を絞って検査を行いますが、PET検査では全身を一度に調べることが出来ます。

乳がんの治療はどんなことをする?

乳がんの治療には、手術、放射線治療、薬物療法(内分泌治療、抗がん剤治療、分子標的治療)などの治療を単独で行う場合と複数の治療を組み合わせる場合があります。

検査の結果に合わせて、がんの広がりやステージ、身体の状態、年齢、既往歴など、総合的に判断し決定していきます。

手術

乳がんの手術には、乳房部分切除術(乳房温存手術)、乳房全切除術、腋窩リンパ節郭清、乳房再建術があります。

1.乳房部分切除術(乳房温存手術
腫瘍をその周囲の正常乳腺を含めて切除します。

2.乳房全切除術
全乳房を切除します。

3.腋窩リンパ節郭清
えきかリンパ節かくせいと読みます。病気のある部分を切除するとともにわきの下のリンパ節をまわりの脂肪組織ごと切除します。
がんがリンパ節から血流に乗って全身へ広がるのを防ぐ目的です。

4.乳房再建術
乳がんを切除して形が変わってしまった乳房や、切除によって失われた乳房をできる限り取り戻すための手術を乳房再建術といいます。

乳房再建を行うことにより乳房の喪失感が軽くなり、下着着用時の補正パットが不要になるなどの日常生活での不都合が減少します。

再建する時期には2つあり、一次再建では、乳がん切除と同時に再建までの手術を行う方法です。
二次再建では、手術や化学療法などが一段落したところで改めて再建を行う方法があります。

放射線治療

放射線療法とは、がん細胞のある病巣部に放射線を当てることでがんを治療する方法です。がん細胞は正常細胞に比べて放射線に弱いことを利用しています。

手術後の放射線療法の目的は、温存した乳房や周囲のリンパ節から、残ったがん細胞が増えて、がんが再発するのを防ぐために行います。

手術の目的は、目に見えるがんを取り除き、術後の放射線療法の目的は、手術で取りきれなかった可能性のある、目に見えないがんを根絶することにあります。

薬物治療

乳がんの薬物療法には主に化学療法、ホルモン療法薬があります。

1.化学療法
乳がんの化学療法の目的は、がん細胞の根絶を目的としています。
抗がん剤や分子標的薬があります。

・抗がん剤
乳がんの手術後に抗がん剤を行うのは、がん細胞が体内のあちこちへ運ばれて微小転移となっている可能性があるためです。
抗がん剤はがん細胞の増殖を抑える作用をして、その細胞を死滅させます。

しかし正常な細胞にも影響を与えてしまうため、全身に嘔気や脱毛、食欲不振など、さまざまな副作用が現れる傾向があります。

・分子標的薬
乳がんの分子標的薬は、がん細胞に特異的にみられる分子を標的とした薬です。
効果的にがん細胞に作用します。

分子標的薬と呼ばれるタイプの抗がん剤を用いた治療です。

2.ホルモン療法薬
乳がんのホルモン療法は、女性ホルモンの作用でがん細胞が増えるのを抑える目的のある治療法です。
乳がんには、体内の女性ホルモンの影響で、がん細胞の増殖が活発になる性質のものがあります。

ホルモン療法薬により乳がんの細胞内でエストロゲンという女性ホルモンと結びつくのを妨ぎます。
また、エストロゲンがつくられないようにして、がん細胞の増殖を抑えるホルモン療法薬もあります。

乳がんとのつきあい方

乳がんは、発生した初期のうちに見つけることができれば、適切な治療を受けることで治癒が期待できるがんです。
しかし5年後や10年後、20年後に再発する可能性もあるので、長期にわたって経過観察を必要とします。

病気と長い付き合いとなるために、治療や検査、仕事や生活のバランスを取ることが大切になります。
身体や心理面への負担を軽減する生活の工夫をして、上手に乳がんと向き合っていきましょう。

まとめ

乳がんは女性の9人に1人が発症するがんで30代から40代にかけて急増します。
若くても出産経験があっても閉経していても乳がんになる可能性があります。

乳がんの初期症状は乳房にしこりを触れることがほとんどですが、あまりに小さいうちは触れることができず、自分で発見することは困難です。

乳がんの初期症状はしこりだけではないので注意が必要です。
乳房の形や乳房の表面の皮膚の色、乳頭からの分泌物の色などにも注意して見ていきましょう。

もし気になることがあれば早めに専門医に相談しましょう。

乳がんは早期発見が可能で治療も効果的な病気ですので、定期的に異常がないか確認していることが大切です。
乳房のセルフチェックや定期的な検診を受けて乳がんの早期発見を心がけていきましょう。

参考文献


乳がんと早期発見 埼玉大学国際医療センター

乳がん 国立がん研究センターがん情報サービス

がんの種類別情報 乳がんを学ぶ ファイザーオンコロジー

乳房再建術について 国立がん研究センター東病院

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